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竹野内豊、玉木宏、奥平大兼らが登壇『雪風 YUKIKAZE』完成報告イベント&完成披露上映会舞台挨拶レポート

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『雪風 YUKIKAZE』完成披露上映会舞台挨拶より (C)2025 Yukikaze Partners.

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7月9日、竹野内豊主演の映画『雪風 YUKIKAZE』の完成報告イベントと完成披露上映会舞台挨拶が実施され、完成報告イベントでは竹野内豊、玉木宏、奥平大兼が、完成披露上映会舞台挨拶では3名に加え田中麗奈らキャスト・スタッフが登壇。本作の完成を記念する舞台挨拶を行った。

完成報告イベントは、午前中に東京・esports 銀座 studioにて開催。太平洋戦争中に実在した一隻の駆逐艦「雪風」。激戦を生き抜き、沈むことなく、ほぼ無傷で終戦を迎えた艦の勇姿を描いた本作で、「雪風」艦長・寺澤一利を演じた竹野内は、本作の脚本を読んで「国を守る駆逐艦の長であり、また多くの乗員、彼らに関わる全ての大切な人々の命を守らなければならない艦長の重責を想像することは容易ではなかった」と明かした上で、「撮影を進める中で、乗員を演じたキャストの皆さんの一致団結した姿に、いつのまにか艦長にしていただいた」と語った。

『雪風 YUKIKAZE』完成報告イベントより (左より)奥平大兼、竹野内豊、玉木宏

先任伍長・早瀬幸平を演じた玉木は、これまでにも戦争を題材とする映画に複数出演してきたが、「先任伍長は船のことを知り尽くしている人物。現場の人間感を大事に演じた」とこれまでの役柄との違いをコメント。水雷員・井上壮太を演じた奥平にとっては、本作が初の戦争映画出演となったが、「学生時代に戦争について勉強することがあったが、台本を読んで知らないことだらけだったと気づかされた。本作で描かれる当時の人の生活や思いを、若い人たちに届けたいという思いで取り組んだ」と明かした。

奥平は劇中のナレーションも務めたが、「最初は僕でいいのかな、という思いもあったが、井上として読むことによって、さらに先の未来の人たちに繋いでいくという意識を持つことができた。任せてくださってありがたかった」と語った。

本作が初共演だった竹野内と玉木。竹野内は「役柄上、現場で多くことを語ることはなかったものの、鍛え上げられた体格や響き渡る声で、はじめから先任伍長として存在されていた」と初共演の印象を振り返った。玉木は「ご一緒する前から物腰の柔らかな、穏やかなイメージがあったが、現場でご一緒して改めて繊細な優しさを持っている方だと感じた」と明かし、「イベントの会場に向かう途中の車でも、エアコンの風がみんなに届くよう、ひとつひとつ吹出し口を調整してくださっていた」というエピソードで会場を和ませた。

直接の上司と部下として対峙するシーンが多かった玉木と奥平。奥平は印象的なシーンとして艦(ふね)の点検をしながら初めてふたりきりで話すシーンを挙げ、「対人間として話をしている心地よさがあった。言葉にするのが難しいような不思議な絆があった」と早瀬と井上の関係性を振り返った。そんな奥平に対し玉木は「本作は早瀬が井上を助けるところから始まり、井上の心の変化を感じることができる作品になっていると思う。奥平さんの真っすぐな人柄と相まって、井上がとても魅力的な人物として存在していた」と賛辞を贈った。

そんなふたりを艦長として見守っていた竹野内は「雪風の乗員たちは、たとえ上官相手であっても意見や冗談を言えるような、良い関係性を築いていたのだと思う。それは相手に対する敬意を持ちながら、自分の信念をもっているからこそできることであり、それは現代においても大切なことだと感じた」と語った。

艦長として、士官たちとの穏やかな会話から一転、戦闘が始まると的確に指示を出す必要があった竹野内は、撮影前に横須賀基地に伺って護衛艦『やまぎり』を見学。「模擬戦闘の模様を拝見する中で知った、戦時中から受け継がれている号令をかけるときのイントネーションを参考にした」と役作りの一部を明かした。

また、緊迫した戦闘シーンだけでなく、水雷員同士の和気あいあいとしたシーンもあった撮影現場について、玉木は「戦火の中の厳しい時間もある一方で、若者として過ごす時間は現代の人ともそんなに変わりのないものだと思った。その緩急をお芝居の中で見せられたらと思っていた」と語った一方で、奥平は「水雷員のキャストにサディスファクション・渋谷さんという芸人さんがいらっしゃって、その方がすごい数の一発芸を見せてくれた」という、活気に満ちた船員たちのシーンの裏側を明かした。

完成した映画を観て、奥平は「水雷員みんなで羊羹を食べるシーンに、彼らの人間性が垣間見えた」、玉木は「寺澤艦長との会話の中で『普通がいいな』と言うシーンがあるが、普通の、目の前にある幸せの大切さが伝わるといいなと感じた」と、本作で描かれる“普通の幸せ”が印象に残ったと明かした。竹野内は「何よりも、当時の人々の精神性の高さには心を打たれるものがあった。誰かのために生きた証は、どんなに月日が経っても多くの方に感動を与えられる、と感じることができた映画だった」と語ったうえで、「雪風」がなぜ“幸運艦”と呼ばれるようになったのか、その理由については「この映画を観て、日ごろ何気なく使っていた“助け舟”という言葉について考えさせられた。船員の強い精神力によって『雪風』は“幸運艦”となったのではないか」とコメントした。

最後に、これから映画を観る人に向けて、奥平が「特に若い人たちに興味を持ってほしい。自分自身この映画を通して知られて良かったことがたくさんある。それを他の若い世代にも感じてほしい」、玉木は「たった80年前の出来事であること。そのことが戦争を知らない世代にも届いてほしい。そして、今を一生懸命に楽しく生きることが未来につながっていく、と感じてほしい」とメッセージを贈った。そして竹野内が「今となっては遠い昔のように感じられるが、単なる歴史の1ページとして終わらせてはいけないと思う。どんな資料や体験談から学ぶことがあったとしても、本当に戦争の恐ろしさを知ることはできない。当時を生きた人々の心情を、映画で体感することで、情景としてより深く皆さんの心に残せたらと思い、キャスト・スタッフ一同一丸となって作り上げた。多くの方に広く届くことを祈っています」と締めくくり、完成報告イベントは幕を閉じた。

同日の夜に東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた完成披露上映会舞台挨拶では、竹野内や玉木、奥平に加え、寺澤艦長の妻・志津役の田中麗奈や、藤本隆宏、三浦誠己、山内圭哉、川口貴弘、中林大樹、田中美央、そして、脚本を担当した長谷川康夫、山田敏久監督が集結した。

まず初めに、竹野内は「本日が初お披露目ということで楽しんでいっていただければと思います」と挨拶し、玉木は「本作は今まで見たことがないような戦争を題材にした映画に仕上がっていると思います。楽しんでご覧ください」と、奥平は「無事に映画が完成して、今日初めて皆さんに観ていただけるということでちょっとでも色んなことを考えてほしいなと思います」と挨拶した。

続いて田中は「たくさんの方が期待してくださる映画に出演できたこと、大変光栄に思います。皆様と一緒の時間を楽しみたいと思います」、雪風の砲術長・有馬岩男役の藤本隆宏は「今日こうやって披露できることを光栄に思っております。ふたつのことを大事に演じさせていただきました。戦争を二度と起こさないこと、そして多くの犠牲の上に今の平和な日本があるということ。その思いが皆さんに届けばいいなと思っています」、雪風の航海長・中川義人役の三浦誠己は「この作品が決まった時に身が引き締まる思いで挑みました。この映画をきっかけにこの映画の感想や戦争について身近な方と語り合っていただけたら嬉しいです」と挨拶。

そのほか、雪風の水雷長・佐々木伊織役の山内圭哉は「一生懸命、精一杯、いつも通り演じさせていただきました。最後まで観ていただけると必ず何かしら生まれてくる作品だと思います」、雪風の機関長・藤井道郎役の川口貴弘は「雪風は激戦のなか沈没することなくたくさんの命を救い、終戦まで生き残った奇跡の艦です。今の時代に必ず何か感じていただける作品ですので、ゆっくりとご鑑賞ください」、雪風の主計長・佐藤捨造役の中林大樹は「この撮影に入る前に、特攻記念博物館に行ってきました。そこで特攻隊員の方が過ごしたと言われるお部屋を見てすごく胸がつまりました。皆さんも是非、自分がもしその時代に生きる立場だったら、その人を待つ立場だったら、そんな事を想像しながら観ていただけたらと思います」、大和の艦長・有賀幸作役の田中美央は「あの戦争からまだ80年しか経っていないということをこの映画を観ながらひしひしと噛みしめておりました。今生きていることに感謝するきっかけになっていたらいいなと思います」とそれぞれ挨拶した。

本作の脚本を担当した長谷川は「今日は脚本ということではなく、全スタッフの代表としてここに立っています。映画の色々なパートがあるなかで、全員が何年にもわたって一緒にやってきました。どんな感想をもっていただけるかドキドキしておりますけど、楽しんでいただければと思います」と語り、本作の監督を務めた山田監督は「初監督でこのような大きな作品を任せていただき責任の重さを感じております。スタッフ、キャストの皆さんに助けられながら、一日、一日、ワンカット、ワンカットを心を込めて撮りました。今日、この日を迎えられて感無量です」と喜びを語った。

夫の帰りを気丈な態度で待つ妻を演じた田中は「初めて竹野内さんと共演させていただいて、緊張して現場に入ったのですが、竹野内さんから出ている優しいオーラがリラックスさせてくれるというか。志津も久々に帰ってきた夫に色んな思いが募っていたと思うんですが、穏やかに、普段の日常と変わらずに過ごしてほしいと思って演じておりまして、素敵なシーンになったのではないかと思います」と初共演となった竹野内との共演シーンについて明かした。

田中麗奈

そして、寺澤艦長のもと「雪風」を支える士官を演じた藤本は「自分はあまり声が大きくなくて最後の方は声がかれてしまったんですが、テーっていう声が良かったよと竹野内さんに言っていただいて。是非、竹野内さんが認めてくれたテーっを劇中で聞いていただきたい」と撮影エピソードを披露、三浦は「まず緊張感を途絶えさせないように演じました。竹野内さんが本当に優しくて、僕が出ている映画を観たよって言ってくださって。頼れる安心感がありたくさん助けていただきました」と座長・竹野内とのやりとりを明かした。

山内は「撮影前に海上自衛隊の方とお話する機会があって、艦長によって艦の空気が違ってくるというお話をうかがって、それがヒントになりまして。竹野内さん演じる艦長が赴任してくるところから始まるので、空気感が出来ていくところも見どころだと思います」と劇中の注目ポイントについて語った。川口は「情報量がほとんどないなか、部下を家族のもとへ還すということを信念に演じました」と演じた役柄にも触れて振り返り、中林は「緊迫したシーンがたくさんある中で食事の時間だったり、大切な人からの手紙を読む時間というのはすごく貴重で大事な時間だと思います。出撃前夜に艦長とのシーンがあり、竹野内さんと対峙すると包容力がすごいんですよ! 役ともに竹野内さんの胸をお借りして良いシーンになったかと思います」と渾身のシーンについて語った。

今回の登壇キャストのなかで唯一、雪風の乗組員ではない役柄を演じた田中美央は大和の艦長を演じてみて「中井さんを目の前にして圧倒されました。でもどこか温かみがあり、テイクを重ねるうちに清々しさも感じたりして、まったく想定していなかったので、この空気を引き出してくれているのは中井さんなのだと思いました」と中井貴一との共演シーンについて語った。

最後に、竹野内は完成報告イベントでも語った想いを会場に呼びかけ舞台挨拶を締めくくった。

<作品情報>
『雪風 YUKIKAZE』

8月15日(金) 公開

公式サイト:
https://yukikaze-movie.jp/

(C)2025 Yukikaze Partners.

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