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ぴあ 総合TOP > ミュージカル『ジェイミー』特集 第5回バンド合わせレポート

本番への期待は最高潮! ミュージカル『ジェイミー』バンド合わせレポート

ステージ
PR 第5回 2025年7月8日
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7月9日(水)の初日を目前に控えた『ジェイミー』カンパニー。6月末の某日、稽古場には音楽監督の前嶋康明率いるバンドが入り「バンド合わせ」が行われた。その模様をレポートする。

Wキャストそれぞれの個性やカンパニーの雰囲気の良さもうかがえた稽古最終段階

ミュージカルの現場で言う「バンド合わせ」とは、その名のとおり俳優たちの歌・演技とバンドの演奏を合わせる稽古のこと。舞台上に立つ俳優だけでなく、セット転換や音響、照明等、音楽きっかけで動くスタッフワークにとっても欠かすことのできない重要な作業だ。この日はセリフのみのシーンはカット、音楽に関わる場所のみピックアップされ、ある種テクニカルに進んでいったが、俳優たちの歌唱という面では稽古の最終段階。バンドの音と合わさることでやはり俳優たちの気持ちも一段上がるのか、キャストの表情も楽し気である。

キャストとバンドメンバーの初顔合わせでもあるため、まずはミュージシャンたちの紹介からスタート。その後、指揮モニターの確認などをしたのち、演出補の元吉庸泰の仕切りで冒頭から1曲ずつ、あるいは流れによっては2曲まとめて稽古は進んでいく。キャストは本番さながらに、ワイヤレスマイクを着けている。

最初のナンバーは作品を代表する楽曲『誰も知らない』。学校の進路指導で行われた職業適性テストの結果が配られる中、自分が本当になりたいのはドラァグクイーンだと、ジェイミーが空想の中で自由に弾け歌い踊る、ミュージカルのオープニングにふさわしく希望に満ちた疾走感あるナンバーだ。一部ダブルキャストになっているため、キャストを替えて2回場面をあたったが、すでにふたりのジェイミーの個性の違いも見て取れる。三浦宏規のジェイミーは小悪魔的、髙橋颯はナチュラルで応援したくなるジェイミー。チャーミングなふたりのジェイミーに、待機中の共演者も歓声をあげたり、アイドルコンサートのようにステージに手を振ってみたりとノリノリだ。ミス・ヘッジ役のかなで(3時のヒロイン)の迫力あるダンスでも、大いに盛り上がる。「バンド最高!」「楽しい~!」といった声も聞こえてくる。一方で、バンドとのタイミングを合わせるところでは「前嶋さんからキュー(合図)をもらえますか」というようなリクエストも出て、着々と確認すべきポイントを押さえていっているよう。

続いてM2『頭の中の壁』、こちらはうってかわってジェイミーのバラードナンバー。心無い言葉に少しずつ蝕まれていく自分を抱きしめ、それでも前を向こう、乗り越えていこうと未来へ手を伸ばすジェイミーの心情が歌われる。ふつふつとした内面を、時にこぶしなども入れて歌い表現する三浦、泣きそうな心を奮い立たせるように繊細に歌う高橋と、心情表現のみならず歌い方も異なる二人のジェイミーが面白い。ジェイミー親友プリティのナンバー『スポットライト』もまた、優しく背中を押す唯月ふうかのプリティ、包み込み寄りそう遥海のプリティと、まったく違う個性が見えた。

場面は変わり、ドラァグクイーン専門のドレスショップ「ヴィクターズ・シークレット」のシーンへ。ここでジェイミーは、ドラァグクイーンの先輩ロコ・シャネルの存在を知る。その中で歌われる『伝説のロコ・シャネル』は劇中劇仕立てのコミカルなナンバーであり、石川禅、泉見洋平、渡辺大輔、岸祐二らが扮するドラァグクイーンたちの見せ場だ。石川の「ドレスいる?」という確認に、スタッフが「歌(の確認)だけなのでなくていいです!」と返し、力みなくフラットに音合わせが始まったものの、さすがは百戦錬磨のベテラン俳優たちである。どこかすっとぼけたような表情で軽妙に語られるロコ・シャネルの悲劇の人生に、見ている若者たちはやんややんやの大盛り上がり。迫力ある影コーラスの存在も際立った。続くジェイミーの母マーガレットが過去を振り返るナンバー『もし昔の私に会えたなら』では、安蘭けいの力強い歌声が稽古場に響きわたり、これには演出のジェフリー・ペイジが多少わざとらしく(!)涙をぬぐう。すかさず安蘭が「ウソ泣き(笑)!」とツッコミを入れ、まわりは笑いに包まれる。カンパニーの雰囲気の良さも垣間見れる瞬間だった。

また1幕後半のクライマックスのひとつ、化粧がバレ言い訳するジェイミーをミス・ヘッジが叱り、煽るような罰ゲームをさせる『芸術 Work of Art』は、ジェイミーの怒りのような爆発する感情を三浦、髙橋がキレのある動きと歌声で表現。ミス・ヘッジ役のかなでは洋楽的な迫力の歌声と存在感で、同じく栗山絵美はいかにも“先生”といった隙のなさできっちりとジェイミーを追い詰めていく。クラスメイトたちのカッコいいダンスも決まり、歌い終わったところで「イェーイ!」といった歓声も上がっていた。

1ブロック終わるごとにスタッフ間の確認タイムが取られるが、特に大きなひっかかりもなく、バンド合わせはサクサクと順調に進んでいく。時に、ジェイミーの動作をきっかけに音楽が入るところでは、そのきっかけが伝わりやすいよう動きを大きくハッキリさせるような演出が入ったりと、まさに稽古は最終的なチューニングといった様相だ。何より、バンドと歌が合わさることで、ノリ良くポップな本作の音楽の魅力がストレートに届き、ジェイミーをはじめとする学生たちの生き生きとした躍動感もビビッドに伝わってきた。2025年版『ジェイミー』、開幕へ期待は増すばかりである。

取材・文:平野祥恵 撮影:源賀津己

ミュージカル『ジェイミー』

HoriPro in association with Nica Burns presents
By Dan Gillespie Sells and Tom Macrae
From an original idea by Jonathan Butterell
音楽:ダン・ギレスピー・セルズ
作:トム・マックレー
日本版演出・振付:ジェフリー・ペイジ
翻訳・訳詞:福田響志
【配役:キャスト】
ジェイミー・ニュー:三浦宏規 / 髙橋颯(WATWING)
マーガレット・ニュー:安蘭けい
プリティ:唯月ふうか / 遥海
ディーン・パクストン:神里優希 / 吉高志音
ベックス:小向なる
サイード:里中将道
ファティマ:澤田真里愛
ミッキー:東間一貴
サイ:星野勇太
リーバイ:MAOTO
ベッカ:元榮菜摘
ヴィッキー:リコ(HUNNY BEE)
(50音順)
ライカ・バージン:泉見洋平
トレイ・ソフィスティケイ:渡辺大輔
ミス・ヘッジ:かなで(3時のヒロイン)
ミス・ヘッジ(女性役U/S):栗山絵美
ジェイミー父 / サンドラ・ボロック:岸祐二
レイ:保坂知寿
ヒューゴ / ロコ・シャネル:石川禅
※ミス・ヘッジ役のかなで(3時のヒロイン)が出演しない回あり。該当回はアンダースタディの栗山絵美がミス・ヘッジ役で出演。 【東京公演】
2025年7月9日(水)~7月27日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL
★公演中イベント
【アフターパーティー(アフタートークイベント)】
2025年7月10日(木) 18:00:三浦宏規、髙橋颯、安蘭けい
2025年7月13日(日) 17:00:三浦宏規、遥海、神里優希、星野勇太
2025年7月16日(水) 18:00:髙橋颯、澤田真里愛、東間一貴、MAOTO、リコ
2025年7月18日(金) 18:00:安蘭けい、保坂知寿、かなで、栗山絵美
2025年7月20日(日) 17:00:石川禅、岸祐二、泉見洋平、渡辺大輔
2025年7月22日(火) 18:00:唯月ふうか、吉高志音、小向なる、里中将道、元榮菜摘
【全公演】
カーテンコールの一部が撮影可能
【プロムデー】
『ジェイミー』の世界観をイメージした洋服、メイク、小物等を身に着けて来場した方にオリジナルステッカーをプレゼント
◎対象公演日:
2025年7月13日(日) 12:00/17:00回
【Wジェイミー観劇コンプリートキャンペーン】
東京公演期間中、三浦宏規&髙橋颯それぞれのジェイミーを観劇した方に「非売品特製チャーム」をプレゼント
詳細はこちら:
https://horipro-stage.jp/news/jamie2025_event/
【ツアー公演】
■大阪公演
2025年8月1日(金)~8月3日(日)
会場:新歌舞伎座
■愛知公演
期間:2025年8月9日(土)~8月11日(月・祝)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/jamie2025/