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日本映画2作品『金髪』『恒星の向こう側』がコンペティション部門に選出【第38回東京国際映画祭】

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「第38回東京国際映画祭」ラインナップ発表会見より

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第38回東京国際映画祭(10月27日~11月5日開催)のラインナップ発表会見が10月1日(水)、都内で行われた。コンペティション部門には、日本から『金髪』(坂下雄一郎監督)、『恒星の向こう側』(中川龍太郎監督)の2本が選出されており、会見に出席した両監督が思いを語った。

今年のコンペティション部門は2025年1月以降に完成した長編映画を対象に、108の国と地域から1970本の応募があった(昨年は2023本)。審査委員長を務めるジャーナリスト、作家、プログラマーのカルロ・シャトリアンをはじめ、グイ・ルンメイ(俳優)、マチュー・ラクロー(編集者)、齊藤工(俳優・監督)、ヴィヴィアン・チュウ(監督、プロデューサー)が審査員として、コンペティション部門の全15作品を審査する。

坂下監督の『金髪』は、日本独特のおかしな校則、教師のブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道という社会問題を背景に、前代未聞の集団金髪デモに立ち向かう“イタい中学校教師”市川(岩田剛典)の奮闘をシニカルに描いた一作だ。

坂下監督は、オリジナル脚本も手がけており「ブラック校則を題材に、管理する教師側の視点からコメディにできないかなと、漠然としたアイデアから始まった」と着想を振り返り、「笑っていただきながら、社会のことを考えていただければ」とコメディ作品の魅力をアピールした。なお、坂下監督のもう1本の新作『君の顔では泣けない』が、第38回東京国際映画祭ガラ・セレクションで、公式上映されることも決定している。

坂下雄一郎監督

一方の中川監督は、東京国際映画祭の公式部門であり、若い才能の発掘を目的とした「日本映画スプラッシュ部門」(現在は廃止)に、『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』が2年連続で選出され、これを機にその高い作家性が国内外で注目を浴びている。

中川監督にとって、初のコンペティション部門選出を果たした『恒星の向こう側』は、余命わずかの母(河瀨直美)と、その関係性に葛藤を抱く娘(福地桃子)の“喪失と再生”を詩的なビジュアルで描き出すヒューマンドラマだ。

中川龍太郎監督

母親役に映画監督の河瀨直美がキャスティングされたことについて、中川監督は「母親役は、名だたる女優さんたちが立候補してくれたが、僕としては河瀨監督一択でした」と明かし、「一筋縄ではいかない方ですが、その厳しさや感受性が、作品にパワーを与えてくれる。(河瀨に関する)エピソードですか? 言えないことばかりですよ(笑)」と振り返った。

ラインナップ発表会見には、本映画祭のフェスティバル・ナビゲーターに就任した瀧内公美が出席し、「東京国際映画祭は、アジア最高峰の映画祭であり、アジアから世界へというイメージもある、先駆者的な存在」だとアピールした。

瀧内公美

ナビゲーター就任については、「まさか自分にお声をかけていただけるとは、青天の霹靂。映画ファンとしても、ありがたくうれしいですし、緊張もしております」と心境を語り、「映画祭でしか観られない映画や、新しい作家との出合いが醍醐味。私にとっては原石を探す場所」だと、東京国際映画祭への期待を語った。

オープニング作品は、吉永小百合の124本目の映画出演作で、女性として世界で初めてエベレスト登頂を果たした登山家・田部井淳子氏の半生を描く『てっぺんの向こうにあなたがいる』(監督:阪本順治)。映画祭の中盤を盛り上げるセンターピース作品には、山田洋次監督の最新作『TOKYOタクシー』が選ばれた。また、『ノマドランド』でアカデミー賞に輝いたクロエ・ジャオ監督の最新作『ハムネット』がクロージング上映される。

安藤裕康(東京国際映画祭チェアマン)

世界の国際映画祭で注目された話題作や邦画の最新作などを上映するガラ・セレクション部門には、アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスが再タッグを組む『エディントンへようこそ』、カンヌ映画祭で4冠に輝いた『Sirāt(原題)』(監督:オリヴァー・ラクセ)、若き日のブルース・スプリングスティーンを描く『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(監督:スコット・クーパー)、芳根京子と髙橋海人が共演する『君の顔では泣けない』(監督:坂下雄一郎)、すでに海外の映画祭で高い評価を集める『恋愛裁判』(監督:深田晃司)など、国内外から全13本がラインナップされている。

【コンペティション】(全15本)
『アトロピア』(アメリカ/ヘイリー・ゲイツ監督)
『金髪』(日本/坂下雄一郎監督)
『恒星の向こう側』(日本/中川龍太郎監督)
『ポンペイのゴーレム』(フランス/アモス・ギタイ監督)
『裏か表か?』(イタリア、アメリカ/アレッシオ・リゴ・デ・リーギ監督、マッテオ・ゾッピス監督)
『雌鶏』(ギリシャ、ドイツ、ハンガリー/パールフィ・ジョルジ監督)
『マリア・ヴィトリア』(ポルトガル/マリオ・パトロシニオ監督)
『死のキッチン』(タイ/ペンエーグ・ラッタナルアーン監督)
『マザー』(ベルギー、北マケドニア/テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督)
『母なる大地』(マレーシア/チャン・ジーアン監督)
『春の木』(中国/チャン・リュル監督)
『パレスチナ36』(パレスチナ、イギリス、フランス、デンマーク/アンマリー・ジャシル監督)
『虚空への説教』(アゼルバイジャン、メキシコ、トルコ/ヒラル・バイダロフ監督)
『飛行家』(中国/ポンフェイ監督)
『私たちは森の果実』(中国/リティ・パン監督)

<開催情報>
『第38回東京国際映画祭』

期間:10月27日(月)~11月5日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区

公式サイト:
https://2025.tiff-jp.net/ja/

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