柄本佑×渡辺謙が初共演! 直木賞・山本周五郎賞ダブル受賞作『木挽町のあだ討ち』映画化決定
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映画『木挽町のあだ討ち』ティザービジュアル (C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会
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すべて見る2023年に第169回直木賞、そして第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子による小説『木挽町のあだ討ち』の映画化が決定。2026年2月27日(金)に公開される。
原作は、江戸の芝居町で語り草となった大事件をめぐる物語で、「時代考証の確かさ」と「登場人物たちのリアルな感情描写」が各方面から高く評価され、江戸の世界へと導かれるような見事なストーリー展開で多くの読者の心を震わせた。さらに、芝居小屋を舞台にした人情作品でありながら、その巧妙な展開構成が称賛され、「このミステリーがすごい! 2024年版」や「ミステリが読みたい! 2024年版」など、数多くのミステリー賞にもランクイン。2025年には歌舞伎の舞台化も実現し好評を博した。
満を持しての映画化となる今回、主演を務めるのは、『きみの鳥はうたえる』で第73回毎日映画コンクール男優主演賞、第92回キネマ旬報ベスト・テンでは他2作品とともに主演男優賞を受賞するなど数々の映画賞を受賞した柄本佑。2024年に放送されたNHK大河ドラマ『光る君へ』での記憶も新しい柄本は、仇討ちに隠された真実に迫る田舎侍・加瀬総一郎を演じる。
共演には、『ラスト サムライ』で第76回アカデミー賞助演男優賞他、数々の賞レースにノミネートされると共に、第30回・第33回日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞している渡辺謙。総一郎が訪れる芝居小屋「森田座」の中心人物であり、仇討ちを成し遂げたその裏で密かに謀略を巡らせていた黒幕の立作者・篠田金治を演じ、柄本と初共演を果たす。
監督・脚本は、『グレースの履歴』で第42回向田邦子賞をはじめ数々のドラマ賞を受賞し、『スローな武士にしてくれ〜京都撮影所ラプソディー〜』や『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』など画期的な時代劇ドラマで高い評価を得ている源孝志が務める。
併せて、2種類のティザービジュアルが公開された。3分割されたビジュアルには、総一郎と金治の姿が描かれ、そのふたりの間には、鮮やかな赤色の着物を纏い、雪道を歩く女性の姿が目を引く。もう一方のビジュアルは、一面に積もった雪の中、事件現場を彷彿とさせる赤い花弁を前に考え込むような総一郎の姿と、その傍に意味深げに落ちている赤い和傘が印象的なデザインとなっている。

■加瀬総一郎役:柄本佑 コメント
何を隠そううちの父は木挽町の生まれでして、今作の小説が出たときに「これは読まなければ」と、あまり本を読まない僕が珍しく買って読んでた小説なわけなのですが、まさか自分にお話が来ようとは思いもしませんでした。
源監督は出演数の1番多い監督。
スタッフも勝手知ったる旧知の仲間。
皆さんとのお仕事はいつも楽しいばかり。
加えて京都太秦撮影所でのがっつり撮影ですから、隅から隅まで俺得でしかない現場でした。
原作を読んだことのある方は「あれ、どうやって映画にするのん??」と思われるかもですがご安心を。
流石源監督。ホンを読んで「そうきたかぁ」と唸りました。
ぜひお楽しみにしていただけたら、これ幸い。
■篠田金治役:渡辺謙 コメント
原作を読んだとき、この作品映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされたとき、ふたつ返事でした。
脚本はミステリーと群像劇の要素が入り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました。
■原作者:永井紗耶子 コメント
この作品は、読者の皆様を江戸の芝居小屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居小屋のセットに入ったとき、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました。監督、スタッフのみなさんのパワーと、役者さんたちの熱演によって、新しい角度から表現される『木挽町のあだ討ち』。ぜひ多くの方に、楽しんでいただきたいと思っています。
■監督:源孝志 コメント
直木賞を受賞して間もない『木挽町のあだ討ち』を映画化したい、監督してもらえないか?というオファーを受けたのは、『赤坂大歌舞伎』『中村仲蔵』など、江戸歌舞伎の世界を舞台とした作品が続いていた時期だった。正直、私的には歌舞伎ものはお腹いっぱいで、半ば断ろうと思っていた。
思っていたのだが……渡された原作を、ついつい一晩で読んでしまった。
生き場所を失って芝居小屋に流れ着いた江戸の演劇人たち。彼らの細やかな悲しみが丁寧に織り込まれたエピソードが、重層的にストーリーを動かし、次第に仇討へと収斂されていく展開が見事だった。
脚本をどう書くべきか? と悩んでいた頃、別作品のミーティングでたまたま会った渡辺謙さんが、
「『木挽町のあだ討ち』読んだ? あれ、面白いよね。映画にならないかなぁ」
と私に言った。私はシレッと聞き返した。
「謙さんなら、どの役がやりたいですか?」
「そりゃ〇〇○でしょう?」
「いや、△△の方がいいと思いますよ」
「何それ? 源さんが撮るの?」
「いやいやいや……」
キナ臭い役者と監督の会話である。
この作品を映画化するにあたって、ひとつ難度の高い問題があった。
私に監督を依頼したプロデューサーは、この人情溢れる物語を、サスペンスタッチのエンターテイメントに仕立て上げてほしいという。無茶な話である。
この無茶振りに対する打開策を数日ぐるぐると悩み、やがて唐突に「解」を得た。
ダラっと家で見ていた『刑事コロンボ』の再放送が、その「解」をもたらしてくれた。
コロンボの如く、ニュルっと仇討ちに隠された謎に切り込んでいくのは、原作では一言も喋らない男。
すぐに、柄本佑のニュルっとした笑顔が思い浮かんだ。
その前に立ちはだかるのは、渡辺謙率いる、クセ強めの“森田座アヴェンジャーズ”。彼らが守ろうとしたものはいったい何なのか? 役者の顔が見えてきたら、脚本は一気呵成に書き終えた。まだ完成前だが、原作を読んだ読まないにかかわらず、最後まで疾走感を感じるエンタテインメントになっていると思う。
■プロデューサー:須藤泰司 コメント
クリスティの『オリエント急行殺⼈事件』を江戸の町に置き換えたような上質のミステリー、粋で痛快なストーリー。そして歌舞伎の華やかさ。そんな原作小説の持つ魅力をさらに膨らませ、極上のエンタメ作品が誕生しました! 柄本佑を筆頭に、全員クセ者、訳あり男女。締めるは大ボス渡辺謙。誰がホントか嘘なのか? 時代劇が再び脚光を浴びる中、東映京都の職人たちが咲かせた「あだ討ち」の花、とくとご覧あれ!!
<作品情報>
『木挽町のあだ討ち』
2026年2月27日(金)公開
公式サイト:
https://kobikicho-movie.jp
(C)2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会
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