最新作『港のひかり』がまもなく公開 プロデューサーが明かす「藤井道人監督の“責任感”は圧倒的」
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(C)2025「港のひかり」製作委員会
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すべて見る藤井道人監督とキャメラマン・木村大作が初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本で描く映画『港のひかり』が、11月14日(金)より公開される。
本作では、元ヤクザの“おじさん”と両親を事故で失い視力を失った少年・幸太との、年の差を超えた十数年の友情を描く。主人公の元ヤクザを演じるのは7年ぶりの単独主演作となる舘ひろし。盲目の少年・幸太を歌舞伎界の新星として注目を集める尾上眞秀、成長した青年・幸太を眞栄田郷敦がそれぞれ演じる。
藤井監督は『余命10年』や日台合作の『青春18×2 君へと続く道』では、男女の繊細な思いを紡いだ物語で若年層を中心に大きな話題を呼んだ。一方、『ヤクザと家族 The Family』では現代任侠の生きづらさや人間味を鋭く描き出し、型にはまらない作風で幅広い年齢層から支持を集めている。昨年公開された『正体』では第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞し、あらためてその実力を世に知らしめた。
本作の企画について、製作・配給会社スターサンズのプロデューサーは「“藤井監督ともう一度やりたい。”そう言ってくださった舘さんに、スターサンズの創業者である故・河村光庸の最期に残した本作のプロットだけを頼りに、藤井監督が舘さんや河村のことを想いこの作品を完成させました」と経緯を振り返る。本作は2022年に逝去した故・河村光庸プロデューサーが遺した最後の企画となったが、「河村は監督や僕たちに、“あとはお前らで何とかしろ”といわんばかりの究極の丸投げ状態となりましたが、そこから僕たちは“自らを犠牲にしながらも次の世代に未来を託す”という【自己犠牲】というテーマを見出しました」とコメントし、そうした状況からもヒントを得たことを明かしている。
また藤井監督については、「自身で納得、説明できないこと、責任を負えないことは作品として世の中に提供しないスタンスの監督です」とその素顔を証言。「すべての作品作りをされている方々は皆さんそうだと思います。だた、それを公言し、実行をし続ける忍耐力とクリエイティブに対しての責任感は圧倒的」と力説する。
「プロデューサーとしては、藤井組で製作ができれば、ある種の品質保証が前提として提供できるという安心感があるのが藤井組だと思います」と厚い信頼をにじませながら、今や日本映画界を代表する監督のひとりとなった藤井監督が手がける作品の魅力を分析する。「その品質保証を良い意味で裏切らねばという使命感を藤井組は同時に持ち合わせています。無茶はしない。ですが、多少無理だとしても、それが限界を超えて見える新しい世界のため、極限まで思考をくり返して生み出される数々の作品群には新しい挑戦がいつも含まれています。そこが最大の魅力だと思います」とコメントしている。
さらにプロデューサーが本作のキーパーソンとして名前を挙げたのが、キャメラマンを務めた木村だ。黒澤明監督の『用心棒』『隠し砦の三悪人』などで撮影助手を務め、キャメラマンとして独立後は『鉄道員』など日本を代表する名作を手がけてきた巨匠が、本作では半世紀分ほども年下の監督と手を組むという前代未聞の試みとなった。
「僕たちの倍以上の人生を生きている中、制作スタイルをはじめ、異色どころか異文化、異世界、異次元の共同作業だったのだと思います。世代で異なる価値観、常識、文化、感情がぶつかり合いながら、魂の摩耗を経て製作して完成した作品そのもの。それこそが今の時代にとって、“新しい”提案なのだと確信しています」と回顧している。
<作品情報>
『港のひかり』
11月14日(金)公開
公式サイト:
https://minato-no-hikari.com/
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