OCTPATH　太田駿静の挑戦「“人生が変わる”お仕事になりました」

声優の仕事について勉強してからアフレコに臨みました

――まずは、声優に初挑戦することが決まった時の気持ちをお聞かせください。

太田　まず、「キャストさんがすごいですよ！」と言われて、見てみたら本当に豪華で……！　「ここに自分の名前が載るのか」と信じられない気持ちになりました。最初は、「自分に務まるのかな？」と不安な部分もありましたが、だんだんと「しっかり勉強して臨もう」と前を向くことができました。

――具体的には、どのような勉強をされたのですか？

太田　声優業界について知らないことが多すぎたので、まずはYouTubeで声優さんのドキュメンタリーを見ました。そこで、「あっ、ここで椅子から立つんだ」などという基礎を学びましたね。

――実際に、アフレコに挑んだ時は緊張されましたか？

太田　はい。でも、初めてということで、ガイドがあったんです。
普通は画が完成していない状態で声を入れることが多いんですけど、今回はほぼ画が完成していて、STUDIO4℃さんが手がけられた美しい絵とともに、練習も本番もアフレコできたので、キャラクターの感情や動きがイメージしやすくてありがたかったです。

――STUDIO4℃さんが手がける映像、本当に美しいですよね。

太田　本当に！　一般的に『ChaO』くらいの上映尺のある映画だと、作画の枚数は、3〜4万枚くらいらしいんです。でも、今回は10万枚以上使われているらしくて。それを聞いた時にすごく納得したんですよね。一つひとつの絵が、生きていて奥行きがあって……。一言で言えば、“生命力”がある画をしているので。1秒ずつ静止して見たいくらいです。

ジュノーは素直でまっすぐで無鉄砲　僕と似ているかも

――物語全体には、どのような印象を持ちましたか？

太田　「おもろっ！」と思いました。ギャグ要素も多いので、「詰め込んだな〜」と。

――たしかに、要素がたっぷりですよね。

太田　そうなんですよ。笑うところもあって、キュンとすることもできて、さらには泣けるシーンまで……！　まさに、ほしいものが全部入っていますよね。バラエティに富んだ映画なので、全世代の方に楽しんでいただけると思います。

――太田さんが演じたジュノーは、人間と人魚の歴史を追うなかでステファンを取材することになった新米記者ということで。どのようなキャラクターだと感じましたか？

太田　すごく素直ですよね。ステファンとは違って、まっすぐな部分がすごくあって。ステファンを見つけたら、大事な取材を放ってステファンのほうに行っちゃうとか（笑）。素直でまっすぐで無鉄砲！　自分で言うのもなんですが、僕と似ている部分も多いなと思いました。

――どういう部分が似ているのでしょうか？

太田　いっぱいあります！　僕も、素直さを大事に生きていきたいと思っているので、そのあたりがリンクしているかな。

――演じていてむずかしかった点はありましたか？

太田　最後に編集長に“あること”を言う場面があるんですけど、その時に「編集長！」と呼びかけるのが苦戦しましたね。呼びかけのニュアンスとかが、なかなかうまくいかなくて……。30テイクくらい録った気がします。

チャオのような女の子がいたら「好きになるのかなぁ」

――今作の世界観が現実になったら、やってみたいことはありますか？

太田　人間と人魚が共存するってことですよね。うーん。作中に、如意棒が出てくるんですけど、あれに乗って見たいですね！　バトルシーンには巻き込まれたくないけど（笑）。男としては憧れます。

――登場人物のなかで、推しキャラはいますか？

太田　僕はジュノーを愛しているんですけど、それ以外だったら……。シー社長かなぁ。憎めないボディで愛らしくて。あと、山里（亮太）さんの声が絶妙に嫌味な感じで、これもまたいいんですよ！　シー社長とステファンが喋っている時の雰囲気も好きです。

――ステファンは、チャオに求婚されて、なかば強引に一緒に暮らし始めることになります。そんな2人の関係は、太田さん的にどう思いますか？

太田　“人魚のお姫さま”という力を使いすぎている部分もあるかもしれないけど、彼女の力強さはいいなと思うし、2人の関係性も素敵だなと思います。僕自身が落ちるかどうかは別として（笑）。

――太田さんは、落ちない？

太田　うーん。でも、ステファンもだんだん惹かれていきますもんね。僕も、こんなことがあったら好きになるのかなぁ。ただ、この作品はすべてチャオの愛おしいキャラクターがあってこそだなとは思います。

――ジュノーはステファンに憧れる役ですが、ステファンを演じられた鈴鹿さんの憧れポイントはありますか？

太田　ステファンの声って、ダサいところはちゃんとダサくて、キメるところはめっちゃキマってるじゃないですか。そういう切り替えができるのがすごいなと思いました。鈴鹿さんとは、この間初めて会ってお話をさせていただいて。穏やかな雰囲気を纏っているのに、深いこともおっしゃるんですよ。同い年なんですけど、「カッコ良くてずるい！」と思いました（笑）。

この作品は“人生が変わる出会い”でした

――本作では、世界が変わる出会いというのが描かれていましたが、太田さんにとっての“人生が変わる出会い”というのは。

太田　直近で挙げるなら、この作品ですかね。初の声優挑戦にも関わらず、こんなに素晴らしい作品に出演することができて、初めての方ともたくさん出会えましたし。キャラクターデザインを担当されている方など、いろいろな業種の方のお話もお聞きできて、すごく勉強になりました。

――チャオは慣れない人間の世界で奮闘して失敗を繰り返します。チャオと同じように、慣れない環境で失敗しながら頑張る人にアドバイスするなら、どんな言葉をかけますか？

太田　極論になっちゃうんですけど、いちばんは「倒れちゃいけない」ということ。僕は、まず「倒れちゃいけない」って思ってるんです。決して無理はせず、倒れる前に自分でコントロールをしながら、前向きに頑張ってほしいです。あと、何かに立ち向かわなければいけない時は、なるべくマイナスになるような人とはいない方がいいかなぁ。

――マイナスになる人というのは？

太田　マイナスなことを言ってくるとか、おかしな方向に気を遣わなければいけない相手とか。なので、自分を大事にしてくれる人といるのがいちばんいいと思います。僕もそういう時は意識的に、メンバーや家族など心を許せる人との時間を増やすようにしています。

撮影／米玉利朋子、取材／藤坂美樹、構成／菜本かな

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— BOYSぴあ編集部 (@boys__pia) August 8, 2025

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＜作品情報＞
映画『ChaO』

2025年8月15日(金)より全国公開

声の出演：鈴鹿央士 山田杏奈
シシド・カフカ 梅原裕⼀郎 / 三宅健太 / 太田駿静 土屋アンナ
くっきー！ 山里亮太
監督：青木康浩
キャラクターデザイン・総作画監督：小島大和
美術監督：滝口比呂志
音楽：村松崇継
アニメーション制作：STUDIO4℃
配給：東映
(C)2025「ChaO」製作委員会

映画公式ホームページ：
https://www.chao-movie.com/

映画公式X：
https://x.com/ChaOmovie

映画公式Instagram：
https://www.instagram.com/ChaOmovie

【STORY】
⼈間と人魚が共存する未来社会。
船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある日突然、人魚王国のお姫さま・チャオに求婚される!!ステファンは訳も分からないまま、チャオと一緒に生活することに!? 純粋で真っすぐなチャオの愛情を受けて、ステファンは少しずつチャオに惹かれていく――。2人の恋の行方はどうなる!?