新国立劇場 演劇研修所第19期生公演『トミイのスカートからミシンがとびだした話』11月上演
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『トミイのスカートからミシンがとびだした話』チラシ (宣伝美術:秋澤一彰)
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すべて見る新国立劇場演劇研修所の第19期生公演として、三好十郎作、田中麻衣子演出『トミイのスカートからミシンがとびだした話』が、11月11日(火) から16日(日) まで、東京・新国立劇場 小劇場にて上演される。
三好十郎は、昭和初期から30年代前半にかけて、日本演劇史に数多くの名作を遺した、現在も作品の上演が続く日本を代表する劇作家のひとり。『トミイのスカートからミシンがとびだした話』は、敗戦後の占領下の激動の社会の中で、身体を張って生きていくしかなかった貧しく若い女たちと彼女たちを取り巻く男たちの苦闘、挫折と情熱を描く群像劇だ。若い俳優たちは、人間が持つ本性“愚かさ・卑しさ・醜さ”を露わにしながらも社会の中で懸命に生きる人間の姿を、全身全霊を込めてエネルギッシュに演じる。
演劇研修所では、3年次の夏に朗読劇を行い、秋公演と修了公演にて日本の劇作家の作品と、海外の劇作家の作品、計3本の公演を行う。今年の夏は、朗読劇『少年口伝隊一九四五』に臨み、戦争の悲惨さについて深く考える機会を得た。今回は、3年次学年担任であり、本公演の演出を担当する田中麻衣子の提案により、秋公演にて日本の劇作家の作品を取り上げることが決定。今度は、敗戦後の激動の社会の一断面を見つめる。
演劇研修所長の宮田慶子は、作品選定理由について次のように語っている。
「三好十郎の、人間の本質を炙り出す、骨太で力強い言葉に強く魅力を感じてきました。この大劇作家の作品と向き合うには、経験に関係なく、心身ともに全力で立ち向かわないと太刀打ちできません。その強固な作品に、研修生活の中で出会うことは、将来の俳優人生にとってかけがえのない経験になると考えています。12期生(2018年) ではじめてこの作品を採り上げたとき、大きな手ごたえがありました。時代は異なりますが研修生の年齢と近い役柄も多く、今回も、彼らの熱気あふれる、今の19期生にしか出来ない作品作りになると確信しています。三好十郎の世界を存分にお楽しみいただきたいと思っています」。
【あらすじ】
敗戦後1、2年を過ぎた頃、富子は、東京で働いて貯めたお金でミシンを手に入れ、洋裁で生活しようとしていた。戦時中、富子は空襲で両親を失い弟・妹と共に焼け出されたところを、東京郊外に住む伯父夫婦に助けられたのだった。富子は、洋裁で弟・妹の面倒も見ながら暮らそうと伯父夫婦のもとに戻った。「進駐軍仕込みの洋裁でダンスも踊れる美女が帰ってきた」と町中の噂となり、美談として新聞にも取り上げられた。しかし、富子のお金は身体を売って貯めたものであることが週刊誌に書かれ、周囲の態度は一変し、富子は、伯父の家を飛び出し流転の人生を歩むこととなる……。さまざまな社会の波に揉まれ、富子は職を転々とした後、結局、東京で身体を売っていた仲間のところに戻っていく。「みんないろいろになったけどさ、あたいたちの此處が一番だ。ザマアみろう!」そこに、ある職場で出会った男が、富子を訪ねてくる……。
<公演情報>
新国立劇場演劇研修所 第19期生公演
『トミイのスカートからミシンがとびだした話』
作 : 三好十郎
演出: 田中麻衣子
出演: 新国立劇場演劇研修所 第19期生
井神崚太、大田真喜乃、菊川斗希、﨑山新大、田村良葉、千田碧
辻󠄀坂優宇、中島一茶、野仲咲智花、向井里穂子、森唯人、和田壮礼
2025年11月11日(火)~16日(日)
会場: 東京・新国立劇場 小劇場
チケット情報:
http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2530249
公式サイト:
https://nntt.pia.jp/
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