ジェイミー役Wキャスト:三浦宏規 & 髙橋颯インタビュー

夢に向かって自分らしく歩む主人公ジェイミーを、全くタイプの異なるWキャストで演じる三浦宏規と髙橋颯。持ち味の違うふたりによって、異なる魅力のジェイミーが誕生しそうだ。4月に行われたプレイベントでもすでに意気投合した様子を見せていたふたりに、お互いの魅力や稽古場での手応え、作品を通して届けたい想いを語ってもらった。
似たところがないからこそ、「両方観て良かった!」と思えるふたりのジェイミー

── 三浦さんは再演からの初参加となりますが、ジェフリー・ペイジさんの演出を受けられての感想は?
三浦 カンパニーみんなを導いてくれるエネルギーの持ち主ですよね。それでいてこちらからついて行きたくなるような可愛さもあって。あとミーティングの時間をすごく大事にされていて、演出家の考えをみんなが聞くという現場はわりとありますが、ジェフリーさんの場合、みんなの話を聞こうという姿勢。先日やったラストシーンでは話し合いだけで2、3時間、一度も立ち稽古をしないまま、なんてこともあったりして(笑)。でもみんなが自由に意見を言い合える環境っていうのは本当に素晴らしいと思いますし、それはジェフリーさんが作った環境なんですよね。
── 髙橋さんは初演に引き続きの参加ですが、ジェフリーさんとの稽古を通してどんな成長や発見があったと思いますか?
髙橋 発見の連続ですね! 自分のほかのお仕事やグループ活動(WATWING)、私生活にも生かされることがたくさんあって。全員で作っている感覚がありますし、本当にいい経験をさせてもらっているなと思います。

── Wキャストであるお互いの存在から触発されることは?
三浦 稽古中に颯くんから、「前回はこうだった」の「ぜ」の字も聞いたことがないくらい(笑)、また一から、いやゼロから作ろうとしていると感じます。初演をなぞってから作るほうが絶対にラクなのに、そうしない。それは本当にすごいと思います。
髙橋 それは宏規くんが一緒に作ろうとしてくれているからですよ。段取りじゃない……心から生まれる……段取りとは逆の……。
三浦 段取りの逆?(笑)
髙橋 衝動的な動きというか……。
三浦 “想像力”とでも言いましょうか(笑)。
髙橋 想像力! それが僕にとっても非常に大事なので、積極的に自分の考えを表明してくれる宏規くんには、本当に助けられることが多いなと思います。
三浦 それは颯くんもね!
── それぞれのジェイミーについては、どんな違いを感じますか?
三浦 なにもかも違うのではないでしょうか。作り方、性格、踊り方、歌い方、全部違う。逆に同じところを探すほうが難しいくらい(笑)。
髙橋 確かに(笑)。ひとつも似たところがないからこそ、どちらのジェイミーを観てもらっても、絶対に後悔はさせないと思います。
三浦 「両方観て良かった!」って思ってもらえるはずです。
── ちなみに稽古開始前の取材で、ジェイミーを演じるには可愛さが大事、毎日お互い「可愛い」と言い合おうとお話されていました。それは実践されていますか?
髙橋 言い合ってはいないかもしれませんね。でもその分、プリティのふたり(=唯月ふうか、遥海)がジェイミーをすごく可愛がってくれていて。
三浦 あのふたりね……(笑)。
髙橋 ずっと「宏規のお尻がかわいい♡」って(笑)。
三浦 それ逆だったら危ないですからね(笑)。本当あのふたりは、僕らがなにやっても「可愛い!」って盛り上げてくれます。

── また稽古場での挨拶に関して、言葉ではなくハグにしたいともおっしゃっていました。
髙橋 あ、それはやっていると言えばやっているかもしれません。
三浦 そうだね。でもハグに関しては颯くん、もともとやっていたんじゃない?
髙橋 そうか! それがいい方向に働いているのかも。
三浦 安蘭(けい)さんとか(石川)禅さんとか大人キャストの皆さんは、とにかく颯くんを見守っている感覚がありますね。颯くんへの眼差しに愛を感じますから。
髙橋 でも禅さんとか、僕とはこういう表情はされないなと感じることが結構あるんですよ。それを引き出しているのは、やっぱり宏規くんで。あと宏規くんに対してのほうが、当たりは結構強いかもしれません(笑)。
三浦 やっぱりそうだよね! この先輩(=石川)、昔から僕への当たりが強いんですよ(笑)。でも僕も委縮はしたくないので、素晴らしい先輩の胸を借りて、どんどんアタックさせてもらおうと思います!
話題の映画『国宝』からも刺激を受けて、いよいよラストスパート突入
── おふたりだけでなく、おふたりと対峙するキャストの皆さんの違いも楽しめそうですね。では改めてお客様へ、お誘いのメッセージをお願いします。
三浦 僕が大好きなミュージカルです。一番に感じるのは“愛”ですが、夢とか挫折とか苦しみとか、本当にいろいろなものが詰まっていて。だからこそいろいろな感情になりつつも、最終的には「いい3時間だった!」と思っていただけるはず。そのためにも僕らは必死に努めてまいりたいと思います。


髙橋 先日観た映画『国宝』が本当に素晴らしかったんです。中でも吉沢亮さんと横浜流星さんの体当たりの演技に、今の自分と共通するものを感じて。歌舞伎がうまくなりたいというピュアな気持ちは、そのままジェイミーがドラァグクイーンになりたいという気持ちと重なりますし、女形としての所作、扮装など、ジェイミーとリンクすることがとても多い。『国宝』から受けたこの刺激を、ジェイミーに生かし、僕も魂のお芝居を見せられるよう頑張りたいと思います。
取材・文:野上瑠美子 撮影(稽古場写真除く):石阪大輔
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