『アール・デコとモード』三菱一号館美術館で 1920年代のドレス、絵画、版画、工芸品や資料など約310点で現代にも影響を与え続ける100年前の「モード」を紐解く
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ジャンヌ・ランバン イヴニング・ドレス 1920年代前半 京都服飾文化研究財団 撮影:畠山崇
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すべて見る2025年10月11日(土)より、東京・丸の内 三菱一号館美術館では『アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に』展を開催する。2025年は、パリで行われた装飾芸術の博覧会、通称アール・デコ博覧会から100年目に当たる。これを記念して、京都服飾文化研究財団(KCI)が誇る世界的な服飾コレクションより、アール・デコ期を代表するドレスや資料類約200点と、国内外に所蔵されている同時代の美術工芸品など、合計約310点を紹介する展覧会だ。

第一次世界大戦終結後の1920年代。フランスでは都市の消費文化が花開き、「アール・デコ」と呼ばれるデザイン様式が隆盛を極めた。この時代を象徴する要素のひとつが、新しいライフスタイルを楽しむようになった女性のモードの変化である。それまでの女性の装いはコルセットでウェストを締め付け、レースやフリルで飾り立てるスタイルが主流だったが、20世紀に入るとポール・ポワレがコルセットを使わないハイ・ウエストのドレスを発表し、ガブリエル・シャネルが婦人服にジャージー生地を取り入れるなど、女性のモードは簡素で機能的になっていく。スカート丈が膝下まであがり、薄い絹のストッキングが合わされるようになったのもこの頃だった。
アクティブに出歩くようになった女性たちに合わせて、帽子やバッグ、腕時計といった服飾小物が充実し、テニスやゴルフを楽しむ女性のためのスポーツウエアも登場。テキスタイル・デザインを提供したラウル・デュフィや、新しい色彩概念を服飾に持ち込んだソニア・ドローネーなど、新進気鋭の芸術家とクチュリエとのコラボレーションも盛んになった。さらに前述したシャネルのほか、ジャンヌ・ランバンやマドレーヌ・ヴィオネなど女性クチュリエの著しい活躍もこの時代の特徴といえるだろう。

こうして見ていくと、アール・デコのモードが、いかに現代女性のファッションとつながっているかを知ることができる。100年経った今も輝き続けるこの時代のモードの現代性に、あらためて驚かされるに違いない。
<開催情報>
『アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に』
会期:2025年10月11日(土)~2026年1月25日(日)
会場:三菱一号館美術館
時間:10:00~18:00、金曜(2026年1月2日を除く)と会期最終週平日、第2水曜は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日と10月27日、11月24日、12月29日、1月19日は開館)、12月31日(水)、1月1日(木・祝)
料金:一般2,300円、大学1,300円、高校1,000円
展覧会公式サイト:
https://mimt.jp/ex/artdeco2025/
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