5月10日に東京・文京シビックホールで開催が予定されていた、GRANRODEOのツアー『GRANRODEO LIVE TOUR 2025 「XX CROSSOVER 古今東西 XX」』の振替公演が6月8日、同会場で開催された。初期サポートドラマーの長井"VAL"一郎が参加し、ツアーを通して様々な時代の楽曲が演奏され、GRANRODEOの20年を振り返る内容に、古くからのファンは“あの頃”を思い出すなどで歓喜に湧いた。
2017年の『GRANRODEO LIVE TOUR 2017 Pierrot Dancin’』のオープニングSEが鳴り響き、1曲目「Pierrot Dancin’」でライブがスタート。グルーヴ感あふれるビート、ファルセットやハイトーンを巧みに歌いこなすKISHOWのボーカル、e-ZUKAのギターにも渋さが光り、キャリアを重ねた者だけが到達できるパフォーマンスで、頭から観客を圧倒。続けてノリのいい「シャニムニ」を繰り出すと、観客はヘドバンで頭を揺らし、ペンライトを振ってジャンプした。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演
中盤はデビューからの10年、サポートドラマーとして活動を共にした、長井"VAL"一郎が、SHiNに代わって演奏。VALが参加した最後のツアー『GRANRODEO LIVE TOUR 2015 カルマとラビリンス』のオープニングSEに続けて、荘厳な雰囲気が漂う「Blue Pandora Box」、そこから一転メタル調のソリッドでハイスピードな「silence」を立て続けに演奏して、アルバム『カルマとラビリンス』の冒頭を再現。熱くパワフルなドラムに、客席からは「VALさーん!」と声が上がった。また、四つ打ちのビートの「DARK SHAME」では、お立ち台で歌うKISHOWにe-ZUKAが寄り添うように演奏。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演
「Love in shelter」では、KISHOWはワイルドにお立ち台に足を掛け、「忘れかけていた曲をやった」とコメント。そして「これからのみんなの人生が薔薇色でありますように」と言って、「バラライ」を披露した。軽やかなホーンのサウンド、シンプルで真っ直ぐなボーカル。20年やって来た今だからこその説得力が加わり、楽曲に込められたメッセージがより伝わった同曲に、観客もポップなサビに合わせ、手を左右に揺らして楽曲を楽しんだ。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演
ラストスパートはアニメ『黒子のバスケ』関連楽曲と、ライブの鉄板曲の応酬で攻める。観客の大合唱が響き渡った「RIMFIRE」では、会場にまばゆいオレンジ色のペンライトが揺れ、アニメの胸アツシーンがいくつも脳裏をよぎる。「The Other self」では、サビで観客が一斉にジャンプし、間奏のギターソロの前や楽曲の最後には、観客が〈オーオーオーオー〉と声を合わせて、文京シビックホールがひとつになった。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演
男女に分かれて〈GRAN〉〈RODEO〉とコールする、観客の声に呼ばれて再登場したアンコール。時代が一気に今に進み、2月にリリースした20周年ベストアルバム『DOUBLE DECADES OF GR』に収録の新曲で、アプリゲーム『學園文豪ストレイドッグス』主題歌「魔ガツ夜ハ青ナリ」をまずは演奏。どこか不穏なムードを纏った同曲。メランコリックなギター、歌謡チックなキャッチーさのあるメロディー。GRANRODEOらしさを保ちながら、現在進行形で進化を続けるふたりの、20年の研鑽が詰め込まれた同曲に観客は聴き入った。MCで「どんどん歳を取っても、(みんなから)元気をいただいています」とコメントしたKISHOWは、50歳を記念した写真集の発売の告知などを行い、最後に2005年のデビュー曲「Go For It!」を、VAL&SHiNのツインドラムで披露してライブを締めくくった。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演
「Go For It!」は、サビ前の〈IGPX〉を観客が叫んで、コール&レスポンスするのが恒例。観客たちの渾身の〈IGPX〉を聴き、「君たちに支えられて来たことを実感する」とコメントしたKISHOW。〈IGPX〉のコール&レスポンスを何度か繰り返すうちに、KISHOWの足の指が釣るというアクシデントもあったが、それもコール&レスポンスのネタにする機転を利かせ、最後は開脚でハイジャンプして「最高でした!」と一言。
GRANRODEO LIVE TOUR 2025『XX CROSSOVER 古今東西 XX』5月25日箕面市立文化芸能劇場公演