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開幕までいよいよ1か月! スペシャルアンバサダー・織田裕二が注目するマクローフリンの可能性とは?

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織田裕二 撮影:大崎聡

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開幕までいよいよいあと1か月に迫った8月13日、『東京2025世界陸上競技選手権大会』スペシャルアンバサダーを務める織田裕二さんの取材会が行われた。9月13日(土)に向けての高揚感や現時点での注目選手、日本代表争いをどう見ているのか、またどのような大会になってほしいかなど、全体取材会と個別取材会で発せられた織田さんの言葉をここに紹介したい。

──今日は8月13日、1か月後に開幕を迎えますが、待つ身としてはいかがですか?

「僕は12月13日生まれだが、13日と聞いてドキッとしたのは、誕生日だからではなく、あと1か月。9月13日(金)で開幕する。何百日前から『世界陸上が東京であるよ』とアピールしてきて、『まだ早くない?』と感じていたが、1か月前となるともうドキドキしちゃう。各国の代表も決まってきているので」

──開幕1か月前ということで、機運を盛り上げるために今日もイベントが行われたのですよね?

「はい、TBS前で赤坂サカス前で超人BIG7のアート作品が誕生したので。作者の方と一緒に僕も最後の仕上げに金色の紙吹雪の部分を描かせていただきました」

──織田さんは過去何大会も現地で見らていますが、その国独特、その街独特の雰囲気を感じられていますが、東京でも独特の雰囲気はできそうだと思いますか?

「『できたらいいなぁ』とずっと思っています。ヨーロッパでは本当に陸上が根付いていて、ファンの応援の仕方、楽しみ方が素晴らしい。手拍子とかで選手をうまく乗せる方法を知っています。本当に『慣れているな、チクショー』と思う。イチ観客として見ていて、心地いい。あの感じになるにはまだまだ慣れが必要。どういう見方をすれば陸上は楽しいとか、まだまだ日本に陸上は根付いていないと思う。でもこの『世界陸上』がきっかけになって、多くの人が『陸上を見てみよう』という場になればいいなと思っています」

──現時点での織田さんが注目する選手は誰ですか?

「これを挙げだすと時間がいくらあっても足りないけど、今ぱっと浮かんだのは超人BIG7にも挙げられているアメリカのシドニー・マクローフリン選手。400mハードルの世界記録保持者ですが、今回は400mハードルではない。はじめて400mで出場してきます。400mハードルでダリラ・ムハンマドとのデッドヒートを見て、ウサイン・ボルトじゃないけど、『マクローフリンはちょっと違うな』と思いました。オレゴン大会でも、『100m・400mとかのとんでもない二刀流、三刀流をやってほしいくらいの才能』と話しました。スケジュールの関係で難しいだろうけれど、100m、400m、4×400mリレー、400mハードルの4冠取っちゃうような才能だと思っています。今回は400m一本だと思う。ドミニカ共和国の(マリレイディ・)パウリノ選手がライバルになるかと思うけど、このバチバチは見たいなとワクワクしています。
あと敢えて言うまでもないけど、北口(榛花)選手は日本中みんなが期待していると思う。本人にとって厳しい戦いだと思います。前回の『世界陸上』で初めて金メダルを取って、その後の『パリ五輪』も金メダルを取った。その取り方もすごい劇的で、最終投てきで大逆転した『世界陸上』には今も興奮しているし、『パリはどうなるの?』って見ていたら、あっさり1投目で決めた。何をするのかわからない面白さがあるので、6投ある中すべて見逃せない。勝手にこっちで逆転の北口というイメージをつけちゃったけど、次はどうなるか。でも考えてみると、『世界陸上』で連覇をした選手はあまりいないんです。日本人の彼女が連覇に挑むことは本当にすごいこと。みんなの応援の力で3m、5m飛ばせるようと後押してあげたい。人間的にもチャーミングだし。あの笑顔とか。期待しちゃうでしょ。いや、応援します。金メダルの期待はせず、とにかく応援する」

──今回は織田さんがこれまで見てきた選手も出場してくるし、初めて見る選手も出てきますよね。誰を見たいですか?

「今回何人かいるけど、今ふっと思い浮かぶのは女子選手が多いんですよ。100のシャカリ(・リチャードソン)とか。『この人を見たい』『この人だけを見たい』という選手。サブトラックにいた時から『今あの人はどうしているの?』って気になる選手。勝ち負けではなく、昔で言えばアリソン・フェリックス、今もやっているけど(シファン・)ハッサンとか。この人強そうだからではなく、目を引く選手がいる。ただかわいいとかではなく、見た目がどうこうではなく、何か違うものを感じる人。もっと深堀したいと思わせる人。そういう人が長く続けて、また結果を出している。どの世界でもそうかもしれないが、もしかしたら世の中への不満かもしれないし、承認欲求かもしれないが、そういうエネルギーがうわっと発散している人がいる。
シャカリ・リチャードソンが付き合っている(クリスチャン・)コールマンと、空港でもめている動画を見たが、普通はそんなことをやらないじゃないですか。何があったか知らないけど、エネルギーが余っているというか。そのエネルギーが競技に向いた時、とんでもない力を発揮するんじゃないかと思ってしまう。厳しい時代でそういう選手はともすればすぐに叩かれてしまうが、そういう人が横にいたらつらいけど、テレビで通して見ると只者ではないエネルギーを発しているので楽しい。でも変なことで騒ぎを起こしてほしくないけど、『いろんな国の人がいて、いろんな価値観があるんだ』と僕らはホストとしてうまく受け止めながら、いいところをピックアップできればと思います」

──『東京2025世界陸上』では勝った負けただけではなく、選手たちのストレートなエネルギーも感じていただけたら一層楽しめそうですね。

「勝った負けたも大事ですが、勝てるのは各競技ひとりしかいない。あとみんな敗者です。でも当たり前ですが、おらが村ではダントツの1位。そこでぶっちぎっちゃう人は本当に超人、スーパーマンであり、スーパーウーマン。それを生で東京で見られるのは僕も初めて。34年前はたぶん、僕は『カ~ンチ』とかやっていたのて、まったく余裕がなくて、ドラマに追われていました。
そう考えると、人生でスポーツを楽しむ余裕はそんなにないかもしれない。子どもたちは夏休みが終わってしまったが、土日とか使って、うまく平日でも見てもらって『世界一ってこれだけの速さなんだ』と生で見てほしい。テレビだとなかなか速さが伝わらないことがあるんです。みんな速いから。だけど生で見ると、『100mってこんなに速いの!』『400mの一周を全力で行くのか!』というのをぜひ味わってもらいたい。これを見て『勝てる』と思った子がいたら、とても楽しみ。目の前で世界一がある中で、そう思えれば勝ち。そう信じてやり続ければたどり着けると僕は思います。そういう機会をどんどん与えたい。
昔から思っていましたが、世界へ出た時に言葉が違う、システムが違う、習慣が違うということで、戦う前に負けちゃう選手が結構いると思う。慣れが必要。そういう意味でそういう機会を増やしてあげたいし、なんなら世界一を決める舞台で『世界中の子どもたちを集めてジュニア大会やっちゃえ』みたいな、どんどん慣れさせたい。『ああ国立ね、何度も来ていますよ』という感じになってくれればというのはありますね」

──今回は被災地の子どもたちの観戦招待がありますが、子どもたちには『東京2025世界陸上』から何を感じてほしいですか?

「オレゴン大会が2大会前にあったのですが、男子100mの直前におむつがやっと取れたかなという小さい子どもたちがスタートラインからわぁーって走っていたのです。僕は『えっ、粗相したらどうしよう』って思ったのですが、同時に『やられた。アメリカにやられた』『これはお金の力ではない』『一本取られた』と思った。普通はできないですよ。100mの直前に何をしたとしても怒れないような子どもたちに神聖な場所を走らせるなんて。『あぁいいな』『このアイデア、素敵だな』と思った。あの子どもたちは覚えていないかもしれないけど、中にはひとりふたり、いずれ『僕は私はここでチャンピオンになる』と思った子がいると思う。そういうのを見させられちゃうとね。子どもは夏外で遊ぶのが当たり前だったのが、暑すぎて遊べない。そういう意味では少しでも何かしてあげたい気持ちがありますね」

──大会まであと1か月ですが、スペシャルアンバサダーとしての役割は見えてきましたか?

「だいぶ見えてきた。そして『これは大変だな』と。思った以上かもしれない。お手伝いできればと思っていたのですが、そんな甘いものではなさそうですね。途中で倒れなければいいなという感じ」

──以前おっしゃっていたビールを飲みながら観戦は叶いそうですか?

「隙あらば。そんな日があってもいいと思うのですが、その夢は今大会叶えられるかわからないですね」

──織田さんが注目するサニブラウン・アブデルハキーム選手の出場権も最後までもつれるなど日本代表争いも熾烈です。織田さんは日本人選手たちの出場権争いをどう見ていますか?

「サニね、ドキドキしています。万が一選ばれなかったら、どうするの? それは外国人選手でもこれまでありました。参ったな。みんな期待しているし。サニなんて頭ひとつ抜けているのに、それでも日本代表になれないかもしれないという厳しさ。2年に一度しかない。そのタイミングにきちんとそこに合わせてこないといけない厳しさと難しさ。だって、100mで90年ぶりに決勝へ行った男ですよ。調子が悪いわけでもなく、このタイミングで足の付け根を痛めた。もちろん9月にはコンディションを合わせてくると思いますが、もしかしたら選ばれないかもしれない」

──先ほど、「マクローフリンはちょっと違うな」とおっしゃっていましたが、超一流と一流の違いはどこにあると思いますか?

「見ていてわかりませんか。何かはわからないけど、『これは違うな』という子はいるじゃないですか。選手としての才能だけではないのかもしれないけど、僕はついついドラマを探してしまうのですけど、『この人の人生ってどんな人生だろう』って。
ハッサンなんてわかりやすいですよね。エチオピアから難民としてオランダに行って、元自国の選手とも競技で対戦します。レース序盤は最後尾に付ける彼女の走りのスタイル。絶対に最初に前に行かなくなったのは、いつからなんだろう。もしかしたら『オランダに国籍変えてからなのでは』なんて思っちゃう。前方にいると、足を踏まれるリスクがあるし、彼女は身長が高いのでストライドを生かして走っていくと、後ろ足がどうしても残ってしまうので、接触してしまう危険性がある。それでも最後に抜けるだけの走力とか、何なんだろう。本人に聞いてみないとわからないけど、国籍が変わったこととか政治的背景とか、何かひとつの映画を見ているような瞬間があるんですよ。
マクローフリンもそうなんです。マクローフリンという女の子がこの先どうなっていくのか、わからないけど、気になる。『何だろう、この才能あふれた人は』。だって『この人にはかなわないでしょ』という選手(ダリラ・ムハンマド)がいたのに、その選手を若いうちにあっという間に凌駕してしまう。『もったいないよ』と言い方は失礼かもしれないが、400mハードル以外でも十分通用するんじゃないと思わせるだけの才能。『400もいけるんじゃない』『マイルリレーも選ばれるでしょうし』。でもそれだけではない。100、いきなり飛び過ぎたけど、次は200だろうけど。
200、400に僕の大好きなアイドルがいます。マイケル・ジョンソンというスーパースターがね。彼女にはそれを超える何かをしてほしいと思っちゃう。マイケル・ジョンソンもとんでもない人ですよ。だって、引退レースで世界記録を出してしまうので、『なんで引退なの、意味がわからない』。たまたま同じ年なので、『その美学は何? もったいないな』と思いながらも、辞め時がわからなくて続けて辞め時を失う晩年の選手もいるので、いろいろあるよね。その人にとっては競技人生は人生の一部かもしれない。次の何か、もっと凌駕する何かをやるかもしれない。それに早く次に行かないと間に合わないと本人が思うかもしれない。そんなことを考えさせる人はなかなかいない。アリソン・フェリックスもそう。インタビューに行くと、ひとりでプラッと来て、インタビューが始まる。でもまだ全然世界中の選手を網羅できていないので、いろいろ掘っていって、また気になる選手が出てくるだろうから、僕も本番まで楽しみにしています」

東京2025世界陸上競技選手権大会のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2453080&utm_source=pia&utm_medium=media1&utm_campaign=20250821

公式チケットインフォメーションサイト
https://tokyo25-lp.pia.jp/?utm_source=pia&utm_medium=media1&utm_campaign=20250821

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