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知念英和に見た「ヒーローとしての十字架」を背負う覚悟「この人でよかったと思ってもらえる人であり続けたい」

映画

インタビュー

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知念英和 (撮影/梁瀬玉実)

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主人公・ショウマとして1年間『仮面ライダーガヴ』を引っ張ってきた知念英和、それは常に「自分がいま生きている意味」と向き合う時間だったと振り返る。ヒーローとしての使命を背負うことになった日から心に宿した知念英和の“覚悟”とは──?

映画ならではの孤独がメンタルに響くのでは

──不思議な扉が開いてつながった世界で繰り広げられる、映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』の物語。TVシリーズとはまた違ったショウマたちの姿が見られますね。

そうなんです! 異世界では幸果さんたちもいるけれど、ショウマのことを知らなくて。よく知っている場所なのに、自分の居場所を取り上げられたような孤独感をショウマは抱いたんじゃないかなと感じました。TVシリーズの1、2話でも、人間の世界に来たばかりのショウマは「どう居場所を作って行けばいいんだろう?」と孤独を感じることもあったと思いますが、今回はそれとはまた違った……よりメンタルに響く孤独といいますか、映画でしか見られないショウマなんじゃないかと感じました。

──異世界では「TVシリーズでこうなっていたらよかったのに」という光景も広がっています。

亡くなったはずの人たちが生きている世界で、「この人たちが生きていたら、ショウマも絆斗もラキアもまた違った性格やキャラクターになっていたんじゃないかな」と感じましたし……“ifの世界”の彼らを映画で観ることができるというのは、ファンの皆さんにも喜んでいただけるだろうなと思います。

──異世界に迷い込んだショウマを演じるにあたり意識したことは?

今回の映画はより一層、ショウマを中心に描かれているので、TVシリーズでは亡くなった人たちが出てきたときにショウマがどういった反応をするのかをはじめ、小さな表情の変化もしかり、観てくださる方がより物語に没入できるように、細かく丁寧に演じることを意識しました。

かつ、テレビと違って大スクリーンに映し出されるので、芝居の動きも普段よりも大きく動いてみたり長い時間飽きずに観ていられるように意識しました。加えて、TVシリーズよりもショウマが少し大人っぽいといいますか、たくさんの戦いを経て逞しくなっているのが観ている方にも伝わるといいなと思いながら演じました。

──撮影に際して準備したことはありますか?

今回はありがたいことにFANTASTICSの方たちが出演してくださるということで、メンバーのみなさんについて事前に調べるのはもちろんですが……僕たちが1年間やってきたガヴの世界にお迎えする形になるので、主演としての現場での立ち居振る舞いや空気作りを意識しました。自分ひとりだと悩むことも多かったので、共演の庄司浩平くん(ラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム役)に相談しながら“主役としての在り方”について事前に考えて、しっかり準備して挑んだつもりです。

TVシリーズで全うしきれなかった“座長としての在り方”を課題に

──庄司さんにはどういった相談をされたのでしょうか?

TVシリーズの『仮面ライダーガヴ』では、レギュラーメンバーで1年間やってきたなかで……僕が一番新人ながらも主役という立場でずっと現場にいて。周りのみなさんに助けていただくことが多い1年だったんです。僕自身は「座長として現場に立たないといけない」という気持ちと「どう動いたらいいのかわからない」という気持ちの間で、ずっと葛藤していた1年だった気がしていて。

それで、映画のクランクイン前に「TVシリーズで自分ができていないことは何だっただろう?」と改めて振り返ったときに思ったのが、「座長としてきちんと現場に立てていたのだろうか?」ということだったんです。

──TVシリーズを一通り撮影してから映画の撮影に臨まれたようですね。

そうなんです。だからこそ、TVシリーズで課題だったことを映画に繋げることができて……「じゃあ、今回の映画は『座長として現場に立つ』ことを目標に挑めるチャンスだな」と思って、浩平くんにどうかな?って相談したんです。そうしたら「失敗を恐れずに自分が『座長はこうであるべき』と思ったことを信じて現場に立てばいいんじゃない? フォローは周りの人たちがしてくれるから」って、背中を押してくれました。

──実際に現場で座長として立つことができましたか?

FANTASTICSのみなさんに『仮面ライダーガヴ』の魅力や「ガヴはこういう世界線なんです」といったことを積極的にお話ししたり、FANTASTICSのみなさんが思っていることをうかがうようにしたりと、なるべく意見を言いやすい現場の雰囲気づくりを心がけました。

おしゃべり好きなスタッフさんに中島さんが「なんでやねん!」とかって気軽に突っ込んでいる光景を見たときには嬉しくなりました。作品を作るうえで、それぞれが遠慮せずに何でも言える関係を築いていくことが一番大切だと思っているので、「今回はうまくできているんじゃないかな?」と思いながら現場にいました。

FANTASTICS との共演に「“頼れるお兄ちゃん”が4人も増えた」

──最初にFANTASTICSのみなさんが現場にいらしたときの雰囲気はどんな感じだったのでしょうか?

『仮面ライダーガヴ』TVシリーズの主題歌「Got Boost?」を歌ってくださっているので、僕としてはFANTASTICS のみなさんと1年間一緒に走ってきたつもりではありましたが、現場にみなさんが入っていらっしゃった瞬間に新しい風が吹いたような感覚になりましたし、現場がより一層引き締まる感じがして刺激をいただきました。

──ショウマが迷い込んだ世界で出会う青年・タオリンを中島颯太さんが演じています。

アーティストとしてキラキラ輝いていて、「かっこいい」というのが中島さんに抱いていた印象でしたが、現場では等身大のタオリンのままでいてくださって。タオリンのあどけなさや純粋な感じがそのまま出ていたので、「本当にタオリンがいる!」と思いました。そうやって中島さんが作ってきてくださったタオリンに引っ張られる感じで僕も芝居にスッと入れたので、「中島さんがタオリンを演じてくださってよかったなあ」と思いました。

──“ミューター”と呼ばれる謎の存在の王・カリエスを演じるのは世界さんです。

一流のアーティストというだけでなく、声のお芝居や舞台でのお芝居もされている世界さんですが、今作の大ボスを演じることについて「めちゃくちゃプレッシャーも緊張もあるけど、いま自分にできることをやる」といったことをおっしゃっていて。世界さんをはじめ、FANTASTICSのみなさんが映画を大事にしてくださっているのを垣間見ることができたのは本当に嬉しかったです。

──ミューターの博士・クラープを演じる木村慧人さん、そして“謎の青年”を演じる澤本夏輝さんについてはいかがでしょう?

クラープは台本で読んだ印象ではクールなキャラクターで、木村さんもテストの段階ではクールに演じていらしたんですけど、監督から「もう少しクセの強い感じでお願いしたい」と要望が出て、本番でガラッと変わったクラープが出てきたんですよね。すごくビックリしたので木村さんにお話をうかがったら「自分が『こう演じたい』というプランはもちろんあるけれど、作品が良くなるためにも監督がベストだと思っているほうを選ぶ」とおっしゃっていて。『仮面ライダーガヴ』へのリスペクトを感じましたし、木村さんのことをより一層好きになりました。

澤本さんは映像作品でお芝居されるのは今作が初めてとのことでしたが、そういったことを微塵も感じさせないくらい現場で堂々とされていて。監督ともディスカッションしながら役を作っていく姿が印象的でした。撮影の合間にお話しするときは、すごく柔らかい感じの“お兄ちゃん”みたいな存在で……FANTASTICSのみなさんと僕は歳が離れているんですが、20歳の僕と目線を合わせてお話してくださったので、つい甘えて色々と相談しちゃいました(笑)。共演者でありつつ、“頼れるお兄ちゃん”が4人も増えた感じがしてすごく嬉しかったです。

──撮影するなかで強く印象に残っていることは?

たくさんありますが……ショウマとタオリン、カリエスとクラープという4人が対峙するシーンがあって。今作のなかでも肝になってくる場面なので、そこが一番印象に残っています。ショウマにとっても衝撃の事実が明かされるんですが、そこでのカリエスとクラープの威圧感といいますか、異様な不気味さみたいなものがすごくて……普段はお菓子大好きな可愛らしいショウマですが、事実を知って「こいつを倒さないといけない」と怒りを露にするところも印象的でした。僕自身も「絶対に倒してやる」という気持ちで現場に立っていたので、ショウマの爆発力を観ていただけると嬉しいです。

──今作でチャレンジしたことは?

異世界ではショウマのお母さんが生きていて、そのお母さんが営んでいるお店には手書きの値札やお母さんが好きであろうお花が飾ってあるんですね。グラニュートの世界で幽閉されていたときにはわからなかったお母さんの好みや、お店の香りをしっかりと肌で感じてお芝居をしていこうと意識していました。

お母さんのお店に来たショウマのシーンをただの1シーンにするのではなく、「お母さんってこういうのが好きだったんだな」と噛みしめながら思いを巡らせているショウマを細かく表現したいと思いお芝居して……細かいところまで「ショウマを生きる」というのを大切にしました。

もうひとつは、先ほども少しお話ししましたが……めちゃくちゃ怒るショウマですね。今回の映画では、いままでで一番怒ったかもしれないと思うぐらい“ショウマの怒り”が肝になっているので、しっかり準備して気持ちを作っていきました。うまくできたかどうかは自分ではわかりませんが、ご覧になる方には注目していただきたいポイントです。

自分の使命は「ヒーローとして子どもたちのお手本になること」

──昨年9月から始まったTVシリーズも終盤にさしかかっている『仮面ライダーガヴ』ですが、ショウマへの理解度が特に深まった話数は?

いまパッと頭に浮かんだのは、実の兄姉を倒す13、14話ですね。それまではストマック家の末っ子としてシータ姉さんやジープ兄さんのことを恐れていたショウマですが、二人が人間を無差別に襲ったのを機に戦うことを決意して。それまでは「シータ姉さん」「ジープ兄さん」と呼んでいたショウマが、ここで初めて「シータ」「ジープ」と呼び捨てにするんです。その変化に「兄姉じゃなくて“敵”として見ているんだ」と思いましたし、「今後ショウマは何があっても人間側につくだろうし、ストマック家側に立つ気はないんだな」と覚悟を感じて……ショウマというキャラクターを理解するうえで大事なターニングポイントになった13、14話でした。

──それまで兄や姉に一度も勝てたことがなかったショウマの覚悟も見られましたね。

そうなんです。これまで勝てたことがないシータとジープのところへ向かうときに、幸果さんと「ちゃんと帰って来る」ことを約束して。ものすごい覚悟をもってシータとジープに向かって行ったというのがショウマというキャラクターを象徴しているようなシーンだなと思いました。

いつもお菓子を食べて「美味しい」ってフワフワしているショウマが怒りを露にするのも、ショウマという人物の魅力的なところだと思うので……ショウマの人柄や覚悟、爆発力といったすべてを見せてくれた13、14話でもあります。ケーキングフォームも印象的だし、僕自身もショウマのことが一段と好きになった、とても良いエピソードでした。

──ショウマから得たものも多いと思いますが、なかでも印象的なものは?

たくさんありますが……特に食に関してですかね。僕が生まれ育った日本には「いただきます」とか「ごちそうさまでした」といった言葉があって、食に感謝する文化なんだなということに気づけました。

普段僕たちが何気なく食べてお腹を満たしているものにも、きちんと感謝しないといけないというのは『仮面ライダーガヴ』のショウマを演じた1年を通して思いましたし、やっぱりお菓子って素晴らしいなと……子どもだけじゃなく、大人もお菓子を通して幸せを分かち合える、すごく良いものだということに気づかされました。ショウマを演じていなかったら、もしかすると一生気づけなかったことかもしれないです。もうひとつ、「覚悟」や「使命」についてもたくさん考えました。

──この1年間、知念さんには「ヒーローを演じる」という使命がありましたから。

そうなんです。ショウマって「自分の使命は何なのか」「自分の居場所はどこなのか」と日々葛藤して悩んでいるキャラクターでもあったので、「自分が生まれてきて、いま生きている意味って何なんだろう?」と自分自身もすごく考えさせられました。僕は2年前まで普通の高校生でしたが、縁があって事務所に入れていただいて、ありがたいことに『仮面ライダーガヴ』の主演が決まって、毎週子どもたちがショウマの物語を見てくれている。そういった状況のなか、「いまの自分にできることは何なのか」というのを毎回深く考えていました。

──知念さんの答えは?

プライベートも含めて、いまはショウマとして、ヒーローとして子どもたちのお手本にならなければいけないと思いました。役者を始めて間もない頃に「あなたは今日からヒーローです」と言われて、そのことについて1年間向き合えたのは人として成長するうえでもすごく良かったと思いますし……これからもずっと仮面ライダーガヴとして生きたことを背負いながら、「この人がヒーローでよかった」と思ってもらえるような人で在り続けたいです。

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※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。


<作品情報>
映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』

【ライダー】
知念英和 日野友輔 庄司浩平 宮部のぞみ
中島颯太 木村慧人 澤本夏輝 世界
千歳まち 滝澤 諒 川﨑帆々花 古賀瑠 / 塚本高史

【戦隊】
冬野心央 鈴木秀脩 神田聖司 松本 仁 今森茉耶 木村魁希 三本木大輔 まるぴ カルマ
(声)梶 裕貴 KENN 速水 奨 中川翔子/サンシャイン池崎/ゴー☆ジャス/てつや(東海オンエア)
中越典子


撮影/梁瀬玉実、取材・文/とみたまい

フォトギャラリー(10件)

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