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特別展『運慶 祈りの空間―興福寺北円堂』東京国立博物館で 7軀の国宝仏で鎌倉復興当時の北円堂内陣を再現

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国宝《弥勒如来坐像》運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置  撮影:佐々木香輔

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2025年9月9日(火)より、東京国立博物館 本館特別5室では、『運慶 祈りの空間―興福寺北円堂』が開催される。奈良・興福寺の北円堂内陣の様子を、鎌倉復興当時の姿に再現して紹介する展覧会だ。

現在、興福寺伽藍の中で西北隅に位置する北円堂は、平城京遷都の立役者・藤原不比等の功績を讃え、元明・元正天皇の発願によって、養老5年(721)に建立された。その後、永承4年(1049)には火災で、治承4年(1180)には、平重衡の南都焼討により、北円堂は焼失する。現存する北円堂は、この南都焼討後、1210年頃に再建された、興福寺の堂宇の中でも最も古い建物だ。

国宝《無著菩薩立像(部分)》運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置 撮影:佐々木香輔

そしてこの復興時、一門を率いて、北円堂の諸像の造立を行ったのが、鎌倉時代を代表する奈良仏師運慶だった。なかでも本尊の国宝・弥勒如来坐像と、両脇に控える国宝、無著・世親菩薩立像は、運慶晩年の傑作として広く知られている。どこから見ても破綻のない堂々たる体躯を持つ弥勒如来坐像は、水晶でつくった玉眼をはめる技法が知られる慶派の仏像にあって、あえて木の表面を刻んだ彫眼の像であることが特徴。唯識教学を修めたインドの古代僧・無著と、その弟・世親の立像は、見る者を圧倒する高い精神性をたたえている。無著・世親像が日本彫刻史上の最高傑作と言われる所以である。

国宝《無著菩薩立像》運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置 撮影:佐々木香輔

現在、興福寺北円堂では、この三尊をはじめ9軀の仏像が安置されているが、長い年月の間に仏像は他の堂宇に移されるなどして、本来の並びではなくなっている。そこで修理完成を記念して弥勒如来坐像が約60年ぶりに寺外で公開されることをきっかけに、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王像を現在ある中金堂から呼び寄せて、7軀の国宝仏で鎌倉復興当時の北円堂内陣を再現する。運慶晩年期の工房の実力がみなぎるその空間は、今後興福寺でも2度と拝観できない奇跡の荘厳になるという。ぜひ鎌倉時代、運慶とその一門がつくりあげた祈りの空間を、この機会に体感したい。

<開催概要>
特別展『運慶 祈りの空間―興福寺北円堂』

会期:2025年9月9日(火)~11月30日(日)
会場:東京国立博物館 本館特別5室
時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:9月29日(月)、10月6日(月)、14日(火)、20日(月)、27日(月)、11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)
料金:一般1,700円、大学900円、高校600円
チケット情報:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559720
公式サイト:
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/unkei2025/?ke=spcp

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