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6周年を迎えた原因は自分にある。が見せつけた成長とさらなる飛躍への予感「ARENA LIVE 2025 序破急」1日目ライブレポート

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原因は自分にある。「ARENA LIVE 2025 序破急」国立代々木競技場第一体育館

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今年3月から全国4都市11公演を巡る春ツアー「LIVE TOUR 2025 嘲笑倫理学のすゝめ」を開催、その最中の4月23日には4thフルアルバム「核心触発イノベーション」をリリースするなど、一時も止まることなく精力的な活動を展開している原因は自分にある。(以下、げんじぶ)が、7月7日を以て正式活動開始から6周年を迎えた。輝かしい軌跡を大きな成長へと繋げていく、そんな彼らが7年目の大きな第一歩として挑んだのが自身最大規模となるワンマンライブ「ARENA LIVE 2025 序破急」だ。国立代々木競技場第一体育館を舞台に、2日間にわたって繰り広げられたげんじぶにとって最新のステージは、果たしてどんな景色を描き出したのか。ここでは初日となる7月12日の公演をレポートしていく。

Text:もりひでゆき

引き込まれる圧巻のパフォーマンス

超満員の会場。広大なステージ。そこに設置されたLEDモニターには無数の白い羽根が、この日のライブの内容を示唆するようにゆっくりと舞っている。客電が落ちると、オーケストラの調律音に続き、美しいシンフォニックなSEが観測者(げんじぶのファンネーム)たちをまだ見ぬ新たな物語へと誘っていく。モニターには、白く大きな羽を得て天使となったメンバーたちの映像が映し出される。その幻想的なイントロダクションに目を奪われていると、ステージ上空から映像の中にいた7人の天使がリフトに乗って現実に登場。白いローブを纏い、フードを被ったままオープニングナンバーとなる「無限シニシズム」を歌い始める。表情は見えないが、それぞれの声色の違いによって、めくるめくげんじぶのライブが幕を開けたことを鮮烈に実感させる。2コーラス目に入ると、リフトがゆっくりと下降し、天使がステージへと降り立った。客席を彩るメンバーカラーのペンライトの光と割れんばかりの大歓声に包まれながら、メンバーたちは圧巻のパフォーマンスで広大な会場を一瞬で掌握していく。

「Welcome to the Musium:0!」という一言を合図に、間髪入れずに突入した「Museum:0」ではローブを脱ぎ捨て、白と黒を基調とした衣装にチェンジ。メンバーごとにデザインは異なるが、それぞれに羽根をモチーフとした意匠が盛り込まれていることで、彼らが天使であることを印象付ける。スモークが立ち込め、ステージをなでていく風に衣装がはためくことで、躍動感のあるパフォーマンスへの解像度がより鮮明になっていく。イントロで特効がボーンと弾けた「in the Fate」では、ステージ上に幾本もの火柱が立ち上る。連発される最新アルバムからのハードな楽曲を力強く乗りこなしていくことで、会場を猛烈な熱気に巻き込んだ。

「楽しみにしてた人、どれだけいる? 俺たちも会いたかったです。今日は楽しんでいきましょう!」という長野凌大の言葉で幕を開けたのは「0to1の幻想」。強靭なビートに負けない歌とダンスがフロアを激しく揺らす。桜木雅哉の「代々木、ブチかまそうぜ!」の煽りを合図に、メンバーたちはメインステージから長く伸びた花道へと駆け出し、アリーナ中央に位置するセンターステージへ移動。そこでは洒脱でグルービィな印象を持つ「嘘から始まる自称系」で観測者をこれでもかと魅了する。

「愛している」のメッセージが観測者へ

曲が終わるとインストに合わせながらのソロダンスパートへ。センターステージや花道、メインステージに7人が散らばり、1人ずつ圧巻のダンスを披露していく。そんな興奮の時間を経て、メインステージに揃った7人は、.ENDRECHERI.(堂本剛)から楽曲提供を受けたファンクナンバー「LLL」を。げんじぶにとって新境地とも言える楽曲であるが、そこに込められた「愛している」というストレートなメッセージは、げんじぶと観測者の間であたたかく共有された。

メンバーが一旦、ステージから消えるとインタールードとも言える映像が流れ出す。7人の天使が地上の様々な場所に降臨する内容だ。オフィスや公園、クラブ、飛行機の中など、天界から現実世界へと解き放たれた天使たちは、そこで何を感じるのか――?

再びステージが眩い光に照らし出されると、メンバーたちは1人ずつ透明なボックスに入った状態で登場し、「フィナーレ」を歌い始める。全員が比較的カジュアルな衣装に身を包み、中にはアイウェアをかけているメンバーもいる。それは天使という存在を隠し、地上の世界に溶け込もうとしているかのようだ。ボックスに入ったままステージ上を移動、フォーメーションを展開しながらのパフォーマンスは実に斬新な演出だった。曲のラストでボックスから出た7人は時間が止まったように動きを止める。そして「蝋燭」のイントロをきっかけに動き始める。ミディアムテンポのR&B的ニュアンスを感じさせるサウンドに合わせ、ゆったりとしたステップを踏みながら、メロウな歌声が響き渡る。たくさんのキャンドルがほのかな光を放つ映像演出と相まって、グッと引き込まれる大人っぽいムードを届けてくれた。

吉澤、22歳のバースデーの抱負は?

武藤潤のフェイクでスタートしたのは「夏の二等辺大三角形」。げんじぶにとって記念日である7月7日――七夕をモチーフにした切ないラブソングを、歌詞のフレーズに寄り添うようにメンバー同士が背中を合わせながら歌唱するシーンが印象的だった。続く、アッパーなラブソング「方程式は恋模様」では、1人ずつがトロッコに乗り込み、アリーナを移動していく。観測者をより近くに感じながら、指ハートなどのファンサをたっぷりと盛り込みつつ、極上の歌声を会場の隅々まで届けていく。大倉空人が「みんなモニター見て!」と言った後に放った投げキッスや、桜木によるラストフレーズ「(隣にいて)くれないかな?」のセリフには黄色い歓声が乱れ飛んだ。引き続きトロッコに乗り込んだまま、「ギミギミラブ」へ突入。「代々木にいるみなさん、大きなクラップお願いしまーす!」という小泉光咲の煽りに呼応するように、クラップやコール&レスポンスで会場は楽しい一体感に包まれた。メンバーたちも満面の笑みを浮かべ、本当に楽しそうだ。歌い出しで大きな歓声が巻き起こったのは「推論的に宇宙人」。「会いたかったよ! みんなこの曲、知ってるよね? 声出せるよね?」と杢代和人が声をかけることで、観測者のテンションはより一層高まっていく。みんなで楽しく声を合わせた「中中中」のフレーズは、最高の時間を紡いでいった。

この日、唯一のMCパート。大倉を皮切りに、順番に自己紹介をしていき、ラストの吉澤要人が挨拶をした瞬間にステージの照明が暗転、ハッピーバースデイの曲が流れ出す。そう、この日は吉澤の22回目の誕生日だったのだ。メンバーと観測者たちによるお祝いの歌声と、メンバーカラーである紫色に染まった客席に吉澤は驚きながらも、用意された特製ケーキのイチゴを頬張り、嬉しそうな表情を見せる。そして、杢代に促されて、一人でセンターステージへと移動した吉澤は「楽しく生きる!」という22歳の抱負を宣言。さらに「観測者のみんなと幸せな未来を築いていきたいニャ」とキュートな一言を発し、観測者をメロメロにさせた。

7人によるワチャワチャとしたMC。それはげんじぶの大きな魅力のひとつでもある。その仲の良さがあってこそ、丸6年もの時間を一丸となって突っ走って来れたのだろう。「あっという間に感じる」(武藤)、「念願かなって音楽番組に出演できた」(杢代)、「6年で代々木まで来ちゃったかって感じだよね。ほんとにうれC」(桜木)、「いやほんとに。うれDですよ」(長野)と、これまでの軌跡を振り返るメンバーたちの言葉は、共に時間を過ごしてきた観測者たちにとって胸に迫るものがあったのではないだろうか。

笑顔に包まれた時間を経て、再びライブは激しく動き出す。「マルチバース・アドベンチャー」からは、メンバーたちが1階席と2階席の間の通路に用意されたトロッコに乗り込み、スタンド席の観測者たちのすぐ側を移動しながら歌声を放っていく。広大な会場であっても様々な演出で物理的な距離を縮め、観測者との心の距離を離さないのがげんじぶらしいところ。何より7人の圧倒的な存在感とパフォーマンスは、会場の広さを軽々と凌駕していくものだ。「タオル、たくさん回してくれる?」と武藤が誘うことで、旋風が吹き荒れた「Go to the Moon」。コブシを突き上げながら、全員で声を上げた「oi」コールでライブの熱量はぐんぐんと高まっていく。無尽蔵に楽しさ指数を上昇させ続けながら「多分、僕のソネット」までトロッコに乗って歌い終えた7人は、メインステージへと帰還。

「まだまだ声出せるよな?」と吉澤が叫び、キラーチューン「原因は君にもある。」へなだれ込む。息の合ったスキルフルなダンスと最高のボーカリゼーションを響かせる7人。ステージ上のいたるところに設置されたモニターにリリックのワードが象徴的に映し出されることで、視覚的にもげんじぶの楽曲がカラダに染みわたっていくのが心地いい。「明らかに代々木、愛し合おうぜ」と歌詞を変えて歌った杢代のパートをきっかけに、会場には「ららら…」の大合唱が巻き起こった。長野と武藤の絡みで一気に楽曲の世界に引き込んだのは「貴方らしく」。“自分らしく生きていこう”という聴き手の背中をグッと押してくれるメッセージが、7人のハーモニーによって鮮やかに刻まれていく。メンバー同士、肩を組んで歌ってみたり、7人で向き合いながら声を合わせたりと、げんじぶが見せたパフォーマンスは、モニターに大きく映し出された観測者の姿とあたたかく溶け合っていった。

明かされる天使たちの正体は?

轟く雷鳴が場面を一転させると、「『誰も知らない歌』」が始まる。ドラムンベースの高速ビートが空気を揺らす中、スタンドマイクで感情を込めながら歌を飛ばしていくメンバーたち。時間に逆らってでも君の方へと進み、歌い続ける決意を込めたリリックが、疾走するメロディに乗って明確に届けられていく。ラストで発生した観測者による“Lalala”の大合唱は、げんじぶの思いに対する真摯な回答だったのだろう。そんなやり取りは、会場を舞った、たくさんの金色の紙吹雪がキラキラと光を反射させる演出と相まって、感動的なシーンを生み出していた。

再び挿入された映像パート。ここでは不穏なSEとともに、7人の天使たちが地上の現実を目の当たりにする。現れた天使に対して好奇の目を向け、無遠慮にスマホで撮影し続ける人たち。愛の告白をしていたように見えた男女の姿はフィクションで、偽りの愛だった。オフィスで理不尽な怒りをぶつけてくる上司。レストランで提供された料理を食べ残していく人たち――そんな現実を見て、天使たちは自らの羽を引きちぎる。

映像を経て、センターステージに現れたげんじぶの7人。倒れ込んだメンバーたちがゆっくりと起き上がると、彼らは黒い衣装に身を包み、背中には真っ赤な羽が生えている。それは天使が闇に堕ちた姿。堕天使の姿……なのか。そこから始まったパートでは怒りすらも感じさせるディープなナンバーが連発されていく。真紅の照明を浴びながらパフォーマンスされたのは、狂気をはらんだ美しさを感じさせるゴシックナンバー「Mania」。そのセクシーな一挙手一投足を、息を呑んで見守る観測者たち。曲のラストでは、檻の映像が映し出されたモニターが上空から降り、7人を取り囲む。客席には白い羽根が無数に舞い落ちてきた。

続いて披露されたのは「Operation Ego」。メンバーの顔やリリックが映されたモニター越しに、激しいパフォーマンスと哲学的なメッセージが鋭く届けられる。モニターが上空へと帰っていき、曲のラストでメンバーたちは何かを掴むかのようにグッと握ったコブシを突き上げた。「遊戯的反逆ノススメ」では花道を移動しながらメインステージへと移動。客席に背を向け、激しいダンスを見せることで背中の赤い羽根が観測者の眼を痛いほど焼いていく。「ハハハ、俺ら最高すぎんだろ?」(大倉)、「おい、まだ行けんだろ?」(杢代)と張りつめた空気を一切、緩めることなく「Paradox Re:Write」をドロップ。ステージ上には花火が吹きあがり、火柱も立ち上る。ボーカルがはらむ熱量はまだまだ増し続け、ダンスのテンションも衰える兆しはない。20曲を経たとは思えないほどのパワーを7人全員が放出し続けている。

げんじぶが音楽を通して伝えるもの

そして。モニターにはこの日、流された映像が巻き戻しで映し出される。辿ってきた時間を遡り、ラストに映し出された天使姿の吉澤が舌打ちをする。「チッ」。大きく沸く客席。それを合図に始まったのは、この日のラストナンバー「因果応報アンチノミー」だ。印象的なタットダンスを繰り出しながら、今の現実世界を映し出すリアルなリリックが突き刺さる。

“すべては因果応報、自分次第である”というげんじぶからのメッセージは、この日のライブの幕を閉めるにふさわしいものだったと思う。曲中の杢代による「おかえり」のフレーズも、巻き戻った映像の後に聴くと、実に意味深だ。最後の瞬間まで全身全霊でパフォーマンスし、最強の歌を届けたげんじぶは特効の銀テープが舞う中、上空から降りてきた半円状のモニターによって姿を消した。約2時間にわたるライブが大団円を迎えた瞬間だった。

“序破急”というタイトルや挿入されたいくつかの映像、緻密に計算し尽くされて並べられた楽曲たちが伝えようとした、このライブの真意。それぞれの観測者は、それを考察する楽しさを抱えながら会場を後にしたはずだ。楽しい、だけに終始せず、何らかの問題提起を促し、音楽を通して生きる意味をも問いかける姿勢。それこそがげんじぶというグループが持つ、最大の魅力であると思う。自身最大規模となったライブを大成功に導いた彼らが目指すのは、さらなる大きな飛躍。10月15日には4thシングル「パラノイドランデブー」がリリースされることも決定した。7年目も勢いを止めることなく走り続けるげんじぶの未来が本当に楽しみだ。語弊を恐れず言おう。げんじぶにとっても、観測者にとっても、国立代々木競技場第一体育館じゃまだまだ物足りないんじゃない?

<リリース情報>
4th CDシングル
「パラノイドランデブー」
2025年10月15日(水) 発売

■CD収録内容
各形態共通 3曲(収録曲後日公開)
■Blu-ray収録内容
初回限定盤、ゲンジブ観測所限定盤それぞれで異なる内容を収録予定(詳細は後日発表)
■仕様
【初回限定盤】税抜3,600円(税込3,960円)  UPCH-7780
- スリーブケース
- CD
- Blu-ray
- ブックレット
- 初回限定盤ユニットトレカ(全3種中ランダム1種)
- 初回限定盤グループトレカ(全2種中ランダム1種)
- 初回限定盤ステッカー(全2種セット)

◼︎通常盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-6048
- CD
- ブックレット
- 通常盤ユニットトレカ (全3種中ランダム1種)

◼︎大倉空人盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7781
- CD
- ブックレット
- 大倉空人ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎小泉光咲盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7782
- CD
- ブックレット
- 小泉光咲ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎桜木雅哉盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7783
- CD
- ブックレット
- 桜木雅哉ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎長野凌大盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7784
- CD
- ブックレット
- 長野凌大ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎武藤潤盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7785
- CD
- ブックレット
- 武藤潤ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎杢代和人盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7786
- CD
- ブックレット
- 杢代和人ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎吉澤要人盤:税抜1,500円(税込1,650円)  UPCH-7787
- CD
- ブックレット
- 吉澤要人ソロトレカ(全3種中ランダム1種)

◼︎ゲンジブ観測所限定盤:税抜7,200円(税込7,920円)  PROJ-5913 
スペシャルボックス仕様
- CD
- Blu-ray
- フォトブック 40ページ
- ゲンジブ観測所限定盤ソロトレカ(全7種セット)
- ゲンジブ観測所限定盤グループトレカ(1種)
- ゲンジブ観測所限定盤ステッカー(全2種セット)
- グループミニ色紙(1種)
- グループ折りポスター(1種)
※ゲンジブ観測所会員限定での販売となります。

予約購入URL:https://lnk.to/genjibu_4thsg

原因は自分にある。オフィシャルサイト
https://genjibu.jp/

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