Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ADDA交響楽団が今秋、初来日。マルティン・ガルシア・ガルシアと共演

ADDA交響楽団が今秋、初来日。マルティン・ガルシア・ガルシアと共演

クラシック

ニュース

チケットぴあ

続きを読む

フォトギャラリー(4件)

すべて見る

新しいオーケストラが誕生したり、名門楽団の若返りが進むなど、世界各地でクラシック界の活性化が進む中、スペインの伸び盛りのオーケストラ・ADDA交響楽団(以下ADDA)が、今秋、初来日する。

「スペインの主要オーケストラでは、過去約10年間で世代交代が起こって、ときには新しい音楽家がメンバーの半分以上を占めていたりしてますね」

そう語るのは、同国の俊英で「ショパン国際ピアノコンクール」第3位のマルティン・ガルシア・ガルシア(以下ガルシア)。東京(11月6日)と大阪(8日)で、ADDAとショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を演奏する。

「メンバーはほとんど若い音楽家で、一緒に素晴らしい音楽を創り上げようという意志を持ってます。僕とともに日本を訪れる首席指揮者のジョセップ・ビセントさんの指揮を通して聴けますよ。彼は音楽に対して常に一貫した規律、敬意、そして情熱を持って臨んでいて、録音物も非常に多岐にわたっています」

このエネルギッシュな指揮者のビセントが、2018年にADDAを設立。交響曲やオペラはもとより、ジャズ、ポップス、タンゴなど、レパートリーは幅広く、味わい深い演奏で注目されている。世界的な指揮者や演奏家との共演も多い。ステージをライティングして演出するなど、新しい取り組みも見て取れる。

「彼との初共演は、スロバキアの首都・ブラチスラヴァで、その印象は初対面で確固たるものとなりました。ファリャの名曲『スペインの庭の夜』の演奏を通じて、僕たちは必然的なつながりを感じた。それほど素晴らしい時間を一緒に過ごしたので、以来、再会を心待ちにしていたのです」

楽団のホームタウンはスペイン東南の地中海沿いの街、アリカンテ。拠点のコンサートホールはADDAオーディトリアムだ。

「日本ツアーの前に、このオーディトリアムで彼と再び共演する予定です。ADDAとは初共演となります。とても楽しみです」

© Bruno Fidrych

そして来日。公演の演目は、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」である。

「協奏曲のレパートリーはとても幅広いですが、この協奏曲と第1番は、特別な理由がなくても自然と選ばれる存在です。私の場合は特にそうで、ショパン・コンクールでの演奏といえば、多くの人が覚えているのはやはり最後のラウンド――協奏曲なんですね。

ショパンの初期の作品にあるアイデアの明快さや軽やかさ、そしてきらめくようなスタイルは、世界中の聴衆にとって大きな魅力であり、とりわけ協奏曲はその魅力が一番伝わる作品だと思います。演奏する上で大切なのは、室内楽のように仲間と一緒に音楽を作る意識を持つことです。ADDAシンフォニカとなら、自然に一体感のある演奏ができて、お客様にも楽しんでいただけるはずです」

一方、ADDAのメインプログラムは、ラヴェル(1875~1937)生誕150年にちなんで「ボレロ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」など。ラヴェルの母はフランス領バスク出身で、マドリッド暮らしをしていたスペイン通だったそうだ。ラヴェルはパリ育ちだが、生まれは母の故郷で、バカンスによく訪れていたと聞く。若いスペインの楽団が、どのように表現するのか、楽しみである。

「今日のオーケストラは、前世紀のような独自の個性を保っていません。どの楽団も非常に国際的なメンバー構成であることや、指揮者がひんぱんに交代するからだと思います。例外は、まれですね。2年前に一緒に演奏したのに、新しいメンバーだらけで、とても同じオーケストラだとは思えないこともあるほど。長期にわたって楽団経験を積むか、指揮者が自身のビジョンに沿って楽団を形作るのに十分な時間があれば、小さな違いに気付くことができるでしょう」

各オーケストラの響きは、数年後には完成するだろうと、期待している。

「今、スペインのオーケストラは、レパートリーを見つけようとしていて、個々のメンバーのレベルアップを大いに楽しんでいます。オーケストラが一体となって響き合うのは、数年後、各楽団のメンバー構成が安定し、互いを深く知る時間を持てる頃でしょう。スペインにとって、これは非常に刺激的な瞬間です。ADDAをはじめとする多くの新しい楽団が、驚異的な質の高さから国際的な注目を集めていますよ(笑)」

この分析予想通りになれば、クラシックファンにとっても朗報だ! その日が遠からず来ることを願いつつ、年ごとの変化を来日コンサートでじかに満喫したいものだ。

「日本の皆さんのピアノ音楽への惜しみない愛情に、いつも感謝しています。おひとりおひとりにお礼を申し上げたいです。残念ながらそれは不可能と知りつつも、それが私の願いです…!! スペインのオーケストラも同様に見守ってもらえるとうれしいです」

文:原納暢子

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557676

フォトギャラリー(4件)

すべて見る