『Aqua Timez×TOMOO』ツーマンライブ開催「ここに立てているんだという気持ちをまっすぐ持って、ステージに立てたらいい」(TOMOO)
音楽
インタビュー

TOMOO Photo:石原敦志
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Text:吉羽さおり Photo:石原敦志
MTVによる対バンライブイベント『Cross-stage』が、10月20日(月) 東京・豊洲PITで開催される。第1回となる今回の組み合わせは、デビュー20周年を迎え期間限定で再結成中のAqua Timezと、今年初の武道館公演を成功させ、さまざまなミュージシャン/クリエイターからも支持を得るシンガー・ソングライターのTOMOO。
世代を超えた組み合わせとなるが、じつはTOMOOは以前よりAqua Timezへのリスペクトを公言しており、再結成期間での対バンはまたとない機会でもある。想いのこもった熱いライブとなるのは間違いない。今回、ライブを目前に控えたこのTOMOOインタビューでは、Aqua Timezへの想いやその影響について、ライブに臨む心境や、11月12日(水)にリリースする2ndアルバム『DEAR MYSTERIES』について話を聞いた。
──10月20日(月) 東京・豊洲PITで開催される『Cross-stage vol.1』で、Aqua TimezとTOMOOさんの対バンが決定しました。まずはライブが決まったときの気持ちから聞かせてください。
自分の最大級の夢が叶ってしまったくらいの気持ちでした。スタッフの方にもずっと「うれしすぎるーー!」って言っていて(笑)。

──最大級の夢というくらいTOMOOさんにとってAqua Timezというバンドは大きな存在なんですね。
そうですね。小学生の頃はテレビの向こう側の人という感じで、Aqua Timezさんが音楽番組に出るとなったら弟とテレビの前で待ち構えているような存在でしたね。その後、自分が音楽活動をするようになって、24、25歳のときにこの先活動を続けていけるかどうか悩んだことがあったんですけど、そこで支えられた存在でもあったんです。太志さんがSNSで私の曲を引用リポストしてくれたり、エールを送ってくださったこともあったりして。そういうことにすごく励まされていました。
──Aqua Timezが、その音楽がTOMOOさんの力になってきたんですね。
子供の頃も無意識にメッセージを受け取ってはいたと思うんですけど。大人になって改めて、今の私の活動の上でのテーマや、曲にしていきたいことのテーマにとても影響があったんだなと気づいたというか。弱さとは、強さとはということはもちろん、人がひとりでは生きていけないことや、人と人との相互補性について、こんなに示してくれている存在はいないんじゃないかと思うんです。
──自分が音楽をやるようになって改めて、この曲が好きだなとか、歌の良さやこういうところが自分に深く響いていたなと気づくことはありましたか。
もちろんいろんな曲があるんですけど。私にとっての出会いの曲は「決意の朝に」と「千の夜をこえて」でした。子供の頃から当たり前のように口ずさんでいたし、当たり前に自分のなかに住み着いている曲で。先ほど話した活動で悩んでいた頃、もう誰の曲も聴きたくないし歌いたくもないっていうときに1曲だけ口ずさめたのが「決意の朝に」だったんです。また「千の夜をこえて」は、自分が愛されたいと願っているのに他者を愛してないんじゃないかっていうことを正面から歌っていて、それがずっと頭の中に残っているんです。この曲で歌われていることって思春期の自問自答の柱になっていたし、10代から大人になってもずっと続いてきたテーマでもあるなと思っていて。その影響が例えば、愛することを歌った「Present」であったり、本当の強さとはどういうものかを綴った「Super Ball」といった曲につながっていると思います。
──今回の「Cross-stage」ではコラボステージがあると聞いていています。Aqua Timezのみなさんとリハーサルに入る機会もあるかと思いますが、一緒にスタジオに入るっていうことは初めてですよね。
もちろんです、ちょっとやばいかもしれない(笑)。でもそこは心を一旦鎮めて、ちゃんと音楽に集中して一所懸命目の前のことに向かわなきゃなって思っているところです。
──ライブ当日は、普段とはまた違ったちょっと舞い上がってるTOMOOさんも観れるかもしれないですね(笑)。
自分が今まで溜めに溜めてきた熱量が、どんなふうにライブで放出されるのか、自分でも想像がついていなくて。もしかしたら一周回って覚悟が決まって凛としちゃう可能性もあれば、めっちゃ熱くなる可能性もあるかもしれないし。舞い上がってあちゃーってことを起こさないといいなと思うんですけどね(笑)。

──この日、この時でしかないライブを期待しています。
そうですね。私は、数年前まではライブが苦手だったんです。自分は弱いと思っていたし、いつもここぞという大事なところでつまずいちゃう瞬間があるなって、それが悔しくて長らくライブが嫌だなって思っていたんです。そういう時にも、Aqua Timezさんの素晴らしさを再認識していました。そして、自分のいろんなことを考えたり内省することが増えてきた頃、ちょうどメジャー・デビューの1年前くらいに、段々と心持ちが変わってきて。自分が強くなってステージに向かうっていうよりは、弱いままでもいいと思えるようになってきたんです。自分の内側にばかり向いていた矢印が、観客のみなさんと真正面で向き合うことで自分のことは忘れるというか、自分のことを忘れると人って弱いままでも強くなるんだなっていうのが感覚としてわかりはじめて。その感覚になれてからのライブは楽しかったんです。それが今日までずっと続いていて、その根幹や姿勢には、常にAqua Timezさんの存在があるんですよね。そういう背景の上でステージに立てているんだという気持ちをまっすぐ持って、当日はライブができたらいいなと思っています。

──現在メジャー2ndアルバム『DEAR MYSTERIES』のリリースが控えています。『Cross-stage』でも新曲が聴けそうですか。
1曲くらいは一足先に…とは思っているんですけど、まだ考え中です。
──収録曲を見て、例えば「餃子」とは、このタイトルからどんな曲なんだろうと思っていましたが、どんなところから着想した曲だったんですか。
小さな“しわ寄せ”みたいなものを、個人的な人間関係の中で感じたりしたんですかね。自分がちょっと負担を感じているけど、この人はこの人できっと、別の場面でその人に負担が押し寄せるような状況を味わっていたりするんだろうなとか思ったときに、いつか“しわ寄せ”の歌を書きたいなと思って。たぶん悪気なく、自分がラクでいたいとか、幸せでいたいだけの人の集合体が、しわ寄せを生んでいたりするよねって思うんです。それは個人間もそうだし、コミュニティやもっと大きな規模でもあることで、誰のせいとか言えないけどでもなあ……っていうモヤモヤがあって。でもそのいやなモヤモヤのまま歌いたくはないんですよね。コミカルにしたかったのか、たまたま目の前に餃子があったのか(笑)。餃子のひだは、一方向に向かって折り重なっているなと思ったり。あとは中華屋さんで友達と喋っていたとき、その友達は人の幸せとか世界の平和とかみんなの幸せを願うような人なんですけど。その人が、一口あげるよって言いながら私に天津飯をたくさん分けてくれたんです。この人は人が喜ぶのがうれしいんだなと思ったときに、よく幸せは誰かの不幸の上に成り立ってるみたいなフレーズを聞くことがありますけど、そうじゃないかもしれないなと思って。そんな中華つながりの出来事があって、書きたくなったのかもしれないです。

──中華風というか、どんどん国を越えて大陸的なスケール感で広がっていくサウンドになっているのがいいですね。餃子からはじまった曲の大きさが、サウンドからも感じられます。
ピアノをひとりで弾き語っている段階でも、そこはかとなく越境感というか、どこの国か、どこの時代かが特定しづらいカオス感は、うっすら香りがちで。はじめは二胡だけだったんですけど、その後にスティールパンとかインドの笛とか、いろんなパーカッションが出てきて結果大陸になりました。そのごちゃ混ぜなのもメッセージにも合っているかもねっていうことで、段々とそういうサウンドになっていったんです。
──『DEAR MYSTERIES』はメジャー2ndアルバムとなりますが、アルバムのイメージや作品像はありましたか。
最初からコンセプチュアルに曲を書いたり、集めたわけではなかったんですけど。タイアップ曲やシングルでリリースした曲に加えて、数年前から、あるいは10年前くらいからあった曲も含めて、音源化はしたかったけど機会がなかった曲を選んだり。あとは、今の私の最新の気持ちですという書き下ろし曲があったりといろいろなんです。でも全体を眺めてみると、1stアルバム『TWO MOON』に比べて、奥まった曲はその奥まり具合がより深くなった気がしていて。逆に朗らかな曲はよりハッピーに軽やかに浄化されているというか、人当たりのいい感じの曲になっているなと思っていて。そのコントラストの激しさがひとつ特徴だなと感じています。人に手渡しやすい曲をいくつか書いていくと、その反動で溜まるエネルギーや、まだ言えてないこと、表現できてないことも出してくれ!っていうのがあるんでしょうね。1年前に“Mirrors”と題したMTV Unpluggedでのツアーを行って、私の裏庭をみなさんにお見せしますというテーマで翳りのあるアンニュイなライブをしたんですけど、そのときの気持ちも地続きであると思います。メジャー・デビューをして人前に出て、オープンな気持ちやオープンなスタンス、オープンな曲という特色が強まる一方で、こっちもありますよ、これも見てほしいんですという気分がこのアルバムにもなんとなく影響をしていた気がします。実際、“Mirrors”でキーとなる曲だと考えていた「Lullaby to my summer」も、サウンド面でライブを仕切ってくれた小西遼さんのアレンジで入っていたりしますしね。

──先ほどの古い曲というのはどのあたりの曲ですか。
「ナイトウォーク」は19歳のときの曲ですね。「高台」は2段階あって、16、17歳のときに1コーラス分くらいできていたものを、19歳とか20歳の時に仕上げた曲なので。だから一番古い曲というと「高台」になるのかな。
──「高台」はポジティブな光を指し示してくれるような曲ですね。気持ちがふっと軽くなるような感覚が味わえます。
「高台」のアレンジは、優しく包む感じのイメージを考えていました。
──今言葉に出た、“包む”というイメージもいろいろな曲で出てきますよね。「餃子」もそうだし、「ナイトウォーク」でのヘッドホンで耳を覆うのもある種自分を守るものであったり。あるいは、隠されたものというのもそうですし。
確かに何かと包んでますね、「Present」もMVに包み紙がでてきますし(笑)。包まれて、その中身が見え切らないとしてもそこにそのままステイしておいてもいいっていうか。見えない部分は見えないまま、っていうのも受け入れるというのもあるかもしれないです。

──タイトルとなった『DEAR MYSTERIES』に込めた意味合いにも通じていきそうですね。
曲の共通項を見つけたいなと思ったときに、例えば「雨粒をつけたまま」では《見えてるものが すべてじゃない》と歌っていたり、さっきも話に出た「高台」だったら、知ってるはずの街なのに違う顔を見せてくれた、この景色はこの街の隠された宝だったんだと思うと同時に、その景色に心が動いたということは自分のなかに光があったからそれが呼応したんだ、つまりは自分のなかの隠された宝が光ったからなんだっていう、隠されたもの、秘密というニュアンスもあったりとか。「Lip Noise」で歌っていることもそうですけど、純粋さや無垢さって何だろうと10代の頃から思っていて。それについて考えることはもはや意味がないことなのかもしれないですけど。でも人って愛とか純粋さとか掴めないものを永遠に追い求めるじゃないですか。掴めそうで掴めない、それに手を伸ばしたい気持ちはずっとあるもので。それもひとつのミステリーだと思うんです。わからないものは今もわからないけど、でもそれを追い続ける、何か気づきかけているその欠片を宝として残したくなる気持ちとか、曲によってちょっとずつ描くものは違うんですけど。各曲のコアとなる部分が、親愛なる神秘たち、親愛なる秘密たち、親愛なるわからないものたちに集約されるアルバムになったなと感じています。

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※日本国内に在住し、郵便物・宅配物の受け取りが可能であることをご確認ください。
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<公演情報>
『Cross-stage Vol.1: Aqua Timez × TOMOO』
2025年10⽉20⽇(月) 東京・豊洲PIT
開場18:00 / 開演19:00
出演:Aqua Timez、TOMOO
【チケット情報】
オールスタンディング 6,600円(税込)
※ドリンク代別
▼プリセール2次受付:10月8日(水) 23:59まで
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2561697
<ツアー情報>
『TOMOO HALL TOUR 2025-2026 "DEAR MYSTERIES"』
11月21日(金) 栃木・栃木県総合文化センター メインホール
11月30日(日) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
12月12日(金) 北海道・札幌市教育文化会館
12月14日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
12月26日(金) 愛知・愛知県芸術劇場大ホール
■2026年
1月10日(土) 広島・上野学園ホール
1月24日(土) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
1月31日(土) 石川・本多の森北電ホール
2月10日(火) 大阪・フェスティバルホール
2月11日(水・祝) 大阪・フェスティバルホール
2月27日(金) 東京・東京国際フォーラム ホールA
2月28日(土) 東京・東京国際フォーラム ホールA
【チケット料金】
全席指定:8,800円(税込)
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=TOMOO+
特設サイト:
https://tomoo-hall25-26.ponycanyon.co.jp/
<リリース情報>
Major 2nd Album『DEAR MYSTERIES』
2025年11月12日(水) リリース
●CD+Blu-ray:6,490(税込)
●CD+DVD:6,490円(税込)
●CD Only:3,520円(税込)
【CD収録】※順不同
・Present(GLOBAL WORK TVCMソング)
・あわいに(テレビ東京系ドラマ『ソロ活女子のススメ4』オープニングテーマ)
・エンドレス(フジテレビ系ドラマ『全領域異常解決室』エンディングテーマ)
・コントラスト(アニメ『アオのハコ』第2クールエンディングテーマ)
・LUCKY(アニメ『CITY THE ANIMATION』エンディング主題歌)
・Lullaby to my summer
・高台
・ナイトウォーク
・雨粒をつけたまま
・Lip Noise
・ハックルベリー・フレンド
・餃子
【Blu-ray / DVD収録】
■DISC1
TOMOO Live at 日本武道館 2025.05.23
01. Ginger
02. Friday
03. 恋する10秒
04. 夢はさめても
05. らしくもなくたっていいでしょう
06. 地下鉄モグラロード
07. ナイトウォーク
08. 17
09. コントラスト
10. あめ⽟
11. Your Friend
12. ⾦⾊のかげ
13. ⾬でも花⽕に⾏こうよ
14. ベーコンエピ
15. Grapefruit Moon
16. Cinderella
17. ⾵に⽴つ
18. HONEY BOY
19. オセロ
20. エンドレス
21. Super Ball
22. LUCKY
23. POP'N ROLL MUSIC
24. Present
■DISC2
Documentary from TOMOO Live at 日本武道館 2025
- Beyond the Sound -
予約リンク:
https://TOMOO.lnk.to/1112_DEARMYSTERIES_CD
『TWO MOON』LP
2025年11月12日(水) リリース
2枚組・30cmLP / 5,830円(税込)
【収録曲】
■Side A
1.Super Ball
2.オセロ
3.Ginger
4.酔ひもせす
■Side B
1.Grapefruit Moon
2.17
3.ベーコンエピ
■Side C
1.Cinderella
2.Mellow
3.夢はさめても
■Side D
1.HONEY BOY
2.窓
3.夜明けの君へ
予約リンク:
https://TOMOO.lnk.to/TWOMOON_LP
TOMOO 公式サイト:
https://www.tomoo.jp/
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