映画『宝島』全国キャラバン第2弾で妻夫木聡、大友啓史監督が静岡上陸 舞台挨拶&ティーチインレポート
映画
ニュース

映画『宝島』公開記念スペシャルトークショーより
続きを読むフォトギャラリー(8件)
すべて見る映画『宝島』を宣伝する全国キャラバンの第2弾が静岡県で行われ、6月14日に新静岡駅直結の商業施設「新静岡セノバ」広場にて、映画『宝島』公開記念スペシャルトークショーが行われた。
トークショーでは冒頭にスペシャル映像も流れ、まだ映画を観ていない約150人の映画ファンの期待が高まるなか、妻夫木聡、大友啓史監督が笑顔で登壇し、それぞれ本作に込めた熱い想いを語った。


そして、15日には「MOVIX清水」で舞台挨拶が行われ、上映後の熱気冷めやらぬ約200名の観客に向け妻夫木、大友監督によるティーチインが実施された。
沖縄以外のエリアで初の上映会となる本イベントで、「映画はいかがでしたか?」というMCの問いかけに観客は大きな拍手で答え、妻夫木、大友監督は沖縄以外のお客様にも受け入れられたことに、安堵の表情を見せた。

その後、鑑賞直後の観客から積極的な質問を受けながらのティーチインがスタート。まず初めに「生涯忘れられない映画に出会ったと思うほど素晴らしい映画でした」と作品を絶賛した後、「なぜ今回テレビCMやインターネットに頼らず、このようにいろいろな場所を自ら回ろうとしたのでしょうか?」との質問に、妻夫木は初主演作品『ウォーターボーイズ』の際に、全国を周りひとりひとりに作品を届け成功した体験を語り、今回も同じ方法でやりたいと撮影中から思っていたことを話すと、大友監督も「宣伝するというよりも、丁寧にひとりずつ目を見てしっかりと話して届けたい」と語った。
また、次の「コザ暴動のシーンの撮影について、規模がすごすぎでした。どうやって撮影しているのか?」という質問に大友監督は、戦後のアメリカ統治下の沖縄に関する資料は意外と残っていないことや、コザ暴動についても、深夜12時頃に起こった出来事だったこと、当時のフィルムが残っていないことなど撮影における苦労を語った。また取材を重ね、当時を知る人が話す、怒りだけではない様々な感情を表現するためにエキストラひとりひとりにまで細かく演技指導して撮影したことや、アメリカ統治下にあった当時の沖縄では、車は右側通行で左ハンドルであり日本には残っている車が少ないため、貴重なヴィンテージカーをかき集め、さらにはアメリカや韓国など海外からも運んできて、さらにそれをひっくり返して燃やすという、スケールの凄さとともに予算も驚くほどかかっている点、など裏話を披露した。
併せて、妻夫木も監督と事前に深く話し合ったことや、当時刑事だった方や記者だった方にも取材をした経験を語った。
続けて「一番心に残っているシーンは?」という質問に、妻夫木はある重要なシーンを深く語り、命の大切さや深い感情について語ると、質問した観客は妻夫木の言葉に涙し、それを見た妻夫木はもらい泣き、その妻夫木を見た多くの観客がさらにもらい泣きしてしまいそうになる場面もあり、作品の持つメッセージ性を共有するひと幕もあった。

また、「どのような人に観てもらいたいか?」という質問に、「この映画は、激動の時代の沖縄を描いた映画ではあるけれど、これは沖縄だけの話ではないです。今生きてる僕たちは、過去の人たちの思いを背負ってこれからどう生きて行くのか、そして未来を生きる子どもたちに何を残せるのか?とすごく僕は問いかけられた気がします。これは未来への問いかけだと、この映画を通じて思いました。なので、ぜひ若い人たちにたくさん観て欲しい」と答え、この日劇場に来た人々それぞれが情報を発信してくれることを改めて希望した。
続けて大友監督は、「本当にひとりでも多くの人に届けたい。今世界中でも大変なことがたくさん起きていて、そこには怒りという感情がある。それを見過ごして良いのか? そういった感情をしっかりと映画を通して届けたい。また当時の沖縄の人たちが体験してきたことを伝えることで、命の大切さ、宝って何なのか?という大切なメッセージをひとりでも多くの方に届けたい」と語った。
最後の挨拶で妻夫木は、「実は広瀬すずちゃんから預かっています」とメッセージを披露。「本日は静岡に行けずに申し訳ありません。地元に自分の映画が届くのがとても嬉しいです。静岡の皆さんとこの作品を共有できることがとても楽しみです。自分の目でも見たかった〜」と広瀬から届いたメッセージを代弁して読み上げた。

大友監督は、6年の苦労を「撮影が2度延期になったが、そのたびに、生きるということを諦めない宝島の登場人物たちが“諦めるな、最後までやれ”と語りかけてきて、その言葉を受けて頑張ってやってきた。登場人物たちの生きる意思、生きる力を体験していただき、皆さんにとって大切な宝物のような作品になるよう、ひとつひとつ丁寧に育てていきたいと思っている。どんな感想でも良いので、なんとか作品を少しでも広めて欲しい」と語り挨拶を終えた。
舞台挨拶後には、沖縄に続き、“宝島宣伝アンバサダー”である妻夫木による名刺配布会も開催された。

<作品情報>
『宝島』
9月19日(金) 公開
公式サイト:
https://www.takarajima-movie.jp
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
フォトギャラリー(8件)
すべて見る