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ぴあ 総合TOP > 山寺宏一×水島裕インタビュー 声のプロフェッショナル達が生演奏と共に作り上げる贅沢な空間をぜひ体感して ノサカラボ 『TASTE OF SOUND WAVE Readings with Live music Sherlock Holmes #5』

山寺宏一×水島裕インタビュー 声のプロフェッショナル達が生演奏と共に作り上げる贅沢な空間をぜひ体感して ノサカラボ 『TASTE OF SOUND WAVE Readings with Live music Sherlock Holmes #5』

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左から水島裕、山寺宏一 (撮影/荒川 潤)

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2021年、演出家・野坂実を中心に始動した、世界中の名作ミステリーを舞台化していくプロジェクト「ノサカラボ」。豪華声優による朗読と生演奏による音楽朗読劇「シャーロック・ホームズ」シリーズは2021年より上演を続け、今回が5年目となる。
初演から引き続きシャーロック・ホームズを演じる山寺宏一と、ワトソン役の水島裕にインタビューを行った。

朗読劇の醍醐味を今回も

――まずは5回目となる公演への意気込みをお願いします。

山寺 意気込みすぎて、公演の前にロンドンに渡ることになりました。観光旅行ではありますが、ホームズの聖地を訪ねてこようと思っています。

水島 意気込みすぎて、僕は鎌倉の英国アンティーク博物館「BAM」に行き、浸ってこようかなと。山ちゃんがイギリスに、僕はいざ鎌倉ということです(笑)

――今回のゲストの皆さんについてはいかがでしょう。

山寺 まだ全員での顔合わせはしていませんが、ビジュアル撮影で大塚明夫さん、松岡(禎丞)くんとお会いしました。高木(渉)くん、細谷(佳正)くんとも他の作品で共演経験がある。素晴らしいメンバーが集まったと思います。

水島 今回は初めてWキャストがいるので、それも楽しみですね。それぞれがどう表現するのか興味があります。

山寺 明夫さんは2回目の公演から参加していただいていて、絶大なる信頼があります。頼り甲斐があるのでもうお任せという感じですね。高木くんはとにかく面白いので、今回も高木渉ならではの表現を期待しています。初の松岡くんと2回目の細谷くんは他のメンツと比べると若手ですが、他のお仕事を拝見していても素晴らしいので大いに期待しています。

水島 これまでの公演でも、稽古のたびにみんな進化していて、「お、そう来たか」という驚きがありました。今回はWキャストの方もいるので、みんながどんな表現をするのか、とてもワクワクしています。もちろん僕らも丁々発止いきますよ。そうやって、出演者5人が毎回ベストを尽くして演じていくのが面白いんです。

――生演奏も大きな魅力の一つだと思います。

水島 生演奏と生の効果音、僕らのセリフが三位一体になった空間ってすごく気持ちいいんです。楽器もバイオリンやチェロ、フルートなど、いわゆる生音を響かせる楽器。映像だと伝わりきらない魅力があります。劇場だと楽器の音圧も感じられるし、お客様の空気も一緒になって舞台が完成する。その贅沢さをぜひ劇場で味わってほしいですね。本当に気持ちいいのでオススメしたい、この空間を味わってほしいという気持ちです。

――生演奏による影響や刺激はどのように感じますか?

山寺 演奏家の皆さんも共演者だということを強く感じます。生演奏ですから、その場でお互いに刺激を受け、影響を与えあって変化していきますね。

水島 朗読劇だと稽古の回数が少ないこともあるけど、スリリングなところが面白いなと思います。以前、山ちゃんと一緒にコメディの舞台をやった時は1ヶ月ほど毎日稽古をしました。でも朗読劇は「お前らならちゃんとできるよね」と野坂実が言っているんですよ、きっと(笑)。みんなそれを感じているから、舞台上でベストを尽くせるようにそれぞれ準備してくる。

山寺 朗読劇は動きがないぶん役と演技とセリフのニュアンスに集中し、役に深く入り込めるとも言えます。普段声の仕事をしていない役者さんは、台本を持ってセリフを覚えずにマイクの前で演技することにストレスを感じると思いますが、我々はその制約の中で役に入り込める。聞いた人に思いを伝えて情景を思い浮かべさせるのが得意だし、それができる声優がキャスティングされています。推理物は状況説明も多いので、声優として培ってきた説得力や表現力が活かせると感じます。

水島 舞台での演劇は、みんなで稽古して積み上げていくけど、朗読劇はそれぞれが作ったものを持ち寄って完成させるイメージだよね。稽古の回数が少なくても、持ち寄るまでにすごく考えて練習してくる。あと、音楽に関していうと僕はオーバーチュアを袖で聞いた時にスイッチが入ります。録音でもいいのかもしれないけど、生演奏の音圧や波長が本当に気持ちいい。

山寺 わかります。シャーロック・ホームズの時代に連れて行ってくれる感じがします。

熱い信頼で結ばれたホームズとワトソン

――世界中で演じられているホームズとワトソンですが、お互いが演じるホームズ、ワトソンの魅力はどこに感じますか?

山寺 裕さんのワトソンは、僕が知る限り一番お茶目で可愛らしいと思います。

水島 僕はこれしかできないので(笑)。山ちゃんのシャーロックは硬軟織り交ぜているというか、ピシッと決めるところと柔らかさが魅力。ワトソンはシャーロックに引っ張ってもらっています。こういう役だからでもあるけど、この関係は以前にやっていたイギリスのコメディをやるユニットから始まっているんですよね。

山寺 そこで培った関係性が意図せず出ている気がします。野坂さんもそこを見越してキャスティングしてくださったのかな。

水島 野坂さんがレイ・クーニーの作品をやりたいと言ってこのチームができ、そこからシャーロックを朗読でやろうということになった。必然だったような気がしますね。問題はあと何年できるか。

――以前、野坂さんが10年ほどかけてやりたいとお話ししていたので、少なくともあと5年は……。

山寺 僕としてはあんまり長い期間を決めるのは好きじゃないので、とりあえず今年を全力で。

水島 後で振り返るときっと何年もやってるよ! とはいえ、どうなるかわからないから、元気に公演をしているうちにお客様に来てもらったほうがいいよね!

山寺 でも、お客様も僕らも、より満足できるものにしないと続ける意味がない。「毎年恒例だから」じゃなく、お客様が「絶対に年1回は見たい」と思うものにしなくてはいけないと思っています。

水島 それはそうだ!僕の感覚では今のところお客様も含めて、毎年ステップアップしているような気がする。これがどこまでいくかだよね。

山寺 そうですね。正直、最初はいろいろ難しいと思っていたんです。でも、ここまで続いたのでより良いものを育てていきたいですね。推理小説を台本にするのは難しいし、殺人が絡む事件もあるので、すっきりできるハッピーエンドは少ない。僕は脚本作りに携わっていませんが、原作とは違う終わり方にしたり、謎解きで終わった作品に人間ドラマを絡めたり、見ていて楽しんでもらえるようアレンジされています。初期からどんどん深く楽しい作品に進化していると感じます。シャーロックファンに限らず楽しんでもらいたいという欲張りなユニット。今回はどうなっているのか、僕も楽しみです。

水島 その答え合わせに来ていただきたいですね。どうなったか見届けてください。

山寺 イギリス帰りの僕をぜひお楽しみに。ロンドンでシャーロック・ホームズゆかりの地を訪ねる旅が果たして役に立ったかどうか、あなたの目と耳で確かめてください。

水島 鎌倉帰りの僕もぜひお楽しみに。役に立っているのをあなたの目と耳で確かめてください(笑)。

取材・文/吉田沙奈
撮影/荒川 潤

<公演情報>
ノサカラボ 『TASTE OF SOUND WAVE Readings with Live music Sherlock Holmes #5』

日程:2025年7月18日(金)~20日(日)
会場:大手町三井ホール

[演出・構成] 野坂実
[脚本] Writer's Dozen(須貝英/(ジェシカ)/小林燈人/吉次匠生)
[音楽] 内門卓也
[原作] アーサー・コナン・ドイル

[出演] 山寺宏一 水島 裕
細谷佳正・松岡禎丞(Wキャスト)
高木 渉
大塚明夫

[演奏]
フルート:疋田未都
クラリネット:大川遥
ヴァイオリン:岸川りほ
ヴィオラ:武市華奈
チェロ:尾崎ひかり
パーカッション:濵口大弥
ピアノ:内門卓也

チケット情報
https://w.pia.jp/t/nosakalabo-sherlockholmes/

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