『○△□えほんのせかい+目黒区美術館トイコレクション』7月5日より 及川賢治と竹内繭子の絵本とともに同館の玩具コレクションを紹介
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『まるさんかくぞう』表紙 及川賢治・竹内繭子 2008年 文溪堂
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すべて見る1987年の開館以前から、国内外の優れたデザインのトイ(玩具)を収集してきた東京の目黒区美術館で、及川賢治と竹内繭子の絵本作品とともに、同館のトイコレクションを紹介する展覧会が、7月5日(土)から8月24日(日)まで開催される。
及川賢治と竹内繭子は、イラストレーションや絵本、漫画、アニメーションなどを制作しているふたり組。2007年に出版した絵本で第13回日本絵本大賞を受賞している。今回紹介される絵本のひとつは『まる さんかく ぞう』。カラフルな3つのかたちが積み重ねられて登場するこの絵本の表紙には、一番上に丸いかたち、真ん中に三角、そして一番下に象が描かれている。ほかのページにも船や帽子など、実際には積み重ねられるはずのない大きさや重量が異なるものが積まれているため、違和感を覚える人もいるかもしれないが、絵本にはそんな非現実を軽々と越えていく想像力とデザインの力がある。今回は、その絵本を拡大した造作物も展示され、絵本の世界をダイナミックに体感できるのが楽しみのひとつとなっている。
一方、「手で考える」という視点で選定された同館のトイコレクションも、手でふれ、体感することが想定されている。同館では、1995年に館内に「トイコレクションボランティアチーム」が発足し、コミュニケーション・ツールとしてのトイコレクションの可能性をさらに広げる活動を展開してきた。チーム発足から30周年を迎える今回の展示では、チームメンバーが中心となって来場者を迎えてくれる「プレイコーナー」が毎日設けられ、実際にトイで遊ぶことが可能となっている。例えば、ひとつの形が様々な形に展開できるトイや、年齢を問わずにイマジネーションを膨らませてくれるトイなど、実際に手でふれてみれば、想像力や独創性が刺激されることだろう。

なお、同展では、同時開催として『クルト・ネフ生誕99年』の展示も行なわれる。幾何学的な形の木製の積み木「ネフスピール」をはじめ、新しい発想の玩具を次々と発表し、20世紀後半における世界の玩具の歴史に多大な影響を与えてきたのが、クルト・ネフと彼が設立したネフ社。同館のトイコレクションの中心をなすネフ社の貴重なトイとともに、同社の歩みや功績にふれられるのも興味深い。

<開催概要>
『○△□えほんのせかい+目黒区美術館トイコレクション 同時開催 クルト・ネフ生誕99年』
会期:2025年7月5日(土)~8月24日(日)
会場:目黒区美術館
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
料金:一般900円、大高・65歳以上700円
公式サイト:https://mmat.jp/exhibition/archive/2025/20250705-454.html
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