『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』特集

『アイアンマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』など数多くの人気作を生み出したマーベル・スタジオによる「ファンタスティック4」待望の第1作、超大作映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が7月25日(金)から公開になる。
マーベル・スタジオはこれまでに様々なキャラクター、作品をおくりだしてきたが、本作は誰もが楽しめる&誰もが待っていた、大スクリーンで観たい“王道”のヒーローを描く作品。この夏、最も盛り上がる1作だ。
誰もが“王道ヒーロー”の登場を待っている!

2008年の『アイアンマン』の大ヒット以降、マーベル・スタジオ映画は驚異的なスピードで成長を遂げ、現在の映画界を語る上で欠かすことのできない存在になった。
なぜ、彼らは15年以上、観客を飽きさせることなくヒットを飛ばし続けられるのだろうか? 理由は数多くあるが、そのひとつが“バリエーションの豊かさ”だ。
彼らの映画は時に“ヒーロー映画”と呼ばれるが、実際に映画を観るとそれは正確ではないことがわかる。彼らが手がけるのは、ヒーローが主人公の“アクション映画”や、ヒーローが集まってチームをつくる“スペース・オペラ”、ヒーローが悩みながら成長していく“人間ドラマ”だ。スタジオを率いるケヴィン・ファイギはかつて筆者にこう語った。
「私たちはどのヒーローを映画にしたいか考えるのではなく、まず“どのような映画をつくりたいか?”を考え、そこに最もマッチするキャラクターは誰か? を考えます」
単にヒーローが強い力で敵を倒すだけならワンパターンになってしまう。「ヒーローの僕にだって人間と同じように悩みはあるんだよ」を繰り返すだけでは観客も飽きてしまうだろう。すべての作品が同じ世界を共有し、壮大なドラマを描き出すMCU=マーベル・シネマティック・ユニバースを進化させながら、彼らは常に“新しい物語”を探し続けているのだ。

ここ数年のマーベル・スタジオ映画は、新鮮さと驚きの連続だった。
昨年公開の『デッドプール&ウルヴァリン』では、あらゆるお約束を軽々とブチ破る人気キャラクターのデッドプールが、マルチバースの世界で大暴れし、ローガン/ウルヴァリンがスクリーンに復活しただけでなく、劇中にはアッと驚くキャラクターが続々と登場し、ドサクサに紛れて、これまで映画化されていなかったキャラクターまでデビューを飾った。
続く『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』も新鮮な作品だった。マーベル・スタジオ映画を象徴する存在であるキャプテン・アメリカの名前とシンボルの盾を継承した男の物語だ。そして、物語を観ていくと2008年公開の『インクレディブル・ハルク』とのつながりが! クライマックスの華麗な空中バトルも、これまでのシリーズにはない場面だった。
そして先ごろ公開になった『サンダーボルツ*』は、シリーズの中で異色も異色。ヒーローになれない、ワケありメンバーが “でも、やるしかない!”と迫り来る脅威に立ち向かう物語だった。よってドラマはとにかく予測不可能。ついにはクライマックスで彼らが“ニュー・アベンジャーズ”の名を襲名するサプライズも。こんなマーベル映画は観たことがない!
が、ふと気づけば、近年のマーベル・スタジオ映画はシリーズの知識や、過去作の情報がないと存分の楽しめない作品も多かった。何の予備知識もなく映画館で楽しめて、ひとりで観ても、誰かと一緒に映画館に行っても盛り上がることができるマーベル映画がそろそろ公開されないだろうか?
今も昔も愛され続ける伝説“ファンタスティック4”

というわけで、この夏、予備知識ゼロでも存分に楽しめる、ここからマーベル映画に飛び込める超大作が登場する。タイトルは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』
主人公は宇宙飛行中に未知の宇宙線を浴びて、驚異的な特殊能力を持った4人のメンバー。リーダーのリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックは天才科学者で、身体をゴムのように自由自在に伸縮させることができる。私生活では、メンバーのスーザン(スー)・ストームのパートナーだ。

そんなスーは“インビジブル・ウーマン”と呼ばれていて、文字通り、自身の身体を透明化させ、目には見えないエネルギーを操り、フォース・フィールドを作り出すことができる。

スーの弟ジョニーはチーム最年少のメンバー。全身を高熱の炎で包み込み、高速で空を飛ぶことができることから、ヒューマン・トーチ(たいまつの灯り)の異名を持つ。
全身が岩のような物質に変化したベン・グリムは“ザ・シング”の名で知られており、元宇宙飛行士で、リードの大学時代から親友だ。ジョニーとはいつもケンカしているが、友情は深い。

4人は夫婦であり、姉弟であり、家族同然の親友でもある。彼らは“5人目のファンタスティック”と呼ぶべきロボット、ハービーと共に同じビルで暮らしている。

“ファンタスティック4”はその能力を活かして数々の危機を救い、人々から信頼を集めているが、リードとスーの間に新たな命が誕生し幸せに包まれたある日、世界を脅かす敵が襲来する。従者シルバーサファーの導きによって地球に迫る敵ギャラクタスは、惑星を丸ごと喰らう脅威の宇宙神で、規格外のパワーで地球に襲いかかる。

家族のような絆と、それぞれの個性的な能力を組みあせて、彼らは強大で恐ろしい敵に立ち向かう。
本作のベースになっているのは、1961年に登場したマーベル・コミックスの伝説的な作品『ファンタスティック・フォー』。チームメンバーがそれぞれの得意分野を活かして敵と戦う物語は、これまでに多くのファンを魅了しており“ヒーローチームの原点”といってよい作品だ。
それだけにマーベル・スタジオの本作に対する熱意は高い。映画のタイトルに“ファースト・ステップ”とつける段階で、彼らの物語を今後シリーズ化させ、セカンド、サード……と、長年にわたって活躍させたいという想いが伝わってくる。単発では絶対に終わらせない、という気合いを感じられる。
この4人は今後のマーベル・スタジオ映画、いや、ヒーロー映画を楽しむためにハズせないメンバーになる!
本作で“アベンジャーズ最新作”へのカウントダウンがはじまる!

その証拠に彼らは来年冬に全米公開が予定されている『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』への登場が決定している。
全世界の映画興行記録を塗り替えた大ヒット作『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来、ついに集結する最強チームの物語は、早くも全世界の注目を集めており、ロバート・ダウニー・Jr.が演じるドクター・ドゥームが敵役として登場することが決定している。
そもそも、このドクター・ドゥームは、コミック『ファンタスティック・フォー』に登場するキャラクターだ。コミックのドゥームは、天才科学者でリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックの大学の同級生だ。彼は実験の失敗によって大ケガし、鋼鉄の鎧と仮面で全身を覆い、ファンタスティック4の宿敵として繰り返し描かれた。
ということは、本作は来年公開の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』と関係がある? 映画は謎に包まれており、公式な発表は何もないが、ここは筆者の独断で言わせていただきたい。
“アベンジャーズ映画と関係ある! 絶対にある!”

来年の冬にどんな物語が描かれるのか、当然、わからない。予測もできない。しかし、これだけは言える。『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』はこれから数年のマーベル・スタジオ映画を楽しむ上で絶対に外せない映画だ、と。
その一方で、本作はこれまでのマーベル映画を観ていない人や、ここ数年、マーベル映画は“ご無沙汰”だった人にもピッタリの映画になるだろう。繰り返すが、本作はヒーロー映画の王道にしてド真ん中! 大きなスクリーンで観ると盛り上がること間違いナシの1作だからだ。
ついに始まった新たな『アベンジャーズ』へのカウントダウン、再びやってくる“全映画ファン熱狂のクライマックス”の瞬間。そのすべては『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』から始まるのだ!