中島颯太のアップデート法「好きなことをやっていたら、嫌なこともできるようになる」
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中島颯太 (撮影/梁瀬玉実)
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すべて見る理想の自分にアップグレードしたい――。誰しもそんなことを人生の中で1度や2度、思ったことがあるはず。FANTASTICSの中島颯太も自分のやりたいことに挑戦し続け、アーティストとして役者としてアップグレードし続けている。できないことも苦手意識をもたないで、ポジティブに向き合ってきたという中島。『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』で演じた明るく前向きで誰のことも否定しない役どころは、まさにハマり役だ。
オリジナルストーリーも「笑って泣ける」おっパンでした!

2024年1月6日より放送された土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(以下:おっパン)は、放送されるいなや、Z世代を中心に多方面で話題に。世間の古い常識や偏見で凝り固まった昭和のおっさん・沖田誠(原田泰造)がLGBTQ、推し活、二次元ラブなど新しい価値観と出会ったことから、少しずつアップデートされていく姿に「全てのおじさんに見て欲しい!」という意見が世に溢れた。映画版ではドラマ版に引き続き、中島颯太が誠をアップデートさせた大学生の五十嵐大地役を演じる。
「ドラマの撮影を通して、“おっパン愛”が強くなっていたので、映画化の話を聞いて、もう一度同じメンバーで集まれるのが嬉しくて、ガッツポーズをしました。オリジナルストーリーということで、脚本を読むまで楽しみにしてたんですけど、ちゃんと笑って泣ける“おっパン”でしたね。おなじみのおっパンファミリーに加えて、カリスマ編集者役でトータス松本さんなど新しいキャストも登場します。今回はオタ活などそれぞれの“好き”な想いも描かれるので、“好き”なものがあるのっていいなと思うシーンもたくさんあると思います」

スタッフとキャストの座組は、土ドラと同じ面々ということで、アットホームな雰囲気が漂っていたという撮影現場。家族のように和気藹々とした和やかな時間が流れる中、大地というキャラクターはすぐに取り戻せたのだろうか。
「ドラマから1年後ぐらいに集まったんですけど、2、3日前の撮影の続きみたいな雰囲気でしたね。『ただいま~!』『お帰り!』みたいな感覚だったので、すぐに作品の感覚を取り戻せました。おなじみのメンバーに加わる新しいキャストの皆さんに対しては、僕が逆の立場だったら緊張するだろうなと思ってたので、積極的に喋りかけるようにしていました。ペットショップの店長を演じた曽田陵介くんは、元々フットサルをやる仲間だったので、仲が良くて。池田朱那さんはドラマで1度共演がありましたし、トータス松本さんも仲良くさせていただいていたので、スタッフさんを含めていろいろお話をしました」

演じる五十嵐大地については、「言葉で誰かの心を動かすことができる、本当に素敵なキャラクターで僕自身もパワーをもらっている」という中島。ドラマでは誠のアップデートをサポートする役回りだったが、映画版では、誠や沖田ファミリーが大地を成長させてくれるストーリーとなっている。
「ドラマ版では、皆が頼りにするような太陽のように輝かしい存在の大地くんだったんですけど、映画ではパートナーの円先輩(東啓介)と遠距離結婚になってしまい、何にも手をつけられなくなる、ちょっと寂し気な大地くんの姿が描かれます。そんな姿は人間味があると思いますし、ドラマの時の大地くんとは違った表情なのかなと。泰造さんからも『大地くん可愛い。人間味があるところを知れて良かったよ』って言っていただきました。大地が遠距離結婚の寂しさをどう乗り越えたのか、注目して欲しいです」

泰造さんとは普段から何気ないことで笑い合える関係になれて嬉しい

アップデートをお互いにし合うような世代を超えた誠と大地の関係性は、素敵なもの。その二人を演じていた原田と中島の関係性も相性が良かったという。
「取材の時に泰造さんが僕と相性が良いと言って下さって嬉しかったです。最近は泰造さんがボケするとこれはツッコミを入れるところだとすぐに分かるようになってきました。泰造さんは普段は撮影から1年間空くとまた身構えてしまうタイプらしくて。でも、僕が積極的に話しかけたので、身構えることも一切なかったみたいです(笑)。普段から何気ないことで笑い合える関係になったのが嬉しいですし、お芝居の面でも二人のシーンではいい空気感でできたと思います」

明るく太陽のような大地というキャラクターは、誰とでも打ち解けられる明るさを持つ中島にぴったりなハマり役だ。本人が本当にこんな人なのではと思うほど、説得力たっぷりに演じているが、改めて大地の魅力について聞いてみると……。
「バイト先のペットショップの店長の佐藤さんに対してもそうですし、誰に対しても差がないんです。自分のセクシャリティに関してもちゃんと向き合っていて、自分をしっかり持っているから、人に対しての受容力もあるというか。起きた物事に対してもちゃんと向き合えるのはすごいことだと思います。僕も大地くんみたいな人になりたいと思って、日々を過ごしているので、『こういう人いいよな』と思いながら演じていました。大地みたいに僕も人と話すことが好きで、目の前の人のことを知りたいという気持ちがありますし、人のいいところを見つけたいというところは僕と同じです」

「ここまでアップデートされている人間ってすごいですよね」と大地の人間性をリスペクトしているという中島。とくに大地が放つセリフから、言葉の力のすごさを改めて感じたという。
「何が起こっても相手の気持ちを考えられるのが素晴らしいです。大地って、怒るときも相手の気持ちをちゃんと理解したうえで意見を言うんですよ。誠さんに対しても『こう変えた方がいい』じゃなくて、『誠さんだったら、変われますよ』って相手に寄り添う感じで。節々に人柄の良さが出ているなと思うので、学ぶべきことがたくさんある役を1年ぶりに演じられて本当に良かったです」
『ゆせそたフェス』に勇征くんのお母さんやおばあちゃんが来てくれました

バーベキューをするシーンでは、沖田家と五十嵐家とペットショップの佐藤も揃い、全員集合しての撮影に。このシーンの撮影裏エピソードを尋ねると楽しい話が飛び出す。
「バーベキューの撮影の日は、カメラを持参して。陵介くんもカメラが趣味で持って来ていたので、お互いに撮りあっていました。誠さんと美香さんの3ショットを撮ったら、すごくいい写真が撮れたので、どこかで出せたらと思っています。泰造さんは『絶対ちょうだいね』って言ってくださったので、お渡ししたいです。ちなみに集合写真といえば、5月6日に河口湖でFANTASTICSのボーカル二人で『ゆせそたフェス』というイベントをしたんです。そのフェスに僕の家族は大阪から車を走らせて参加してくれて。勇征くんのお母さんやおばあちゃんも来てくれたんですよね。それで、全員で集合して写真を撮ったんですが、あの時間は本当にエモくて素敵な思い出です」
大地と円が水族館に訪れるシーンでは、水族館ロケで普段は立ち入ることができないバックヤードでの撮影もあったそうで、中島と東は「すごい!」とテンション上がりっぱなしだったとか。
「水族館の撮影では、1時間ぐらい空き時間があったので、東啓介くんと水族館を全部まわることができました。ペンギンが可愛くて、持って行ったカメラで写真をいっぱい撮りました。クラゲもいい写真がたくさん撮れたな。その時、一般のお客様もいたんですが、おっパンを観て下さっている方に『この二人といえば、おっパンですよね? 頑張って下さい』って声をかけられて。東くんは身長が高いから目立つのか、バレちゃいましたね」

同じ作品で同じ役を再び演じることの楽しさも感じられたという今作。近年、役者としてたくさんの経験を積んできて思う、役者という仕事の面白さとは――?
「自分の人生は1回だけ。自分が生きていて味わえないであろう人生を役で経験ができるのは面白いです。今作なら、“好きなものがあることは素晴らしい”っていうメッセージがあるので、自分がアーティストとして届けたいものを作品として届けられるのは、このうえない幸せなことです。普段、中島颯太としてライブのMCでは言えないことを、大地を通して届けることができることが楽しいです」
役者の仕事とは平行してアーティスト活動もあるため、スケジュールには追われるが、自身が役者として表現力を磨くことがFANTASTICSのアーティスト活動に還元できていると語る。それは他のメンバーも同じだという。
「(八木)勇征くんや中島颯太もそうなんですけど、ボーカル2人がお芝居の仕事をしながら、グループ活動に戻ってくると、楽曲を歌うときの表情が全然変わっているんですよね。歌う曲の世界観が1つひとつ違っても演じ分けられる力がついているというか。とくにライブをやる時は、いろんな曲調がセットリストに詰め込まれている中、バラードの後にアップテンポの曲を歌う時に2人とも瞬時に切り替えられるのは、役者業のいい影響だと思います。以前は、勇征くんがお芝居をやる姿に刺激をもらっていましたが、今はお互いにお芝居をするようになりましたからね。勇征くんも僕の作品を全部観てくれていて、『おっパン』の映画化もとても楽しみにしてくれています」
苦手なことがあったら、できるまでやるタイプです

大地は苦手なことともちゃんと向き合う性格。中島自身も苦手なことがあったら、克服しようと努力するタイプだという。
「苦手なことがあったら、できるまでやります。中学1年生の時は、50メートルのタイムがすごく遅かったんですよ。それが嫌で、速く走れるように研究したり、個人的に練習したり。そしたら、高1の頃にはクラスで1番くらい足が速くなっていました。無事、苦手なことを乗り越えられたことで、努力すれば、勝てるっていうことを実感した体験でした。苦手なことこそ、どんどん挑戦していけばいいんじゃないかな。ただ方向音痴だけは、どうにもならなくて(笑)。道に迷ったりはもちろん、大きな建物内で迷子になったりすることもしょっちゅうです。これは努力でどうにもならないような気がしますね」
劇中では主人公たちがよりよい自分にアップデートしていく姿が描かれるが、中島自身が最近アップデートできたと思ったのは、どんなことだろうか。
「アップデートしているのは、カメラの知識です。最近は望遠レンズを新しく買いました。店員さんと話して買ったんですが、その店員さんがすごいカメラ好きの、素敵なおっちゃんで、おっパンに出て欲しいくらい、いい方でした(笑)。レンズのことを優しく教えてくれたうえ、『話を聞いてくれたからあげるよ』ってすごく貴重なものをいただいたりもしました。カメラの知識って知れば知るほど、奥深いです。今後もカメラの技術を磨いて、メンバーや風景、現場で撮ったものをどんどん発信していきたいです」

これからアップデートしたいことについては、「楽器をもう1つぐらいしたいです」とアーティストとして挑戦してみたいことを語ってくれた。
「ピアノ、ギターをしていて、この前役を通してドラムを演奏できるようになったので、次に狙っているのは、サックスです。昔からずっと挑戦してみたいと思っていたんですけど、まだ踏み出せてないので、早くしたいですね。ジャズで洋楽を演奏している方の動画を観るのがすごく好きで、気持ち良さそうにサックスを演奏している姿を見て、ライブでできたらカッコいいなと思って。いつかライブで演奏してみたいです」
続いて「FANTASTICSのメンバーにアップデートして欲しいところは?」という質問を投げかけると即答でこんな回答が……!
「勇征くん、澤夏くん(澤本夏輝)くん、(瀬口)黎弥くんにアップデートして欲しいことがあって。ライブの時、もうちょっと早く準備をして欲しい! ライブ直前に気合入れをするんですけど、その1分前まで着替えてないことがあるんですよね。歯磨きとかしてるメンバーがいたりするので、もうちょっと焦って欲しいです(笑)。世界さんと堀夏くん(堀夏喜)も自分のイヤホンで音楽とか聴いてたりするんですけど、さすがに衣裳は着替えていますからね。僕と(木村)慧人、大樹くんが早いほうなので、いち早く集まってスタンバイするのがだいたいお決まりパターンです」
そして、今アップデートしたい人に向けてのアドバイスでは、中島がいろんなことにポジティブシンキングで努力してきたことが明るみに。
「自分自身に苦手意識を刷り込まないことが大事だと思います。できないから、上手くやりたい……じゃなくて、苦手とは違う角度で見るのがいいと思います。苦手な人、もの、ことの、好きなところを見つけてみるとか。良い部分を伸ばして続けてたら、嫌だったことができるようになったりとかすると思うので。『嫌なことを頑張ろう』ってなると多分、前に進まないと思うので、好きなことをやった先に嫌なことができるようになる、みたいな感覚だと進みやすいのかなと。嫌だって意識するより、何でも好きなことを意識する思考回路に持っていけたらいいですよね」


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<作品情報>
映画『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
7月4日(金)より全国ロードショー

原田泰造 中島颯太(FANTASTICS) 城桧吏 大原梓 東啓介 渡辺哲 曽田陵介
井上拓哉 芦原優愛 堀丞 ゆうたろう 工藤綾乃 山崎紘菜 池田朱那 赤ペン瀧川
鳥居みゆき 徳重聡 雛形あきこ
トータス松本/ 松下由樹 / 富田靖子
©練馬ジム| LINEマンガ・2025映画「おっパン」製作委員会
■公式HP:gaga.ne.jp/oppan-movie
■公式X・公式Instagram・公式TIKTOK:oppan_movie
【SPECIALDRAMA】
6月28日(土)放送決定! 映画公開記念スペシャルドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!~スぺシャルドラマ~』(仮)
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット23時40分~24時35分(土ドラ枠)
一夜限りのオリジナルストーリーとなるスペシャルドラマも「おっパン」ファミリーが大集合。今回は沖田家の幸せの象徴“たぬきの置き物”が何者かに壊される。するとかつての誠と同じように悩みを抱えた謎のカタブツ男が現れ…。今回は愛犬・カルロスがストーリーテラーを務めるなど楽しさ満載!映画の前に必見。
撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子
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