浦井健治×小池徹平W主演ミュージカル『ある男』稽古場レポート到着 主要キャストによる舞台挨拶の実施が決定
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ミュージカル『ある男』稽古場より (撮影:田中亜紀)
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すべて見る2025年8月4日(月) に東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で開幕する新作ミュージカル『ある男』。7月18日に稽古の模様が公開され、一般募集された潜入レポーターが見守る中、シーンの一部と劇中のナンバーが初披露された。そのレポートが到着した。
本作は、読売文学賞を受賞し、2022年に映画化もされた平野啓一郎の読売の話題作を原作とする新作ミュージカル。音楽はジェイソン・ハウランド、脚本・演出は瀬戸山美咲が手がける。
弁護士・城戸章良(浦井健治)は、宮崎に暮らす女性・谷口里枝(ソニン)から、ある奇妙な依頼を受ける。それは、亡き夫・谷口大祐に関する真相を突き止めてほしいというものだった。
長年疎遠だった兄・恭一(上原理生)が、弟・大祐の訃報を聞いて里枝を訪ねてくる。だが仏壇に飾られた遺影を目にした恭一は、愕然とする。そこに写っていたのは、弟とはまったくの別人だったのだ。
1曲目の「別人」は、物語が大きく動き出すきかっけとなる緊迫感のあるナンバー。恭一役の上原理生がパワフルに歌い上げ、里枝に真実を突き付ける。


続く2曲目「ある男」は、里枝の夫が「別人」だったという衝撃の告白を受けた弁護士・城戸章良(浦井健治)は、小池徹平演じる正体不明の男“X”の調査に乗り出す。
「ある男」は、調査の入り口に立った章良の心理に、“X”という存在がまるで幻のように立ち現れる、ミステリアスで幻想的な浦井と小池のデュエットソング。
章良の現実と内面、過去と現在、そして生者と死者の境界が曖昧になり、彼自身が謎の中に引き込まれ、物語は静かに、しかし確実に闇の核心へと踏み込んでいく。


最後に披露されたのは、章良とXが時空を超えて交錯する「暗闇の中へ」。
章良は、“ある男”=Xの正体を突き止めるべく、調査にのめり込んでいく。やがて彼は、戸籍ブローカーの存在に辿り着き、横浜刑務所に収監中の小見浦憲男(鹿賀丈史)との面会を重ねる。

小見浦に導かれるまま、章良は他人の名前を語り、実際に“なりすまし”を体験することに。その一線を越えた瞬間から、章良の内面も静かに崩れ始めていく。
だが真相は掴めない。そんな章良を嘲笑うように、小見浦が口にした名は「曾根崎義彦」。それが“X”の本当の名前なのか? なぜXは、すべてを偽り、別人として生きたのか?
やがて暴かれ始める“ある男”の正体。
だがその「真実」は、果たして暴かれるべきものなのか。
章良とX、時空を越えて交錯するふたりの心が、“嘘と真実”、“正体と記憶”を巡り激しくぶつかり合う。





シーン披露の後には、質疑応答が行われた。

キャスト・演出家コメント
■浦井健治(城戸章良役)

誰もが知っている平野啓一郎さん渾身の一作を「ミュージカル化ってどうなるの?」という疑問を持っている方も多いと思うのですが、今現在の章良と過去のXというふたつの軸が共存しているところが、ミュージカルならではです。お互いを学んでいきながら、変わっていき、愛を知るというテーマにあるように思います。ジェイソンさんの楽曲は難しいですが、その曲に助けられながら、各役に寄り添い、役の色を際立たせる曲が多いので、しっかりとみんなで詰めていきたいと思っております。
■小池徹平(ある男・X役)

先ほど披露させていただいたのはほんの一部ではありますが、『ある男』の原作のすごい濃密な物語に負けないぐらい、ジェイソンさんに作っていただいた曲の素晴らしさと見事に融合したミュージカルになっています。本番までまだあと少し時間があるので、ここからさらに変化を続け、アップデートを続け、皆様にお届けする頃にはより洗練されたものができていくと思いますので、ぜひ、楽しみにしていただけたらなと思っております。
■濱田めぐみ(後藤美涼役)

本当に日々試行錯誤しながら、ようやくここまでたどり着いて、結果とても面白いスタイルのミュージカルに仕上がってきたんじゃないかなと思います。それと同時に、それぞれの役者とキャラクターがマッチしてきていて、原作の小説とも映画ともまた違うキャラクターが浮き出てきています。初日に向けて沢山の化学変化が起きていって、面白みのある、広がりのある、豊かな作品に仕上がっていくんじゃないかなと思います。
■ソニン(谷口里枝役)

歌や身体で、実際に目には見えないものをアンサンブルの皆さんが表現していたり、芸術性の高い作品だなと思っています。音楽も素晴らしいですし、ミュージカルでありながら芝居の強さみたいなものを担ってるシーンもあり、全てのピースがはまって、この総合芸術版の『ある男』が、クオリティの高いバージョンでお届けできるんじゃないかと思っています。今みんなで切磋琢磨しながら、日々試行錯誤しています。さらに、セットも本当に素晴らしいものになるので、隅々まで芸術性が高い作品になるんじゃないかなと思います。ぜひ期待して応援してください。
■上原理生(谷口恭一役)

原作は本当に緻密で濃密な人間ドラマが描かれています。今回は、総合芸術であるミュージカルとなります。音楽は目に見えないものですが、その場の空気や雰囲気、緊張感、キャラクターひとりひとりの心境を表してくれるものだと思います。今回ジェイソンの楽曲は、それを上手く表現してくれている楽曲ばかりで、この物語を彩ってくれています。ぎりぎりまで、切磋琢磨して、より良いものを作れるように頑張っていきますので、楽しみにしていただきたいと思います。
■上川一哉(谷口大祐役)

先ほど見ていただいたナンバーもですが、本当にこの作品の痛みや、苦しみなど、キャラクターが抱えているものを、宮河愛一郎さん、碓井菜央さんをはじめ、アンサンブルの皆さんが身体で表現してくれているのがとても好きです。作品にとって重要な部分ですし、我々もそこに繋がっていくことでより良い作品になると思っております。
■知念里奈(城戸香織役)

章良の妻、城戸香織という役なので、章良との稽古が多く、今日皆さんと同じように正面から拝見して、「こんな感じに仕上がってきてるんだ、シンプルに面白い」と、わくわくしました。あとは、とにかく“自分とは何か”ということを、稽古場で毎日考えさせられています。皆さまにも、大事なテーマをしっかり持ち帰っていただけるように仕上げていけたらいいなと思っております。是非観にいらしてください。
■鹿賀丈史(小見浦憲男/小菅役)

個人的なことで言いますと、今回は主に章良とXのふたりと絡みます。そして二役を演じます。ひとつの役は、戸籍交換をする犯罪人で横浜刑務所に収監されている。そしてもうひとりは、ボクシングジムの会長という役を演じます。このふたつの役は、相反する役どころですけれども、よく突き詰めると、人間の持っている愚かさであるとか優しさであるとか、そういったものを含んだ役で非常に楽しく演じております。
■瀬戸山美咲(脚本・演出)

この作品の舞台化にあたり、稽古に入るまでも様々な試行錯誤をしましたが、稽古に入ってからもすごく試行錯誤をさせていただいていています。それぞれの役が色濃く描かれていて、描かれている時間は短いかもしれないけれど、その人たちの長い人生が垣間見えるような作品になってきております。そしてアンサンブルの皆さんが、氷山の一角の下にいる人たち、背景にいる人たちを体現してくださっています。具体的には、宮河愛一郎さんと碓井菜央さんは、章良に寄り添い、背中を押し、導くような存在であり、アンサンブルの皆さんは、Xに共鳴したり、今のこの社会の中で何か生きづらさを感じている存在を表す存在として、様々な場面に登場します。松田尚子さんが素晴らしい振り付けをしてくださっていて、みんなでひとつものを作ってるというシーンがたくさんありますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
セットについては、原作でも木というものがとても大事なモチーフになっており、まず美術の石原敬さんに、木がどのような人生を辿るかということを美術でも表現したいということをお伝えしました。歪んだ半円になっていますが、これは年輪をイメージしています。人の歴史の積み重ね、年輪が、この床面も含めて描かれていく予定です。木の柱がたくさん立っており、家具なども全て木のものを使う予定です。また、上の方に四角いモニターがあり、今回大事なモチーフとなる絵や写真を映像を使って演出します。他にも“枠”があり、今ご覧いただいたシーンでも大きな木枠が出てきましたが、それは、ある種、人をはめ込んでしまって、そういうものだと決めつけてしまうような社会からの偏見みたいなものを表現しています。

メディアから稽古場の雰囲気を問われた浦井は「このメンバーが揃えるということに本当に感謝だなと思いますし、それぞれキャラクターが濃いので、アンサンブルの皆さんも含め、スタッフさんも、プロフェッショナルな人が多いなと、いう印象です。とてもクリエイティブなチームでやらせていただけていることがすごく嬉しいし、幸せだなと思います」と語った。
小池は、浦井について「カンパニー一同思ってることだと思うのですが仕上がり凄すぎて、浦井健治という役者の力量というか対応力を間近でみて我々はものすごく頑張らなきゃ、と思っています」と語った。また開幕の前日である2025年8月3日(日) には、東京・中池袋公園で主要キャストによる舞台挨拶が実施されることが決定した。
撮影:田中亜紀
<公演情報>
ミュージカル『ある男』

原作:平野啓一郎『ある男』(文春文庫/コルク)
音楽:ジェイソン・ハウランド
脚本・演出:瀬戸山美咲
歌詞:高橋知伽江
【キャスト】
浦井健治 小池徹平/濱田めぐみ ソニン
上原理生 上川一哉・知念里奈/鹿賀丈史
碓井菜央 宮河愛一郎/青山瑠里 上條駿 工藤広夢 小島亜莉沙 咲良 俵和也 増山航平 安福毅
スウィング:植山愛結 大村真佑
【主要キャストによる舞台挨拶】
開催日時:2025年8月3日(日) 15:30~15:50(予定)
会場:東京・中池袋公園
入場:無料(混雑状況により入場制限の可能性あり)
※雨天時は「harevutai」にて縮小開催
【東京公演】
2025年8月4日(月)~17日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【公演中イベント】
■ReVIEW公演企画
世界初演開幕初日からのReVIEW企画対象の7公演は、来場時に感想投票カードを配布。お帰りの際に劇場ロビーの「感想投票BOX」へ投票をお願いいたします。さらに、対象期間中に感想コメントをX/Instagramに「#ReVIEW公演」をつけて投稿した方から抽選で、リピートチケットに使える【500円割引コード】をDMでプレゼント。
■世界初演記念 スペシャル企画
対象公演:
2025年8月4日(月) 18:00
・来場者プレゼント
東京初日公演の来場者全員にオリジナルステッカーをプレゼント
・カーテンコール一部撮影OK
東京初日公演に限り、カーテンコールの一部が撮影可能
【アフタートークイベント】
対象公演:
2025年8月6日(水) 18:00(浦井健治・小池徹平)
2025年8月13日(水) 18:00(ソニン・知念里奈・上原理生・上川一哉)
詳細はこちら:
https://horipro-stage.jp/news/aman2025_event/
【広島公演】
2025年8月23日(土)・24日(日)
会場:広島文化学園HBGホール
【愛知公演】
2025年8月30日(土)・31日(日)
会場:東海市芸術劇場 大ホール
【福岡公演】
2025年9月6日(土)・7日(日)
会場:福岡市民ホール 大ホール
【大阪公演】
2025年9月12日(金)~15日(月・祝)
会場:SkyシアターMBS
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2558928
公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/aman2025/
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