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桑原裕子が書き下ろし! 人間の不完全さと愛の歪みを描く、劇団俳優座『霧ぬけて』

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劇団俳優座『霧抜けて』チラシ

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2025年9月19日(金)〜30日(火)、俳優座スタジオで劇団俳優座『霧抜けて』が上演される。

2023年にスタートした俳優座創立80周年記念事業の一環として上演される今作。KAKUTA主宰で活躍の場を広げ続けている桑原裕子を作・演出に迎える。

「未来へつなげる 人間の可能性を考える」というテーマに基づいて桑原が今回のために書き下ろしたのは、かつて児童養護施設で育ったふたりの女性の物語だ。その養護施設は時代の流れに伴い、高齢者施設に変わろうとしている。そこに家庭内暴力から逃れ救いの場を求める女性がやってきて、自らが必要とされる場を求める女性と再会して物語が始まる。「人間として欠乏している愛情とそのすれ違い、現代を生きる人たちの不完全な心の有り様を映し出」すこの作品で、桑原と俳優座の面々は愛情によって生まれる感情が歪みや支配へと変貌する側面に焦点を当てるという。

『霧ぬけて』稽古風景
『霧ぬけて』稽古風景

タイトルの『霧ぬけて』は「霧に包まれたような状態から抜け出して光を見出す」意味と、「危機的な状況を切り破って逃れる=切り抜ける」のふたつの意味がかかっている。児童養護施設で育ったふたりは、おそらく愛情が欠けた状態で過ごし、その時代を切り抜けて生きてきたのだろう。けれども、大人になっても簡単に霧を抜けることはできないのかもしれない。今作ではふたりをはじめ、登場人物が皆心に欠けたものを抱えながら出会い、交わるという。それぞれの思いや葛藤はおそらく観る人の抱えたものと重なっていくことだろう。

アフタートークには児童養護施設に長年関わってきた方や、ハラスメントの相談や対応にあたる専門家を迎える。一筋縄ではいかない、重いテーマを取り扱いつつも、どこか軽やかさとユーモアをたたえた筆致が持ち味の桑原。彼女の作品が俳優座の面々と重なり合うことでどのような舞台が立ち上がるのか、楽しみにしたい。

劇団俳優座『霧ぬけて』PV


<公演情報>
劇団俳優座『霧ぬけて』

作・演出:桑原裕子

出演:
川口啓史、美苗、森一、斉藤深雪、渡辺聡、若井なおみ
荒木真有美、田中孝宗、藤田一真、増田あかね、小島颯太

2025年9月19日(金)~30日(火)
会場:東京・俳優座スタジオ

公式サイト:
https://haiyuza.net/