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荒牧慶彦主演『ゲゲゲの鬼太郎2025』、明治座で上演中 トレンド反映の敵キャラにも注目

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舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』より、ゲゲゲの鬼太郎=荒牧慶彦

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舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』が2025年8月2日より東京・明治座にて上演中だ。

本作は、漫画、アニメ、映画、小説、ドラマ、ゲームなど、半世紀以上に亘り多くの人に愛され続けてきた、言わずと知れた大名作である「ゲゲゲの鬼太郎」を舞台化したもの。水木しげる没後10年にあたる節目の年となる今夏、舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』として完全新作となり上演されることとなった。

脚本・演出を堤泰之、鬼太郎役に荒牧慶彦、ねずみ男役に大塚明夫、ねこ娘役に上坂すみれと豪華出演陣が集結。ゲストキャラクターも植田圭輔、廣野凌大、美弥るりか、浅野ゆう子と個性あふれるキャストが勢揃いし、目玉おやじの野沢雅子ら、アニメーション(第6期)と同じ声の出演があることも注目だ。8月1日に開催されたゲネプロの様子をレポートする。

豪華キャスト陣と再現度抜群のセットで惹き込まれる鬼太郎ワールド

本作で鬼太郎たちが立ち向かうのは、世界征服を目論む西洋妖怪の吸血鬼軍団。植田圭輔演じる吸血鬼エリートが、女性をさらい吸血鬼カミーラ(浅野ゆう子)に差し出そうとし、それを鬼太郎が救おうとする、というシーンから本編がスタート。森の中をイメージしたスクリーンをバックに、鬼太郎の武器である“下駄”がスピーディに飛び交い、「ゲゲゲの鬼太郎」の世界観にグッと惹き込まれる。

吸血鬼カミーラ=浅野ゆう子

印象的な“鬼太郎ハウス”も舞台上に見事に再現されており、一反もめんとぬりかべもしっかりと観客を迎えてくれる。荒牧慶彦演じる主人公の鬼太郎の再現度も素晴らしい。荒牧自身の抜群のスタイルゆえに少年の鬼太郎とイメージが乖離するのでは?と思う方もいるかもしれないが、実にピッタリで驚かされる。人間と敵対しない“幽霊族”としての正義感あふれる鬼太郎の眼差しが、荒牧の瞳の美しさとマッチしているのも大きいのでは無いかと感じた。

ねこ娘=上坂すみれ

部屋の中で酒を呑む・子泣きじじい(長友光弘)と、ねこ娘(上坂すみれ)のやりとりもコミカルで思わずクスッとしてしまう。声優としても活躍する上坂ならではの、キュートで通る声が舞台中に広がり、ちょっと気が強いねこ娘のイメージをそのままに表現している。上坂は、2022年に上演された舞台『ゲゲゲの鬼太郎』が初舞台であり、本公演が2度目の舞台ということだが、堂々たる振る舞いが見事であった。

先ほど、鬼太郎ハウスのセットについて触れたが、『ゲゲゲの鬼太郎2025』全体として美術がとても素晴らしかった。吸血鬼カミーラのアジトは西洋風のお屋敷デザインとなっており、ゆらめく蝋燭の灯りがとても妖しい。鬼太郎ハウス、森の中、カミーラのあじと、ライブハウス…と、どんどん展開していくのだがその切り替えがとてもスピーディーで「どうやって転換しているんだ!」と驚いてしまった。カミーラが意気揚々と悪巧みを話す中、アジトがせり上がって行き、餌食となる人々を閉じ込めている牢屋が登場する仕掛けにもワクワクさせられた。また、時代劇公演を多く行ってきた明治座という場所柄を活かした演出として、ねずみ男が客席後方から登場する点も楽しかった。

今回のねずみ男は一味違う?! 鬼太郎らしさあふれる切なく愉快なストーリー

鬼太郎がカミーラ一味とどう戦っていくかがストーリーの中心となるが、ねずみ男と「自分はねずみ男の妹だ」と話す謎の女(美弥るりか)のやりとりも大きな見どころ。ねこ娘いわく、「お金や自分のためならどんな嘘でもつける」、自身も「家族も友達もいない天涯孤独」と豪語するねずみ男だが、自分の妹なのかもしれない……と思った時に、自分以外のために行動してみせるのだ。ねずみ男を演じる大塚明夫の飄々としていながらも、時々見せる切ない眼差しに「今回のねずみ男は一味違うかも……?」と期待してしまう。このふたりのキャラクターの行く末に注目して欲しい。

ねずみ男=大塚明夫
美弥るりか=謎の女

さらに、カミーラ役の浅野ゆう子の迫力満点の歌声は見事! 2022年版では砂かけばばあを演じていた浅野だが、本作では人類の存続を脅かす強敵を魅力たっぷりに演じている。カミーラに仕えるエリート(植田圭輔)のギター捌き、「コウモリ出身の吸血鬼」であることに引け目を感じている“本当の悪では無い”敵キャラにも好感を持った。

吸血鬼エリート=植田圭輔
ムサシP=廣野凌大

ねこ娘とも関わりがあり、カミーラに利用されようとしている、インフルエンサー・ムサシP(廣野凌大)のコミカルさもストーリーに彩りを与えている。アニメ版でも度々、その時の流行を取り入れてきた「ゲゲゲの鬼太郎」だけに、動画や“バズ”を取り入れた展開が最高なのである。全体を通して、「これはアドリブ?」と思える演者同士の素っぽい会話も魅力的。公演ごとに違う会話が聞けちゃうかも?!

舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』は、16日(土) まで東京・明治座、8月21日(木) から25日(月)に大阪・新歌舞伎座にて上演される。


取材・文:中村梢


<公演情報>
舞台『ゲゲゲの鬼太郎 2025』

脚本・演出:堤泰之
出演:荒牧慶彦 大塚明夫 上坂すみれ
植田圭輔 廣野凌大/美弥るりか/浅野ゆう子/野沢雅子(声の出演) 田中真弓(声の出演) 島田敏(声の出演) 山口勝平(声の出演)

長友光弘(響) 砂川脩弥

白井美貴 浅野琳 大城麗生 中土井俊允 矢吹百花 山田隼人 渡邉陸

【東京公演】
2025年8月2日(土)~8月16日(土)
会場:明治座

【大阪公演】
2025年8月21日(木)~8月25日(月)
会場:新歌舞伎座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/gegege-stage2025/

公式サイト:
https://gegege-stage.jp/

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