初演から31年目の夏、松角洋平×瀬戸さおり出演の『父と暮せば』舞台写真＆コメントが到着

こまつ座 第154回公演『父と暮せば』が、2025年7月5日に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで開幕。舞台写真と開幕コメントが到着した。

『父と暮せば』は、井上ひさし作、鵜山仁演出による戯曲で、昭和23年、原爆投下から3年後の広島を舞台に、原爆で父を亡くした23歳の福吉美津江の前に、父・竹造が現れるという物語。初演は1994年で、これまで30年間に何度も再演され、こまつ座初の海外公演でも選ばれるなど、井上を代表する作品となっている。今回は父・竹造役を松角洋平、美津江役を瀬戸さおりが演じる。

松角は「80年前のヒロシマやナガサキにも、きっと何か大きな発表や喜びを前に、今の我々のように胸を躍らせていた人がいたはずだ。戦争は、原爆は、命と共に多くの人々の夢や未来を奪った」と作品にかける思いを明かした。瀬戸は「お稽古では何度も悩み、何度も跪きました。そして今も、跪き続けています。でもそれは、美津江が一歩を踏み出すために、私自身にとって必要な時間だったのだと感じています」と心境を吐露。「この物語が、ひとりでも多くの方の心に届くように。舞台の上で、誠実に、美津江として生きていきたいと思います」と決意のコメントを寄せた。

鵜山は「31年目の夏、ということになりますか……年々、この芝居の世界が身近になります。生きることについての謎は、ちっとも解けませんが、“物語”の力については、おかげさまでこの何十年、ずいぶん身に染みて来て、少しは“父”の思いに近づいたような気がします」とコメントを寄せた。

公演は2025年7月21日(月･祝)まで。その後、7月25日(金) に茨城・つくばカピオホール、8月2日(土) に山口・シンフォニア岩国で上演される。

■演出：鵜山仁 コメント全文
31年目の夏、ということになりますか……年々、この芝居の世界が身近になります。
生きることについての謎は、ちっとも解けませんが、「物語」の力については、おかげさまでこの何十年、ずいぶん身に染みて来て、少しは「父」の思いに近づいたような気がします。

新しい『父と暮せば』の飛躍を 、楽しみにしています。

■松角洋平 コメント全文
いよいよ待ちに待った初日の幕が上がろうとしている。どれだけ準備したつもりでも、この時期に差し掛かるといつも時間が足りなく感じてしまう。やり残したことはないか。

それと同時に、観客が入って初めて完成するものでもあるから、あとはその日その日のお客様と異空間、異次元を作り上げるのみである。楽しみで仕方ない。

80年前のヒロシマやナガサキにも、きっと何か大きな発表や喜びを前に、今の我々のように胸を躍らせていた人がいたはずだ。戦争は、原爆は、命と共に多くの人々の夢や未来を奪った。それを思うと言葉もない。

今も戦争は終わらない。
戦争反対。

愛だろ、愛

■瀬戸さおり コメント全文
無事に初日を迎えることができ、とてもうれしく思っています。

お稽古では何度も悩み、何度も踠きました。
そして今も、踠き続けています。
でもそれは、美津江が一歩を踏み出すために、私自身にとって必要な時間だったのだと感じています。

この物語が、ひとりでも多くの方の心に届くように。 舞台の上で、誠実に、美津江として生きていきたいと思います。

撮影：宮川舞子

＜公演情報＞
こまつ座 第154回公演『父と暮せば』

作：井上ひさし
演出：鵜山仁
出演：松角洋平 / 瀬戸さおり

【東京公演】
2025年7月5日(土)～7月21日(月・祝)
会場：紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

【茨城公演】
2025年7月25日(金)
会場：つくばカピオホール

【山口公演】
2025年8月2日(土)
会場：シンフォニア岩国

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560595

こまつ座公式サイト
https://www.komatsuza.co.jp/program/index.html#515