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アメリカ屈指の名門バレエ団が来日! ヒューストン・バレエが『ジゼル』全幕&豪華ガラで魅せる

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アメリカ有数のカンパニーのひとつ、ヒューストン・バレエ3年ぶりの来日公演が間もなく初日を迎える。前回の初来日公演では、芸術監督のスタントン・ウェルチによる『白鳥の湖』を上演、そのパワフルな舞台で観客を魅了したが、ウェルチの代表作で構成される「オープニング・ガラ」、『ジゼル』を携えての再びの来日。カンパニーを代表するプリンシパル、加治屋百合子をはじめとするダンサーたちが、ウェルチ作品の多彩な魅力をたっぷりと届けてくれるだろう。

米国テキサス州ヒューストンを拠点に活動するヒューストン・バレエは、1969年の設立。2003年に芸術監督に就任したのが、オーストラリア出身の振付家、ウェルチだ。古典作品の新制作や現代振付家の作品を積極的に取り入れ、独自のレパートリーを築き上げてきたが、2023年7月からは、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)で長くトップダンサーとして活躍したジュリー・ケントが共同芸術監督として加わり、カンパニーはさらなる飛躍へと踏み出している。

『ジゼル』Artists of Houston Ballet as Wilis in Stanton Welch’s Giselle. Photo by Amitava Sarkar (2019), Courtesy of Houston Ballet.

古典全幕から現代作品まで、多彩な振付家の作品を上演する中でも、最もヒューストン・バレエらしいレパートリーといえるのがウェルチ芸術監督の作品。『白鳥の湖』では、古典バレエではなかなか出会えない、エネルギッシュな男性群舞や説得力ある演出で新鮮な感動をもたらした。今回上演される『ジゼル』も、ウェルチならではのこだわりが詰まった作品だ。

『ジゼル』 Houston Ballet Principals Yuriko Kajiya as Giselle and Connor Walsh as Albrecht in Stanton Welch’s Giselle. Photo by Amitava Sarkar (2019), Courtesy of Houston Ballet.
『ジゼル』 Houston Ballet Principal Karina González as Giselle in Stanton Welch's Giselle. Photo by Amitava Sarkar (2016). Courtesy of Houston Ballet.

アダンの音楽による『ジゼル』は、現在上演されているバレエの中で最古の作品といわれるロマンティック・バレエの傑作。これもやはり、世界中の劇場でさまざまなヴァージョンが上演されているが、2016年にウェルチが加治屋百合子にインスピレーションを受けて振付けたという本作では、この作品でしか見られない踊りの見せ場が散りばめられているという。また、第1幕終盤のジゼルの“狂乱の場”は、現在上演されている一般的な演出では省かれている音楽を復活させ、より長い時間をかけて表現を追求しているそう。恋人のアルブレヒトに裏切られ、命を落とすジゼルの悲劇と、その愛の深さがどのように描かれるのか、この目でしっかり確かめたい。加治屋百合子とコナー・ウォルシュ、カリーナ・ゴンザレスとアンジェロ・グレコという2組のプリンシパルが日替わりで主演を務め、それぞれの個性をもって、感動の舞台を作り上げる。ソリストの藤原青依、徳彩也子、アクリ士門、デミソリストの滝口勝巧ら、日本人ダンサーの活躍も楽しみだ。

『クリア』Houston Ballet Principal Yuriko Kajiya and Artists of Houston Ballet in Stanton Welch’s Clear. Photo by Lawrence Elizabeth Knox (2023), Courtesy of Houston Ballet.

また東京、愛知の初日に上演される「オープニング・ガラ」では、ウェルチの代表作が次々と登場。加治屋がABTに研修生として入団した直後の2001年、ウェルチがABTで振付けた『クリア』は、ケントをはじめ、アンヘル・コレーラやマルセロ・ゴメスなどの大スターたちが踊ったことでも知られる。バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲、ヴァイオリン協奏曲ト短調で踊られる、抽象的な作品だ。加治屋はこのほか、自身の十八番ともいえる『蝶々夫人』よりパ・ド・ドゥを披露。ウェルチ25歳の時にオーストラリア・バレエで全幕作品として振付けられたが、ウェルチは当時、いつか加治屋に踊ってもらいたいという思いを抱いていたと聞くと、見逃せない。ほかにも、「『シルヴィア』より」、「『魂の音』より」、また『ヴェロシティ』という趣の異なる作品が揃った「オープニング・ガラ」。全幕の『ジゼル』とともに、ウェルチの振付の魅力、ダンサーたちの技と美を、生の舞台で体感できるまたとない機会となる。

Houston Ballet Principals Yuriko Kajiya as Cio-Cio San and Connor Walsh as Pinkerton in Stanton Welch’s Madame Butterfly. Photo by Amitava Sarkar (2016), Courtesy of Houston Ballet.


文:加藤智子


<公演情報>
ヒューストン・バレエ来日公演

S.ウェルチ作品特集「オープニング・ガラ」

S.ウェルチ振付『ジゼル』全2幕
振付:S.ウェルチ
作曲:A.アダン

【東京公演】
2025年7月3日(木)「オープニング・ガラ」19:00開演
※演奏は特別録音音源を使用

2025年7月5日(土)『ジゼル』14:00開演
出演:カリーナ・ゴンザレス、アンジェロ・グレコ ほか

2025年7月5日(土)『ジゼル』19:00開演
出演:加治屋百合子、コナー・ウォルシュ ほか

2025年7月6日(日)『ジゼル』13:00開演
出演:カリーナ・ゴンザレス、アンジェロ・グレコ ほか

指揮:サイモン・シュー
管弦楽:シアターオーケストラ トウキョウ

会場:東京文化会館 大ホール

【愛知公演】
2025年7月10日(木)「オープニング・ガラ」19:00開演
※演奏は特別録音音源を使用

2025年7月12日(土)『ジゼル』13:00開演
出演:加治屋百合子、コナー・ウォルシュ ほか

指揮:サイモン・シュー
管弦楽:愛知室内オーケストラ

会場:愛知県芸術劇場 大ホール

【「オープニング・ガラ」予定演目、出演者】
『クリア』
出演:加治屋百合子、エリック・ベスト、アクリ士門、滝口勝巧 ほか
『シルヴィア』より
出演:カリーナ・ゴンザレス、ハーパー・ウォッターズ
『蝶々夫人』より
出演:加治屋百合子、コナー・ウォルシュ
『魂の音』より
出演:藤原青依、エリック・ベスト
『ヴェロシティ』 
出演:藤原青依、ジュリアン・レイシー、キム・ダンビ、ナジア・ムハンマド、タイラー・ドナテリ、ニール・バークス ほか

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559821

公式サイト:
https://www.koransha.com/ballet/houston/

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