Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 『書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―』永青文庫で 細川家に伝わる文具の名品を20年ぶりに公開

『書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―』永青文庫で 細川家に伝わる文具の名品を20年ぶりに公開

アート

ニュース

ぴあ

《百寿文軸筆》永青文庫蔵

続きを読む

フォトギャラリー(13件)

すべて見る

熊本藩主細川家の下屋敷跡にある東京で唯一の大名家の美術館・永青文庫で、夏季展『書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―』が、7月5日(土)〜8月31日(日)に開催される。

書や画をしたためるために使用される筆・墨・硯・紙は、中国で長い歴史を経て進化し、知識人に愛玩されて「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と呼ばれた。「文房」とは元来、詩作や読書にふけるための書斎・書院を意味し、「筆墨硯紙(ひつぼくけんし)」が特に「四宝」として尊ばれた。実用的な道具としてだけでなく、文化的な価値が評価され、その材質や装飾が鑑賞の対象となったのだ。

永青文庫の設立者、細川護立(ほそかわもりたつ、1883~1970)もそうした「文房四宝」を愛好したひとり。禅画や刀剣、日本近代絵画の収集で知られる護立だが、幼少期から漢籍に親しみ、中国の陶磁器や仏像に関心を広げ、文具も収集していた。晩年の護立は、夕食後に必ず硯と筆を用意させ、書に親しんだという。今回の展覧会では、細川家で大切にされた90点以上の文房四宝を再調査し、その中から選りすぐりの60点あまりを20年ぶりに展示。「硯で墨をすって筆で紙に書く」という行為を彩った文具の数々を紹介する。例えば、兔・馬・鼬(いたち)・鹿・山羊の毛を用い、筆管(軸)に象牙や玉を用いた筆なども展示される。

《乾隆年製 御製詠墨詩墨》永青文庫蔵

また特集展示として、煙草入れなどの喫煙具も紹介。煙草入れは、きざみ煙草を持ち歩くための入れ物で、江戸時代に喫煙が一般化すると、携帯に適した様式が確立した。相良繍(さがらぬい、結び目を連ねて模様を表す刺繍)など繊細な刺繍を施した煙草入れを、豪華な蒔絵のたばこ盆とともに楽しみたい。

《絽刺腰差したばこ入れ》永青文庫蔵

<開催概要>
令和7年度夏季展『書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―』

会期:2025年7月5日(土)〜8月31日(日)
会場:永青文庫
時間:10:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
料金:一般1,000円、70歳以上800円、大高500円
公式サイト:https://www.eiseibunko.com/

フォトギャラリー(13件)

すべて見る