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劇団チョコレートケーキ、古川健×日澤雄介のコンビが贈る『Too Young』で、宮崎秋人が見せる新たな顔

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(左から)古川 健、宮崎秋人、日澤雄介 (撮影/石阪大輔)

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ワタナベエンターテインメントDiverse Theater 第2弾『Too Young』が11月13日(木)〜24日(月・祝)、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。さまざまなクリエイター、プロデューサーとのコラボレーションで演劇の新たな可能性を拡げる実験的なプロジェクトであるこのシリーズ、今回は宮崎秋人を主演に迎え、劇団チョコレートケーキの古川健が脚本を、日澤雄介が演出を務めるオリジナルストーリー。今作について古川、日澤、宮崎に話を聞いた。

宮崎秋人の本質がどこにあるかを探りたい

──2022年の『アルキメデスの大戦』で古川さん脚本、日澤さん演出作品に宮崎さんが出演されていますね。宮崎さんに対して古川さんは「演技力と佇まいに目を奪われた」、日澤さんは「もう一度宮崎さんと作品を作ることを夢見ていた」とコメントされていますが、前作での宮崎さんの印象をもう少し聞かせてください。

古川 宮崎さんは稽古の段階からつい目が行く俳優だなと。主人公の恋を見守るシーンで、宮崎さんが身体をいっぱいに使って演じているさまが、うまいのと同時に愛くるしくて。この人は愛される役者さんだなと感じたのが印象深いです。

日澤 戦中の海軍の話で男ふたりがメインで、硬派なテイストの作品だったんです。その中で鈴木拡樹さん演じる主人公と、彼をサポートする役の宮崎さんとのふっと息をつけるような関係性を作りたかった。そのためには、宮崎さんに頑張ってもらう必要があったんですが、宮崎さん、毎日稽古場に来るのが早くて(笑)。おかげで日々、稽古前に相談してすごく助けてもらったし、作品にスパイスを加えてもらいました。

宮崎 僕も台本に書かれているものの“隙間”を日澤さんと話しながら作っていった記憶が強いです。それまで、重厚な作品を作っている方たちなので気難しい方たちなのかなと身構えていたんですが、いい意味で裏切られました。いつも楽しそうにしているし、僕のやることを受け止めてくれる。この人たちの前なら恥をかける、と思いました。

──劇団チョコレートケーキでは、第二次世界大戦をはじめとして、歴史上の出来事を題材として扱うことが多いですが、今作は現代の新宿・歌舞伎町“トー横”が舞台です。宮崎さん演じる興信所の調査員・本郷がトー横キッズの死の真相を探るという物語だそうですが。

古川 プロデューサーさんたちとの話し合いの中で、トー横という題材に決定しました。ふだんの自分たちの文脈では選ばないものなので、そういうチャレンジができることはありがたいです。せっかく宮崎さんが主人公を演じてくれるので、彼に似合うような、意外性もあるような、いろんな面を見せる役柄にできたらいいな、最終的に前を向くようなキャラクターを作れたらいいなと思って書きました。

日澤 設定が現在の作品自体、外部で演出をさせていただく時でもあまりやらないので、非常に新鮮ですね。ただ、今を切り取っていてもその積み重ねが歴史になっていくと考えると、やること自体は変わりません。今の感覚で、今の人たちの交流に演出としてどう目を向けるか、だと思っています。
前作では宮崎さんに助けられたけれども、その中で宮崎秋人の本質ってどこなんだろう? と、掴みきれていない感覚があったんです。王道なのか、振り切ったところなのか、まだわからない。だからこそ、もう一度ご一緒して、今度は宮崎さんが真ん中にいる作品でがっぷり四つで組みたいと思っていたんです。今回宮崎さんが演じる本郷は芯のある役柄だし、どこにでも行ける人なので、今から楽しみですね。

宮崎 確かにおふたりは歴史もののイメージが強かったですが、それがやりたいなら僕が劇団チョコレートケーキに身体ひとつで参加させていただければいいわけで。あえて現代劇をやるというのは、未知数の部分がたくさんあるこのプロジェクトならではだと思います。
何より僕、現代の日本人の役を演じること自体がもうかなり久しぶりで。今の等身大の35歳の身体と感覚をそのまま演劇で使えるのは自分にとって珍しいことなので、それがすごく楽しみです。それと、作品の真ん中、軸になって、その役が何を背負って生きてきたかを見せる役の経験も少ないので、本郷という役を演じた時、自分の中からどんなものが出てくるかに期待しつつ、古川さん日澤さんが導いたり引き出したりしてくださるのに委ねたいなと思います。

稽古場で自分のために時間と労力を惜しみなく使って

──綱啓永さん、朝海ひかるさんといった共演者について、どんなところが楽しみですか?

宮崎 朝海さんとご一緒できるのは嬉しいですし、もう胸をお借りしますという気持ちです。綱とは、事務所に入ってきてすぐくらいに出会ったんです。でも、共演は今回が初めて。まだお芝居の経験もなくて、演技のレッスンが終わった後に「俳優辞めたくなった」と言っていたらしいと聞いて、「そんなこと言わずに続けてほしいな」と思っていて。そんな彼と時を経て一緒に舞台に立てるのは感慨深いです。

──先ほど宮崎さんは「恥をかける」とおっしゃいましたが、芸歴も重ねてたくさんの舞台経験がある宮崎さんにも「恥ずかしい」という感覚があるものですか?

宮崎 僕、「そつなくやれるタイプ」と思われがちなんです。実際、脚本も自分なりに解釈できるし、稽古を止めないくらいの表現をして、及第点も出せる。だからこそ、演出家に質問とかをして自分のために稽古場の時間を使うことに苦手意識を感じてしまうんです。

──それは、ある程度キャリアを積んだからこその感覚なんでしょうか?

宮崎 実は僕、デビュー作からずっとそういうタイプでした。

──そんな宮崎さんが今、脚本家と演出家の前で恥をかこうとしている。

宮崎 今回はおふたりに甘えて、臆せず自分の役のために時間と労力をかけていいのかな、と思っています。そうやって、自分が何を苦手としているのかを知りたい。

日澤 古川くんの脚本って、わかりやすいようでいて、書かれたまま演じてしまうと薄くなってしまうんですよ。そこを立体化しようとすると、役者さんにかかる負荷は強いんです。宮崎さんの言葉を借りるとすれば「及第点」を出そうとすると見過ごしてしまうものがあるはず。だから、今回はいいトライができるんじゃないかと思います。

──最後に、読者の方にメッセージを。

古川 今回、現代日本を象徴する舞台を選んではいますが、人間一人ひとりがいかに尊いのかというメッセージを、これまでとは少し違う文脈で描いた物語です。ぜひ目撃しにきていただけたらと思います。

日澤 軸になっているのは登場人物たちの人間関係と、それを取り巻く環境です。その中で誰もが感じたことのある感覚を稽古場で探していきたい。あとはもう、俳優さんたちを観に来てください。いつもですけど、「今回は最高の舞台になりますよ」と思っています。

宮崎 脚本を読んで、古川さんの一貫したメッセージが込められた作品だなと思いました。紀伊國屋ホールを出たら、作品と地続きの世界が広がっているんですよ。そんな体験はなかなかできることではないと思うので、この作品を五感で感じに来ていただけたらうれしいです。

取材・文/釣木文恵
撮影/石阪大輔

<公演情報>
ワタナベエンターテインメントDiverse Theater 第2弾『Too Young』

日程:2025年11月13日(木)〜24日(月・祝)
会場:紀伊國屋ホール

[脚本] 古川 健(劇団チョコレートケーキ)
[演出] 日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
[出演] 宮崎秋人
綱 啓永 伊礼姫奈 岡島遼太郎 大石愛陽
玉置孝匡 朝海ひかる

〈STORY〉
若者たちがたむろし“界隈”を形成している新宿・歌舞伎町の一角、トー横。ある時、トー横キッズのひとりだった少女が雑居ビルの屋上から飛び降りる。だが、その死はすぐに過去の出来事に……。だが、しがない興信所の調査員、本郷(宮崎秋人)のもとに奇妙な依頼が飛び込んでくる。それは、「娘の生きた痕跡を辿って欲しい」という、死んだ少女の母親(朝海ひかる)からの要望だった。戸惑いながらもトー横を訪れる本郷。調査の途上、その“界隈”の顔役・ジャック(綱啓永)と関りを持つように。「死んだ少女が、いまだ歌舞伎町にいる」というおかしな噂……。本郷は調査を通し、トー横に居座る人間の心の内側に深く潜り込んでいくことになる。

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/tooyoung/

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