【ももいろクローバーZ インタビュー】ガンダムとのコラボで話題の新曲「Event Horizon」発売 17年間戦い続けた4人にしか出せない強さに迫る
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続きを読むももいろクローバーZが、7月23日にニュー・シングル「Event Horizon」をリリースした。『機動戦士ガンダム アーセナルベース FORSQUAD』とのコラボ曲でありながら、疾走感とクールさがももクロの世界観にマッチした”らしさ”の詰まった一曲。ワンフレーズでのインパクトやバズりなどで作られたものではない。トップアイドルとして17年間活動してきた彼女たちにしか出せない”ももクロらしさ”。彼女たちがこの世界で戦ってきたからこそ出せる強さがここには詰まっている。
「Event Horizon」について、カップリング「Cosmic Commotion」「可視光線」、そしてこの夏3年ぶりに開催される『ももクロ夏のバカ騒ぎ』について、百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにの4人が揃って話を聞かせてくれた。
Interview&Text:松木美歩
「私たちには戦ってきたという印象が強いんだと思う」(百田夏菜子)
──今回はシングル「Event Horizon」の話を中心にお伺いします。先行配信としてリリースされましたが、新しさも感じながら、らしさを強く感じる曲でした。”らしさ”の要素はどこにあると思いますか?
百田夏菜子 初めて聴いたときに、ももクロらしさと懐かしさがあるのは素直に感じました。懐かしさの勢いというか……エネルギッシュなパワーを感じながら、壮大な世界観の中で突き進んでいく感じが私たちにとっての懐かしさ。あと、歌詞も含めて私たちに合わせて作っていただいた曲なので、懐かしさやももクロらしさもありながら今っぽさも感じる一曲だと思います。

──懐かしさの勢い、確かにそうですね。壮大だけど勢いだけではない深みも感じます。
高城れに そうですね。宇宙だったり、光だったり……この曲には壮大なテーマがあって、以前出した「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」という曲も壮大さがテーマではありましたが、年齢を重ねたこと、『ガンダム』という多くの方々に愛されているカードゲーム(『機動戦士ガンダム アーセナルベース FORSQUAD』)とのコラボということも含めて、前とは違うというか。ワードが単純ではないんですよね。ひとつのワードが受け取る人によっていろいろな角度から感じられる曲だなって。勢いだけじゃなくて、かっこいいだけじゃなくて、内側に秘めた不安定さとか悲しみや喜びも、全部を強さに変えて頑張ってきたんだなって。ネガティブな部分もすべて受け入れてるっていうことがももクロにとっての新しさと懐かしさですね。

──悲しみや喜びも、微笑むように強さに変えていくというのもガンダムに共通してますよね。
玉井詩織 歌詞はガンダムからのインスピレーションもあるし、すごくいいコラボレーションだと思います。壮大さが初めは自分ごととして捉えにくい印象があったけど、踏み込んでいくうちにどんどんリンクしていくんですよね。「遠い宇宙の地平線から 僕と君は始まっていたよ」という歌詞のように、この広い宇宙の地球という星で、同じ時代に出会って、みんなとグループを組めて、こうやって同じ時間を共有できることが尊い。日常生活でそこまで壮大に自分たちを考えることってないけど、曲を通じて身近なことを壮大に捉えることができるようになりました。これで正しかったんだって肯定できる歌詞が詰まってますし。

──身近なものへの大切さを再確認できる曲ですね。曲がまたかっこいいですし。
佐々木彩夏 かっこいいし、メロディがキャッチーですしね。初めて聴いた瞬間からなにも考えず楽しめる曲だし、楽曲の力強さとは裏腹にときめくようなワードもあって、たとえば”煌めき”とか”輝き”とか。繊細さもある曲ですね。

──歌詞の話題が多かったのでもう少し深掘りさせていただくと、「Event Horizon」 の作詞は藤林聖子さんが担当されていて、ももクロの曲だと過去に「WE ARE BORN」や「境界のペンデュラム」の歌詞を書かれていて、この2曲と今作が共通しているテーマが戦うことなんですよね。
百田夏菜子 私たちには戦ってきたという印象が強いんだと思うんです。「WE ARE BORN」や「境界のペンデュラム」もそうですけど、かわいいよりかっこいいだし、前から曲を書いてくださっている藤林先生が今書く私たちもやっぱり戦っているんだなって。なにと戦ってきたのかって思い返してみると、子供だった私たちに大人たちがたくさんの壁を与えてくれて、あの頃はそれを乗り越えるしかない状況だったんです。できないことや知らないことばかりでしたし、楽しんでやってはいたけど、簡単に越えられるものではなかった。だから戦ってきたって見えるんだと、「Event Horizon」の歌詞からは特に感じました。
──今のももクロを写すと無駄のないかっこよさなんですよね。今回の歌詞もそうだし、MVもそうだし。クリエイティブな観点からも共通認識なんでしょうね。
玉井詩織 そうですね。レーザーが活きるシンプルな映像で、いろいろ削ぎ落とした感じというか、このMVは引き算だったよね。
百田夏菜子 削ぎ落とした結果、レーザーと私たちだけ。いわゆる王道のアイドルショットは1カットもなかったです。
高城れに 衣装も昔だったらもっとガンダムを意識して派手な装飾にしてたと思うんですけど、この曲のパワーが今の私たちにしか出せない表現にしてくれて、シンプルな衣装であることがこの曲の良さを引き出していると思います。
佐々木彩夏 曲が始まると私たちもアドレナリンが出まくるし、曲の勢いに引っ張られて、MVの撮影もあっという間に終わったんです。だからこの曲が持つパワーはすごいなって改めて思いました。
ももいろクローバーZ「Event Horizon」Music Video
──ゲーム好きに話を聞いたら、この曲が流れると脳内のアドレナリンが出まくって戦闘力マックスになるそうです(笑)。
百田夏菜子 ユーザーの方の感想が聞けるのはうれしい!
玉井詩織 疾走感があるから戦闘モードにぴったりですよね。日常で戦うシーンってあまりないけど、頑張らなきゃいけないときとか少しだけでも背中を押してあげられる曲になってたらすごくうれしいですね。
──強くなれた気持ちになるんですよね、この曲を聴くと。憂鬱な気分のときに「Event Horizon」を聴いたら「よし、頑張ろう」ってスイッチ入りますよ。
百田夏菜子 そうですね。戦ってきた自分を肯定してあげられて、あのとき頑張ったから今がある。そう思えるからこそ、まだまだ頑張ろうと思えるし、続けていこうと思えて過去の自分を肯定してあげられる。そんな風に背中を押してあげることができていればいいですね。
高城れに 自分にとってのお守りでもあり、ひとつの逃げ道でもあって……。なにかあったらこの曲を聴いて、自分を奮い立たせる、そんなお守りのような曲になっているんじゃないかなって思います。
「17年間の歴史があるからこそ、はっきりとは言わない感情を歌えるようになったのかなって」(高城れに)
──大切な曲がまたひとつ増えましたね。カップリングについてもお伺いしたいのですが、それぞれカラーがまったく違う2曲のカップリングが収録されています。まず、「Cosmic Commotion」。アレンジがすごくかわいい曲ですね。
佐々木彩夏 かわいい曲であり、近代的で今どきな曲でもあります。「Event Horizon」は壮大な世界観でかっこいいイメージだけど、「Cosmic Commotion」は宇宙の中でぽつんとひとりでいるようなせつなさみたいなものもあって。過去から今までの時間の流れや私たちの活動、あとは今を描いていただいた歌詞なので等身大の気持ちに近いし、すんなり体に入ってくる曲でした。

──アレンジはかわいいけど、「滅びそうにない予感」という強いワードが印象的でもありました。
百田夏菜子 アイドルの活動って終わりがあるからこそ、この一瞬を楽しもうとか、なんとなく終わりがくることを想像しやすいジャンルというか。なにをやるにしてもそうですけど、そんな中でも「終わらないものが増えてきた」という歌詞が新しいと思ったし、「滅びそうにない予感」という歌詞もいつもだったら「滅びてしまっても」とか「滅びるかもしれないから今を大事にしよう」とか。強く歌うことが多かったけど、そうではなくて、終わらないと歌えることが今っぽい。それをこのテンション感で歌うことがエモーショナルだなって感じます。

──せつなさとそうじゃない逆の感情、どちらの感情だろうという不思議な感覚になる曲でもありました。
百田夏菜子 どっち? みたいな。かわいく歌ってるから余計わからなくなる(笑)。でも、聴いてくれる状況でいろんな捉え方ができる曲でもあるのかなって思います。
──もう一曲、「可視光線」(通常盤のみ収録)はイントロを聴いた印象はメロウなバラードなのかと思いきや、かなりアップテンポな曲で意外性もあって楽しい曲ですね。そして「今」というワードが散りばめられています。
高城れに 歌詞全体を通して「今」ですよね。過去や未来を見てるからこその今という瞬間がとても光輝かしいものなんだって一曲を通して感じる曲でした。生活しているといろんな物が欲しくなったり、いろんなことがうらやましくなったりするけど、それ以上に目の前に今あるひとつの光が愛おしいし、過去があるからこそまぶしく感じる。そんな印象の大人の青春ソングというか。言葉ひとつ一つに的確な意味をもたらしているというよりは、受け取る人によって感じ方が変わる。私たちに17年間の歴史があるからこそ、はっきりとは言わない感情を歌えるようになったのかなって。改めて自分たちの歴史も感じる曲です。

佐々木彩夏 サビの中だけでも「今」って言葉が3回出てきて、生活をしている今この瞬間もそうだし、ライブでの瞬間で感じる儚さもある曲なので早くライブで歌いたい曲です。どの曲にも共通してるけど、等身大の歌詞で着飾っていないのがいいですね。
──8月には横浜スタジアムでのライブ、『夏のバカ騒ぎ』が3年ぶりに開催されます。どんなライブになるか、最後に読者へのメッセージも含めて意気込みを教えてください。
玉井詩織 夏のライブが一番自分たちの色が出るし、今の私たちを一番感じてもらえると思います。夏のライブを楽しみに待っていてくださったファンの方は3年分の想いをぶつけてくれたらうれしいし、17年やってますがももクロのライブに出会ってない方もたくさんいるのでいろんな方に観ていただきたいです、初めての方でも足を運びやすいライブなので遊びに来ていただけたらうれしいです。

佐々木彩夏 神奈川県出身なので昔から馴染みのある浜スタでライブができることがすごくうれしいです。3年ぶりの大きな会場でのライブに私たちもとても気合が入っているし、『夏のバカ騒ぎ』でしか得られない栄養素があるので、みなさんとこの夏の最高の思い出を作れたらうれしいです。
高城れに 毎日を頑張っている方々が、年齢問わずこの2日間だけはみんな同い年だと思って、頭のネジを外してバカ騒ぎしたいですね。今回は”夏に聴きたいももクロの曲”を事前にファンの方が投票してくださって、ランキング順に5位までは必ず両日歌うので、初めての方もある程度のセットリストがわかっていれば一緒に楽しむことができるし、みなさんのいろいろな想いで決まるランキングを楽しみたいなって思います。
百田夏菜子 コロナ禍を経験してバカ騒ぎというワードが遠ざかっていたんですけど、私たちのバカ騒ぎは非日常というか、普段頑張っているみんながひとつの場所に集まって、一瞬でも楽しいと思う瞬間だったり、ここにいるときだけは笑顔になれる瞬間があったり。そんな風に一緒に過ごしたいんですよね。夏なので放水銃でばーっと水撒いたり、ほんとのバカ騒ぎ。大人になって水遊びするってなかなかないけど、それをただただ大きな口開けて笑う。そういう瞬間って本当に幸せだなって思うので、来てくださる方にもそんな時間をたくさんお届けしたいです。みなさんも頭のネジを外す気で会場に来てください!
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— ぴあ 音楽編集部 (@OngakuPia) July 25, 2025
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※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
<リリース情報>
23rdシングル
「Event Horizon」
発売中
◼︎初回限定盤(MAXI+BD):3,500円(税込)

【CD収録曲】
1. Event Horizon
2. Cosmic Commotion
3. Event Horizon(GAB edition)
4. Event Horizon(off vocal ver.)
5. Cosmic Commotion(off vocal ver.)
【Blu-ray収録曲】
・『Event Horizon』Music Video
・『Event Horizon』Music Video メイキング映像
◼︎通常盤(CDのみ):2,200円(税込)

【CD収録曲】
1. Event Horizon
2. Cosmic Commotion
3. 可視光線
4. Event Horizon(off vocal ver.)
5. Cosmic Commotion(off vocal ver.)
6. 可視光線(off vocal ver.)
<配信情報>
「Cosmic Commotion」
配信中
配信リンク:https://mcz.lnk.to/Cosmic

<公演情報>
『ハマの夜祭り番長襲名記念 ももクロ夏のバカ騒ぎ2025 in 横浜スタジアム』
8月2日(土)・3日(日) 神奈川・横浜スタジアム
開場 16:00 / 開演 17:30
【チケット情報】
スタンド指定席:11,000円(税込)
スタンド着席指定席:13,000円(税込)
お子様ファミリー席 大人:11,000円(税込) ※高校生以上 / 子供:5,000円 ※中学生以下
https://w.pia.jp/t/bakasawagi2025/
ももいろクローバーZ オフィシャルサイト
https://www.momoclo.net/