双子ピアノデュオ、医学生となって初めての夏の全国ツアー! 8月5日に「兄ーズ感謝祭」の実施も決定!!
クラシック
インタビュー

兄ーズ(山下順一朗&山下宗一郎)
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山下順一朗、宗一郎の双子の連弾デュオ、兄—ズ。4歳から本格的にクラシックピアノをはじめ、これまでに大阪国際音楽コンクール連弾部門優勝、ショパンコンクール・インアジアにてアジア大会ファイナリスト、全日本学生音楽コンクールピアノ中学生部門東京大会入選などの成績を残してきた。演奏活動と並行し、医学部を目指してきた彼らは今年春、二人揃って現役合格を達成。現在は医大生ピアニストとして活動の場を広げている。
8月には「兄—ズ Piano Magical Land 2025」(8月3日/大阪・いずみホール 9日/東京・浜離宮朝日ホール)、「兄ーズ感謝祭」(8月5日/神奈川県立音楽堂)を開催。兄ーズの二人に現在の音楽活動と夏の公演について聞いた。
――ピアニストと医学生、どうやって両立させていますか?
順一朗 受験までは勉強1本だったんですが、大学生になってからは勉強とピアノの2本になって。初めてスケジュール帳を買って、この日までにレポートを出す、この日に小テストがある、この日までにこの曲の練習をして……という感じで管理してます。
宗一郎 僕も手帳を買いました(笑)。1日の時間の使い方が大事で、学校から帰ってきてゴハンまでは勉強、その後はピアノの練習というように区切っていて。メリハリをしっかり付けることで、今のところなんとか順調に回っているのかなと。
――素晴らしい。お二人は、連弾デュオとしての兄ーズの特徴をどう捉えていますか?
順一朗 双子というのもあって、まずは息が合っていることです。腕は4本なんですが、まるで一人でやっているような感じというか。弾き方は、二人で作り上げているんです。「ここから音を大きくしよう」「こういう情景を思い浮かべて弾こう」ということを話して、しっかり同じ方向を向きながら練習しています。
宗一郎 活動においていちばん念頭に置いているのは、子どもから大人の方まで、みなさんに喜んでいただけるコンサートを開くこと。演奏のクオリティを上げることはもちろんですが、衣装、演出を含めて、「どうしたら楽しんでいただけるか?」を第一に考えているので。
――意見がぶつかることは?
順一朗 ありますね(笑)。
宗一郎 そうだね(笑)。意見が違った場合は、お互いのやりたいことをしっかり組み込んで、二人とも納得したうえで進めるようにしていて。「練り上げていく」という言葉がいちばんピッタリきますね。
――そうやって時間をかけて演奏やコンサートを作り上げているんですね。兄ーズの音楽の軸になっているのはクラシックだと思いますが、YouTubeチャンネルでは映画やアニメの楽曲、J-POPなども演奏しています。
宗一郎 ピアノ演奏の基本はクラシック音楽なんですが、それを踏まえたうえで、ポピュラー音楽は発展していますからクラシックの和声の美しさ、旋律の素晴らしさは今のポップスにも引き継がれているし、僕らもその流れを意識して演奏しています。
――今年の春にアップされたMrs. GREEN APPLEの「ダーリン」の演奏も素晴らしいです。
宗一郎 ありがとうございます。Mrs. GREEN APPLEの楽曲のメロディはすごくキレイだし、転調を上手く使って、驚きを与えてくれるんですよ。
順一朗 演奏していて楽しいし、自然と心が熱くなりますね。
――では、8月の公演について聞かせてください。まず「兄ーズ Piano Magical Land 2025」(8月3日/大阪・いずみホール 9日/東京・浜離宮朝日ホール)。
順一朗 “Magical Land”ということで、魔法の世界にいるような楽しいピアノコンサートにしたいと思っています。まさに子供から大人まで楽しんでもらえるように、選曲、衣装、演出、MCを含めて準備しているところですね。
――MCも準備するんですね。
順一朗 めちゃくちゃこだわってます。MCは本当に大切。曲の紹介はもちろん、話す内容によってその場を温めたり、楽しい空間にすることができるので。
宗一郎 はい。今回の公演は、大学生になってから最初のコンサートなんですよ。1年間は受験の準備に集中して、僕たちの夢である医師に一歩近づくことができて。より大人になった僕たちの姿をお客さまに楽しんでいただきたいと。
順一朗 大人になるというのは、心のゆとりができることだと思っていて。演奏しているときの間(ま)の取り方だったり、いい意味で余裕のある演奏を聴いていただけたらなと思っています。衣装でも大人の要素を取り入れて。なにしろ18歳、成人してますから(笑)。
――確かに(笑)。ドヴォルザークの「スラブ舞曲集」も曲目に入っていますが、お二人とって大事な曲ですよね。
順一朗 「スラブ舞曲集」はとても難しい曲なんですが、「自分たちに合ってる」という思いがあって。弾いてる僕らも、踊りたくなるというか。
宗一郎 心が踊ってます!
順一朗 演奏しているとウキウキしちゃいますね(笑)。「スラブ舞曲集」の1番はカーネギーホールで演奏させていただきましたし、5番は大阪国際コンクールで演奏して、優勝することができました。僕らのピアノ人生を大きく変えてくれた曲ですね。
宗一郎 弾いてると没頭しちゃうし、あっという間に終わっちゃうんですよ(笑)。
順一朗 しかもめちゃくちゃ盛り上がって。こんなに僕たちに合った曲を作ってくれて、ドヴォルザークさんに「ありがとうございます」と言いたいです。
――ピアソラの「リベルタンゴ」も曲目に入っていますね。
宗一郎 「リベルタンゴ」は小学4年生のときも舞台で演奏したことがありました。今よりも簡単なアレンジでしたが、何年も経って大学生になった僕らが演奏する「リベルタンゴ」をぜひ聴いていただきたいなと。
順一朗 当時とは身体の大きさがまったく違うし、ピアノの音や演奏、何もかも違ってますから。
宗一郎 これまでに培ってきたもの、知識や表現の引き出しを全部出せたらなと。小4のときの演奏もYouTubeにあるので、ぜひそちらも見てください。短パンで演奏していて、かわいいです(笑)。
順一朗 自分で言う?(笑)
――(笑)、そして8月5日には神奈川県立音楽堂で「兄ーズ感謝祭」が行われます。
順一朗 これまでは自分たちで選曲をしていましたが、今回はお客様からリクエスト曲を投票いただいて決めようと思っています。基本的にYouTubeにアップしている曲の中から演奏曲を選んでいただきますが、それだけでも100曲以上あるんですよ。みなさんがどんな曲を聴きたいと思っているのか、いろんな意見を取り入れたいですし、僕ら自身もワクワクしています。
宗一郎 大学受験の期間中も、インスタグラムなどを通して、ファンの皆さんからすごく温かい応援のコメントをいただいて。二人揃って現役合格できた大きな力になりました。“感謝祭”では僕らからの感謝の気持ちをお届けしたいし、全身で楽しんでいただけたらなと思っています。
取材・文/森 朋之
<公演情報>
【ミュージション&SEE THE SUN プレゼンツ 兄ーズ感謝祭】
日程:8月5日(火)18:00開演
会場:神奈川県立音楽堂

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/annies-kansyasai/
【兄ーズ Piano Magical Land 2025】
【大阪公演】
日程:8月3日(日)14:00開演/18:00開演
会場:住友生命いずみホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/annies-magicalland/
【北海道公演】
日程:8月7日(木)13:30開演
会場:札幌コンサートホールKitara 小ホール
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560894
【東京公演】
日程:8月9日(土)14:00開演/18:00開演
会場:浜離宮朝日ホール
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