塩﨑太智＆加藤大悟が撮影で育んだ信頼「『おはよう！ チュッ！』くらいキスシーンに抵抗がなくなっていました(笑)」

二人が寮生活でルームメイトだったら……？

――お二人は初共演ということですが、お互いの第一印象を教えてください。

加藤　読み合わせなどではなく、撮影車両でしれっと挨拶して始まったから……第一印象は“しれっと”でしたね。

塩﨑　最初に会ったのが、車のなかだったんです。その時に、「ドン・キホーテある！」「丸亀製麺ある！」ってはしゃいでいたので、「旅行好きなのかな？」と思いました。

加藤　だって！　全部楽しんでいかないと！

塩﨑　物凄く明るい方だなと思いました。

――撮影を通して印象の変化はありましたか？

塩﨑　変わらず明るかったです。僕は、M!LKのメンバーといる時はふざけるタイプなんですけど、それとはまた違って、根っからの明るさというか。「暗くなる時あるんですか？」って聞きたくなるくらいに明るいです！

加藤　同い年で波長も合うから、話していても楽しかったです。太智くんもすごく明るい方なので、タクミの役とはギャップがあるなと思いました。

――どのような感じで2人の仲を深められたんですか？

加藤　やっぱり、同い年なことが大きかったよね。気軽に「ここの台詞、合わせたいんだけど」とか言えたし。

塩﨑　たしかに！　あと、撮影期間が短かったのが、いい意味で結束させてくれたんだと思います。時間がないからこそ、本読みも「車の移動中に一緒にやろう」とか声をかけ合って。

――撮影の合間は、どのようなお話をされたんですか？

加藤　ずっと本読み（笑）。

塩﨑　本当にね。朝くらいだったよね。「昨日サウナ行ったんだ」とか、プライベートな会話をするのは。

加藤　そうそう。あんまりプライベートな会話ができなかった。

塩﨑　「あっ、サウナ行ったんだ。で、この台詞なんだけど〜」みたいなね。

加藤　まさに、そんな感じ！

――今回は、泊まり込みで撮影されていたんですよね？

加藤　そうですね。

塩﨑　加藤くんは、みんなといろんなところに行ってたよね？　柊太朗とかと。

加藤　うん。メシとかサウナとか。それがないと逆にダメなんだよね。どれだけキツくても、楽しいことがないと無理で。

塩﨑　僕は、睡眠がないとダメなタイプだから……。

加藤　めちゃくちゃ断ってきたもんね（笑）。

塩﨑　それはぁ、今行かなくても東京に帰った時に行けると思ったから！　あと、撮影中は覚えなきゃいけないことがありすぎて、ご飯を食べに行ってる場合じゃなかったんだよ！（笑）

――ドラマの舞台は男子寮ですが、お二人が寮生活でルームメイトだったとしたら……。

加藤　僕はやっていけるんですけど、彼が僕のことを受け入れてくれないと思う（笑）。

塩﨑　だって、加藤くん楽屋のテーブルの上も、いろんなものが散らばってたし（笑）僕、綺麗好きなんです。

加藤　何も言えない……（笑）。

ギイのような強引さでサウナに誘ってました(笑)

――今回、塩﨑さんはBLドラマ初挑戦ということで。どんな意気込みで撮影に臨まれましたか？

塩﨑　M!LKにも、BLドラマの主演をしているメンバーがいるので、相談しようかなと思ったんですけど、やっぱり恥ずかしくて。「どうやってキスした？」とか、メンバーに聞くのってなんか……。

加藤　たしかに、照れくさいな（笑）。

塩﨑　だから、現場で加藤くんにいろいろ相談させてもらいつつ。最初は抵抗があったんですけど、キスシーンを重ねるにつれ、挨拶がわりみたいになってきて。

加藤　全然いいってなってくるよね。「おはよう！　チュッ！」みたいな。

塩﨑　そうそう。何の抵抗もなくなって（笑）。

――タクミを演じる上で、気をつけた部分はありますか？

塩﨑　現場で監督と、「これは心の声にするべきか、それとも発するべきか？」をすごく話し合いました。台本には発するってなっていても、「ここは、秘めておいた方がいいんじゃないか？」とか。足し引きのバランスを気をつけていました。

――実際に演じられて、いかがでしたか？

塩﨑　タクミは内に秘めるタイプなので、僕とはまったく違うんです。僕、普段はうるさいので（笑）。だからこそ、演じていて面白かったです。

――加藤さんは、映画（『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』2023年5月公開）からの続投ということになりますが、今回のギイを演じるにあたって考えたことは？

加藤　前回よりも深くタクミとの関係性が描かれるので、内に秘めた想いを出す時のテンション感だったり、いろいろなバランスを考えるのがむずかしいなと思いました。なので、そのあたりを監督と相談しながら演じました。

――ギイって、完璧な王子様という印象が強いですが、クールなだけのキャラクターではないですもんね。

加藤　そうなんですよ！ すごく嫉妬深かったり、タクミに対して人間らしい感情を持っているので。

――前回演じていた時とは、また違う感覚でしたか？

加藤　もちろん、相手が変わると芝居の空気感が変わるんですけど、幹は同じだなと思います。ギイはすっごい太い幹があるので、今回はそこから枝分かれしていく感じですね。

――加藤さんは、ギイと似ている部分はありますか？

加藤　まったく似てないです！　僕もうるさいので（笑）。あっ、でも強引さはあります！

塩﨑　あるんだ！

加藤　うん。遊びに行くぞ！　と決めたら、絶対に連れて行くし。

塩﨑　たしかに、撮影中も柊太朗くん「行くの……？」って感じだったのに、「行くぞ！」ってサウナに連れて行ってた（笑）。

加藤　あっ、それは良くない強引さだ（笑）。

塩﨑　勉強はどう？

加藤　勉強もできないね。あまり似ている部分はないかも。

ギイのように愛されたらどうですか？

――お二人が、それぞれ演じられた役柄について魅力的だなと思う部分を教えてください。

塩﨑　タクミは、ギイへの好きが爆発しているのに、過去のトラウマがあったりして、行動には移せずにいるんです。でも、そのなかで必死に正解を出していこうとする姿が魅力的でした。恋愛にかぎらず、やりたいことに対して、行動に移せなくて諦めちゃう人ってすごく多いと思うんです。タクミはちゃんと向き合って頑張っているのが素敵だなと思いました。

加藤　ギイは、ハイスペで誰もが憧れる存在なんですけど、実は人間味があるというか……可愛い部分があるのがすごく好きです。ギイって、まわりに「ギイは最強！」って言われ続けているから、「僕はこういうふうにいなきゃいけないんだ」という感情を少しは持っていると思うんです。そんな苦悩を抱えながらも、タクミに対する想いだけは絶対に負けない！　みたいな強さがあるんですよね。そういうところがカッコ良いなと思います。

――塩﨑さんは、ギイみたいに愛されたらどうですか？

塩﨑　実際の恋愛であれだけグイグイ来られたら、面倒くさいなって……（笑）。

加藤　たしかにね（笑）。

塩﨑　あんなに「もうやめて」って言ってんのにさぁ（笑）

加藤　ギイはタクミの50倍好きだからね。

塩﨑　でも、自分も好きだったら嬉しいのかもね。そうやって来てくれることが。

人間関係で大切にしていることは“親しき仲にも礼儀あり”

――では、ファンの皆さんに“絶対に見てほしいシーン”があれば教えてください。

塩﨑　タクミがギイに心を許したあとに窓際でするキスシーンですかね。ずっとギイがグイグイ来ていたのに、あの時だけはタクミからキスをするんです。それが素敵だなと思いました。

加藤　僕は、ベッドの上に座ってタクミの過去について聞くシーンですかね。長尺のシーンだったので大変だったんですけど、いろいろ試しながら撮影することができたので、芝居をしていて楽しかったです。

塩﨑　台本1ページくらいあったもんね。

加藤　そうそう。2人で何度も読み合わせしたよね。

――ハードな撮影を経て、お互いの尊敬する部分は見つかりましたか？

加藤　撮影が終わったあとに、M!LKの「イイじゃん」が大バズりしたんです。「こんなにすごい人と共演できてたんだ……」と誇らしくなりました。

塩﨑　本当に思ってる？（笑）

加藤　思ってるよ！

塩﨑　加藤くんは、僕がキャラが掴めず悩んでいる時とかに「前のタクミはこうしていたよ」とかすかさずアドバイスをくれるので、頼りになるなぁと思いました。尊敬できる部分ばかりでした。

――最後に、お二人がギイとタクミのように幸せな人間関係を築くために大切にしていることを教えてください。

塩﨑　“親しき仲にも礼儀あり”という言葉をすごく大事にしています。身近なところだと、M!LKのメンバーとか。もちろん仲が良いんですけど、人によって超えてほしくないラインってそれぞれじゃないですか。なので、「ここは、超えたらあかん」と思うラインは絶対に超えないようにしています。

加藤　僕は、基本的に「自分が我慢すれば大丈夫」と思ってしまうタイプなんですけど……たしかに“親しき仲にも礼儀あり”って大事だよなぁ。これからも忘れずにいきたいと思います！

撮影／キムアルム、取材／藤坂美樹、構成／菜本かな
ヘアメイク／塩﨑さん：奥田真莉　加藤さん：伊東真美

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＜作品情報＞
『タクミくんシリーズ －Drama－』

BSフジ：2025年9月21日(日)24時～（毎週各1話放送）
FOD：2025年9月21日(日)24時～（毎週各1話配信）
※TVer配信あり

製作：「タクミくんシリーズ」製作委員会
（カルチュア・エンタテインメント ポニーキャニオン ビデオプランニング ビーエスフジ）

公式サイト：
https://www.culture-pub.jp/takumi-drama/

(C)2025 ごとうしのぶ／KADOKAWA・「タクミくんシリーズ」製作委員会