『円空展 330年の祈り』美術館「えき」KYOTOで 関西初公開を含む多様な神仏像で円空の信仰と造像の変遷を辿る
アート
ニュース

《護法神》延宝2(1674)年頃 長間薬師寺蔵 岐阜県指定文化財
続きを読むフォトギャラリー(5件)
すべて見る江戸時代の初めに、民衆のために膨大な数の神仏像を彫り続けた円空上人の没後330年を記念し、関西初公開を多数含む優れた像を厳選して紹介する展覧会が、8月30日(土)から10月6日(月)まで、京都駅に直結する美術館「えき」KYOTOで開催される。
寛永9(1632)年、美濃国(現在の岐阜県)に生まれた円空(1632-95)は、出家後、日本古来の山岳信仰と外来の密教などが習合して成立した修験道の修験者として各地の霊場をめぐった。厳しい山岳修行を積みながら、像を彫り始めたのは32歳のとき。「生涯に12万体を彫る」という誓いをたて、64歳で亡くなるまでの30年余りの間、ひたすら造像に励んだ。現在残されている像は、確認されているだけでも実に5,400体を超えるという。

同展は、円空の造像姿勢に変化の見られた延宝7(1679)年を境として、ふたつの章で構成される。第1章の〈上求菩提(じょうぐぼだい) 〉では、円空が自らの悟りの境地を追い求めて生み出した神仏像を紹介する。 延宝7(1679)年、崇拝していた白山神(はくさんしん)から託宣を享けると、円空の布教と造像に変化が現れる。 第2章の〈下化衆生(げけしゅじょう)〉では、それ以降のあまねく人々の救済を願って彫り遺された神仏像が並び、同店全体を通して、円空自身の信仰や造像の変遷をたどることができる。
円空は、修行先や布教先で人々に求められると、その人々の祈りや願いに寄り添って、気さくに像を刻んで与えていたという。大胆な鑿(のみ)使いによって生み出された簡潔で荒削りな表現、木像のもつ力強さや温もりや素朴さ、そしてその像が浮かべる不思議な微笑みなど、円空仏の造形は魅力にあふれている。今回は、京都初公開、関西初公開のほか、十二支をモチーフにした愛らしい十二神将像など、展覧会初公開の作品もあり、多種多様な像がお出ましになるのも楽しみなところだ。 なお会期中には、同展の監修を務める円空学会理事長・小島梯次氏のギャラリー・トークも開催される。

<開催概要>
『円空展 330年の祈り』
会期:2025年8月30日(土)~10月6日(月) ※会期中無休
会場:美術館「えき」KYOTO
時間:10:00~19:30(入館は19:00まで)
料金:一般1,200円、大高1,000円、中小500円
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2517069
公式サイト:
https://www.mistore.jp/store/kyoto/museum.html/
フォトギャラリー(5件)
すべて見る