『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ジェームズ・キャメロン監督がパンドラにこだわる理由とは?
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『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ポスター (C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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すべて見るジェームズ・キャメロンが監督を務める、『アバター』シリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が、12月19日(金)より公開される。
本作は、美しい“神秘の星パンドラ”を舞台に、先住民族ナヴィの生き方に共鳴した元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)が、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)とともに、一族を率いて、パンドラを侵略する人類に反旗を翻す姿を描く。

日頃より“自然との調和”を大切にするキャメロン監督は、『アバター』1作目公開当時、「私はまったく新しい世界を舞台にした作品を創造したかった」と語り、神秘の星パンドラを誕生させた。『アバター』(2009)の舞台は2154年。地球は滅亡間近で、人間が最後の望みを懸けたのが、宇宙の彼方にある神秘の星パンドラ。気候は温暖で豊かな自然が広がる地球に似た星だが、地球の大気と異なる成分が含まれるため人間はマスクの装着が必須。そんなパンドラには人類存続の鍵となる希少な鉱物が眠っており、人間は資源の採掘を先住民にもちかける。この“世界自体をゼロから創り上げる”という偉業に挑戦したキャメロンについて、当時、プロダクションデザイナーのリック・カーターはこう語っている。
「これは、彼が実際にあの場所へ旅して、大量のメモを取り、戻ってきて、彼が経験したあらゆるできごとを紙に書き出し、その後で映画を作ったようなもの。つまり彼は、この映画を再現するように我々に持ってきただけなんだ」。
さらに、キャメロンの中に“実在する”パンドラは、圧倒的に細部まで練り込まれていたそうで、カーターは、「彼のアイデアを聞いているとあまりに詳細にわたっているので、あの架空の動物たちが本当に存在しているような気がします。それほど、彼はすべての動物や虫について考え抜いていました。彼は、それらの動物が何を食べ、どこで眠り、互いにどんな行動をとるかまで把握しているんです」とも語っている。

そうしてキャメロンの脳内を基に創造された『アバター』は、世界中の心を掴みヒットを記録。そして続編となる『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の制作がスタートする。その際キャメロンは、「この星にはまさに地球と同じように、実に様々な景観があるのだ」とし、続編で新たな惑星を登場させるのではなく、パンドラをさらに掘り下げることを選択。『タイタニック』や『アバター』シリーズをはじめ数々のキャメロン作品でプロデューサーを務めたジョン・ランドーも、「私たちが暮らす世界は、何年もかけて旅をしてさえも、この世界にあるすべての驚異を見ることなどできません。それと同じように、ジム(ジェームズ・キャメロン)は、今回の物語の舞台をパンドラに置き、そこにある新たな生物群系や文化の数々を探究することにしました」と解説している。

『アバター』では主な舞台は森だったが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では海へとその舞台を移した。その理由についてランドーは、「海洋が大好きなジムの想い、そして同じく海洋が大好きな私の想いもあって、私たちの探究する場所は必然的に海洋に落ち着いたのです」と明かしていた。そして続く『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』では、自然と共生してきた“森の民”や“海の民”とは違い、なんらかの理由でパンドラに憎悪を募らせている“アッシュ族”が登場する。キャメロンは、“火”を憎しみ・怒り・暴力、“灰”を悲しみや喪失と捉え、終わりない悪循環をタイトルに込めたと明かしている。
<作品情報>
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
2025年12月19日(金) 日米同時公開
(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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