アダム・クーパー主演ミュージカル『コーラスライン』新演出版が日本で開幕 囲み取材コメント&舞台写真が到着
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左から)ニコライ・フォスター、アダム・クーパー (撮影:樋口隆宏)
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すべて見るミュージカル『コーラスライン』日本プレミア公演が、2025年9月8日に東京・東京建物Brillia HALLで開幕。初日公演に先駆けて行われた囲み取材より、演出家ザック役のアダム・クーパーと新演出版の演出を手がけるニコライ・フォスターのコメント、舞台写真、フォトセッション写真が到着した。
1975年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで幕を開けたミュージカル『コーラスライン』は、伝説的なダンサーであり振付家のマイケル・ベネットにより生み出された。オーディションを受けに来た男女が舞台上で歌と踊りによって自身の人生を語り、表現していく物語は、大ヒットを記録しその後ブロードウェイへと進出。15年間のロングランを続け、トニー賞9部門、ピューリッツアー賞演劇賞なども受賞して現在も語り継がれるミュージカルの金字塔となった。
1975年の初演以来、オリジナルの演出と振付で上演され続けた『コーラスライン』は、2021年に奇跡的に新演出と振付の許可がおり、新たに演出のフォスター、振付のエレン・ケーンが、ベネットの精神を受け継ぎつつ、ドラマを深く掘り下げた新バージョンが誕生した。
このバージョンでこれまでと異なるのは、演出家・ザックとオーディションを受けているダンサーたちとの距離感である。イギリス、レスターのThe Curveで幕を開けたこのバージョンは、演出家・ザック役をダンサーでもあり、日本でも人気のクーパーが務め、2024年ロンドン、サドラーズ・ウェールズ劇場をはじめイギリス都市でツアーを行うなど注目を集めた。
囲み取材に出席したクーパーは、「『コーラスライン』の新演出版の話を聞いた時はすごくワクワクしました。もともとよく知っている作品でしたが、オリジナル版のリバイバル公演を2013年にロンドンで拝見して、時代を超えて変わらず面白味を感じる作品である一方で、やはり時代性という意味では少し遅れを取っていて、せっかくの作品の良さが伝わりきっていない部分があると思いました」とコメント。

また「いい作品、例えばシェイクスピアなんかもいろいろな解釈をされていますよね。ならば素敵なミュージカル作品だってどんどん新しく解釈されていくべきだと感じていたので、ニコライ(・フォスター)が新しいバージョンの演出をする、そして演出だけでなく振付や音楽アレンジも変えると聞いてとても素敵だと思いました」と新演出版に対する期待を明かした。
フォスターとの共同作業については、「色々な場所で何度も“ニコライさんという若くて素敵な演出家がいる”という噂を聞いていて、もしオファーが来たらぜひご一緒したいと前から考えていましたが、今回ご一緒してみたら想像以上に素晴らしい演出家でした。彼は演出家として優れているだけではなく、すごく安心できる場所を役者に提供してくれます」と高く評価した。


一方、新演出版を手がけるフォスターは「今までは、偉大なマイケル・ベネットのオリジナルな演出に基づいたプロダクションしかなかったですが、アダム・クーパーと共に白紙の状態からこの作品を新たに作り直すというチャンスをいただいてとても恵まれた立場にいます。演出・振付・照明・デザイン……あらゆるところから新しく解釈する機会をいただきました」とコメントした。
新演出版の創作過程では「今回は21世紀のレンズを通して作品を見るということに着目し、偉大な振付家のエレン・ケーンに助けていただきながら、作品の中に見られるテーマのセクシャリティや、演出家と役者の関係性が現代の演劇界の中でどう生きるかということを、今のお客様にどのように伝えていくかを大事にしながら作っていきました」と現代的な視点での再解釈に取り組んだ様子を明かした。

フォスターはクーパーについて「偉大な俳優というだけでなく、美しい人間性を持った方です。自分自身のことをよくわかっていらっしゃり、とても誠実で創造力にあふれています。今回コラボレーションできたことは本当に光栄です」と称賛。「アダムは日本でも大スターですが、僕もマシュー・ボーンの作品や『ビリー・エリオット』で拝見してから憧れの存在だったので、宝物のような体験になりました」と協働の喜びをコメントした。
最後にフォスターは「僕は今回日本に初めて来たのですが、日本の文化に触れてこの国に作品を持って来られたことを本当に幸せに思います。『コーラスライン』は、美しさ、知性、人間らしさを描いた作品です。この作品を通して、素晴らしい喜び、魔法、そして人生を変える体験をしていただければと思います」と日本の観客へのメッセージを伝えた。

ミュージカル『コーラスライン』は、2025年9月22日(月) まで同所で上演後、9月27日(土)・28日(日) に宮城・仙台サンプラザホール、10月2日(木) から6日(月) に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、10月10日(金) から19日(日) に東京・シアターHで上演される。
■演出家ザック役:アダム・クーパー コメント全文
『コーラスライン』の新演出版の話を聞いた時はすごくワクワクしました。もともとよく知っている作品でしたが、オリジナル版のリバイバル公演を2013年にロンドンで拝見して、時代を超えて変わらず面白味を感じる作品である一方で、やはり時代性という意味では少し遅れを取っていて、せっかくの作品の良さが伝わりきっていない部分があると思いました。いい作品、例えばシェイクスピアなんかもいろいろな解釈をされていますよね。ならば素敵なミュージカル作品だってどんどん新しく解釈されていくべきだと感じていたので、ニコライ(・フォスター)が新しいバージョンの演出をする、そして演出だけでなく振付や音楽アレンジも変えると聞いてとても素敵だと思いました。
色々な場所で何度も「ニコライさんという若くて素敵な演出家がいる」という噂を聞いていて、もしオファーが来たらぜひご一緒したいと前から考えていましたが、今回ご一緒してみたら想像以上に素晴らしい演出家でした。
彼は演出家として優れているだけではなく、すごく安心できる場所を役者に提供してくれます。コラボレーション精神にあふれていて、すごく謙虚な方です。ニコライはすごく変化に対して寛容で我々のアイデアやたくさんの変化を受け入れてくれます。本来舞台上に姿を見せないザックを舞台上に残すというアイデアも稽古の中でふたりで一緒に探らせてもらいました。イギリスで、もしかしたら世界で今一番忙しい演出家といっても過言ではないと思いますが、既存の作品に新しい命を与えるというすごいビジョンを持った素晴らしい演出家です。役者として素敵な経験をさせていただきました。今後もぜひたくさんご一緒させていただきたいと思います。
僕自身、舞台の上で素晴らしい才能を目の当たりにする喜びを毎日感じているので、公演を観た日本のお客様にもとても素敵な体験をしていただけると思います。ぜひこの素晴らしい作品を楽しんでいただきたいです。
■新演出版 演出:ニコライ・フォスター コメント全文
(1975年の初演から50年の時を経て特別な許可がおりての新演出について)
今までは、偉大なマイケル・ベネットのオリジナルな演出に基づいたプロダクションしかなかったですが、アダム・クーパーと共に白紙の状態からこの作品を新たに作り直すというチャンスをいただいてとても恵まれた立場にいます。
演出・振付・照明・デザイン……あらゆるところから新しく解釈する機会をいただきました。
今回は21世紀のレンズを通して作品を見るということに着目し、偉大な振付家のエレン・ケーンに助けていただきながら、作品の中に見られるテーマのセクシャリティや、演出家と役者の関係性が現代の演劇界の中でどう生きるかということを、今のお客様にどのように伝えていくかを大事にしながら作っていきました。
元々優れた作品なので、それに見合う新しい演出、新しい振付を提供できるのかという不安はありました。個人的にマイケル・ベネットに対する大きなリスペクトがあるのと、この作品を作るにあたり彼の歴史を振り返ってみて、いちダンサーから歴代の中で最も偉大と言っても過言ではないブロードウェイの演出、振付家となった彼の偉大さに追いつけるかどうかというのが1番の難題でした。
アダム・クーパーさんは偉大な俳優というだけでなく、美しい人間性を持った方です。
自分自身のことをよくわかっていらっしゃり、とても誠実で創造力に溢れています。
今回コラボレーションできたことは本当に光栄です。
アダムは日本でも大スターですが、僕もマシュー・ボーンの作品や『ビリー・エリオット』で拝見してから憧れの存在だったので、宝物のような体験になりました。
彼自身のプロフェッショナルな経験とコラボレーションに対してもオープンな性格、そして力強いリーダーシップを発揮してくださり作品を前に進めるために欠かせない役割を担ってくれています。
僕は今回日本に初めて来たのですが、日本の文化に触れてこの国に作品を持って来られたことを本当に幸せに思います。
『コーラスライン』は、美しさ、知性、人間らしさを描いた作品です。
この作品を通して、素晴らしい喜び、魔法、そして人生を変える体験をしていただければと思います。
アダムだけでなく他にも素晴らしいアーティストが揃っているので是非皆さん楽しんでいただければと思います。
撮影:樋口隆宏
<公演情報>
ミュージカル『コーラスライン』
原案・振付・演出:マイケル・ベネット
台本:ジェームズ・カークウッド ニコラス・ダンテ
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ
演出:ニコライ・フォスター
振付:エレン・ケーン
出演:
アダム・クーパー ホリー・ジェームズ ジョカスタ・アルムギル ベラ・ボールドック
リディア・バニスター ビリー・ケイ チャーリー・ビショップ リディア・ブラッド
オリビア・フォスター・ブラウン ブリアナ・クレイグ マリア・クロフォード ブラッドリー・デラロスベル
アーチー・デュラント レミ・フェルディナンド 小林美亜 ジョシュア・レイ
ジョシュア・リア グレゴール・マッキャン 中野加奈子 マニュエル・パシフィック
アシュリー・ジョーダン・パッカー レイチェル・ジェイン・ピカー ネイサン・リッグ トビー・セドン
エイミー・ソーントン ルーカス・アンジェロ・ワード ホリー・ウィロック ルイ・ウッド
【日本プレミア公演】
日程:2025年9月8日(月)〜9月22日(月)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【宮城(仙台)公演】
日程:2025年9月27日(土)・9月28日(日)
会場:仙台サンプラザホール
【大阪公演】
日程:2025年10月2日(木)~10月6日(月)
会場:梅田芸術劇場 メインホール
【東京凱旋公演】
日程:2025年10月10日(金)〜10月19日(日)
会場:シアターH
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/acl/
公式サイト:
https://tspnet.co.jp/acl/
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