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「丸の内ストリートギャラリー」に3年ぶりに新作が登場 中村萌、山本桂輔、佐藤正和重孝、イワタルリが参加

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中村萌 《Whirling Journey》2025年 ブロンズ、ウレタン塗料、油絵具、金箔

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丸の内仲通りを中心に、近代彫刻や世界で活躍する現代アーティストの作品を展示している「丸の内ストリートギャラリー」。3年ぶりに新作が設置され一部作品が入れ替えられたことに伴い、7月8日(火)にプレス向けの説明会が行われ、新作の出品作家である中村萌、山本桂輔、佐藤正和重孝、イワタルリらが登壇した。

左から長谷川真(三菱地所株式会社エリアマネジメント事業部長)、中村萌、山本桂輔、佐藤正和重孝、イワタルリ、坂本浩章(公益財団法人彫刻の森芸術文化財団東京事業部長)

「丸の内ストリートギャラリー」は、三菱地所株式会社が芸術性豊かなまちづくりを目指し、公益財団法人彫刻の森芸術文化財団とともに1972年より展開しているプロジェクト。東京駅からほど近い丸の内仲通り沿いを中心としたエリアに作品が点在し、仕事で、ショッピングで、この街を訪れた誰もが気軽にアートを楽しむことができる。

第44回となる今回は「都市の森に佇む命の共創」をテーマに4名が新たに作品を制作。さらに既存の3作品を入れ替え、展示作品は計17作品となった。2002年に丸ビルが新しく生まれ変わると同時に歩道の拡張や樹木の整備が行われた丸の内仲通り周辺だが、現在では高さ8メートルを超えるような街路樹が生い茂り、その枝葉を広げている。

彫刻の森芸術文化財団の坂本浩章氏は「丸の内仲通りは、さながら都市の中に出現した森のような空間。江戸時代からの生態系が残る皇居に隣接しており、東京という都市の中においても緑豊かな場所といっても過言ではないと思います。このエリアを意識し、自然や大地からの恩恵、人と自然の強い生命力をアートで発信したい」と、今回のテーマについて説明。さらに「4名の新作は、ブロンズ、石、木、ガラスなどが用いられており、パブリックアートとしては非常に珍しい組み合わせになっています。こちらもぜひ注目をして鑑賞していただきたい」と続けた。

中村萌 《Whirling Journey》2025年 ブロンズ、ウレタン塗料、油絵具、金箔

中村萌の《Whirling Journey》は、クスノキの自然な形を生かしながら彫り出しブロンズに置き換えた彫刻作品。「頭の中の空想の森を手掛かりに制作していった」という愛らしくも不思議な姿の彫像について、中村は「街を歩いている人の目に触れた時に、作品を通して景色が変わったり、もう1人の自分のような存在として感じてもらえたら嬉しい」と語った。

山本桂輔 《眠りながら語らい、歌う》2025年 ブロンズ、塗料

土壌に埋まった無意識や自然性を掘り出すことをテーマに彫刻や絵画を制作している山本桂輔の作品は、地底に潜むさまざまなイメージを表現した《眠りながら語らい、歌う》。地底と大地、そして空をつなぐ存在である樹木を通して地上に姿を現したさまざまなモチーフから、それぞれの物語を想起させるような作品だ。

佐藤正和重孝 日本 《Symbiosis(共生)》2025年 石、ブロンズ

「都会にないものを出現させたかった」という北海道出身の佐藤正和重孝は、フンコロガシなどの甲虫を石とブロンズで制作。「丸の内のような綺麗な場所で虫を見ることはほとんどないが、虫たちのような生きものによる環境浄化と人間との繋がりに少しでも興味を持ってもらう手伝いができたら」と佐藤。甲虫のかたちの美しさにも気づかされる。

イワタルリ 《No.2506031》2025年 鋳込みガラス、コールテン鋼、板ガラス

「自在に形作ることができるガラスという素材で表現することで、自分の存在感を確かめたい」と語るイワタルリは、キャストワーク(鋳造)にて制作したガラス作品を設置。ガラスという素材の繊細なイメージとは相反し、ひび割れなども残された荒々しくどっしりとした円柱状のガラスの塊は、太陽の光や周囲の景色を映しこみ、静かに輝きを放っている。

今回はさらに彫刻の森美術館のコレクションから、ウンベルト・マストロヤンニの《幸福の木》、八ツ木のぶの《象と人(雷)》、マグダレーナ・アバカノヴィッチの《群衆の一人》の三作品を新たに設置。また、作品を鑑賞しながら、目で見るだけでは受け取ることのできない作品の背景や物語を専用のアプリで聴くことができる音声コンテンツ「Auris」もリリースされた(提供時間:10~18時)。

建物と街路樹に囲まれた丸の内仲通りは日陰も多く、ベンチもたくさん設置されている。時間や季節によって表情を変えるアート作品を巡りながら、ゆっくりと散策を楽しみたい。

ウンベルト・マストロヤンニ《幸運の木》1978年
八ツ木のぶ《象と人(雷)》1946年
マグダレーナ・アバカノヴィッチ ポーランド 《群衆の一人》1992 年


<開催概要>
「第44回 丸の内ストリートギャラリー」

会期:2025年7月8日(火)~
会場:丸の内仲通りをはじめとする丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)

公式HP:
https://www.marunouchi.com/lp/street_gallery/

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