天野天街が遺した『りすん 2025 edition』リ・クリエイションツアー
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2023年上演『りすん』より (撮影:羽鳥直志)
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すべて見る『りすん 2025 edition』が7月11日(金)〜13日(日)、名古屋・千種文化小劇場を皮切りに、岡山、多治見、伊丹、横浜と全国5都市で上演される。
天野天街演出で2010年に初演され、2023年に13年ぶりの再演を果たした『りすん』。原作は、作家・諏訪哲史による同名小説。デビュー作にして芥川賞を受賞した『アサッテの人』と対をなす長編として、2008年に刊行された。

骨髄がんで長期入院中の少女と、彼女と兄妹同然に育った青年。病室で、二人のリズミカルな会話が交わされる。そのやりとりが、同じ病室の女性患者によって書かれた物語であったなら……。言葉にフォーカスし、小説そのものへの問いを作品に昇華した原作を、やはり言葉を自在に操る演出家、天野天街が脚色・演出した。2010年の初演版は「伝説の名作」と呼ばれた。そして2023年に新キャスト&新演出で上演された令和版『りすん』もまた、「新たなる伝説の誕生」と高い評判を集めることとなった。2024年7月、天野天街が逝去するも、再演を望む声が高かった今作のリ・クリエイションツアーが行われることとなった。

今回の演出を担うのは、30年以上にわたり天野天街と共に名古屋を拠点に活動を続けてきた盟友・小熊ヒデジ。天野が手がけた令和版の演出を生かしつつ、新たに挑むという。名古屋、岡山、多治見、伊丹を経て、8月7日(木)〜10日(日)には、KAAT神奈川芸術劇場大スタジオにて天野の強い希望であった関東地区横浜公演も開催される。
キャストは妹役に加藤玲那、兄役に菅沼翔也、祖母役に宮璃アリのたった3人という少人数。言葉のリフレイン、しりとりで繋がっていく単語の洪水。映像と音楽、夕沈(少年王者舘)による振付によって異世界へと連れていかれるような感覚。天野演出の魅力が詰まった今作を、じっくりと味わいたい。
文:釣木文恵
<公演情報>
『りすん 2025 edition』リ・クリエーションツアー
原作:諏訪哲史 『りすん』講談社文庫刊
脚色:天野天街
演出:小熊ヒデジ+天野天街
出演:加藤玲那 菅沼翔也(ホーボーズ) 宮璃アリ(少年王者舘)
【名古屋(愛知)公演】
2025年7月11日(金)~7月13日(日)
会場:千種文化小劇場(ちくさ座)
【岡山公演】
2025年7月19日(土)・20日(日)
会場:岡山芸術創造劇場ハレノワ 小劇場
【多治見(岐阜)公演】
2025年7月26日(土)・27日(日)
会場:多治見市バロー文化ホール 大ホール舞台上
【伊丹(兵庫)公演】
2025年8月2日(土)・3日(日)
会場:伊丹市立演劇ホールAI・HALL
【横浜(神奈川)公演】
2025年8月7日(木)~10日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E3%82%8A%E3%81%99%E3%82%93
公式サイト
https://naviloft1994.wixsite.com/navi-loft/lisun2025
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