Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 怒涛の101曲メドレーも! “玉野ワールド”全開!豪華キャストで贈る『CLUB SEVEN another placeⅡ』が開幕

怒涛の101曲メドレーも! “玉野ワールド”全開!豪華キャストで贈る『CLUB SEVEN another placeⅡ』が開幕

ステージ

ニュース

ぴあ

『CLUB SEVEN another placeⅡ』公開ゲネプロより

続きを読む

フォトギャラリー(15件)

すべて見る

ミュージカルの“華”といえば、ソング&ダンスであることは言うまでもない。『CLUB SEVEN』は2003年の初演以来、ソング&ダンスで魅せることはもちろん、ショートコントからシリアスまで幅広いスケッチ(寸劇)にミニミュージカル、タップダンスなど、脚本・構成・演出・振付の玉野和紀による“玉野ワールド”でとことん観客を楽しませるステージを披露してきた。そして今回の『CLUB SEVEN another placeⅡ』でも、玉野を筆頭に初演から出演し続けている西村直人、何度も出演してきた吉野圭吾、東山義久、原田優一、北翔海莉、妃海風、さらに今回初出演の内海啓貴、蒼木陣と、とびきりのキャストによってショー・ステージが展開されている。10月3日に行われた、公開ゲネプロの模様を紹介しよう。

並々ならぬエネルギーがみなぎる怒濤のエンターテイメント

その曲のイントロが流れると気持ちが高まる、そんな音楽体験は多くの人にとって身近なものではないだろうか。シアター・エンターテイメントの世界においても、劇場全体が瞬時にひとつになる楽曲はいくつも存在する。『CLUB SEVEN』のテーマ曲も、間違いなくそのひとつ。イントロが流れると、まず男性陣が登場して踊り始め、彼らが円形のフォーメーションですっと沈み込むと、その中心に現れた女性陣が歌い始める。その瞬間の客席を圧倒するような磁力は、「これでなくちゃ!」という良い意味でのお約束、定型のすごみと言えるだろう。『CLUB SEVEN』の幕開け、そして終幕を飾るこの楽曲は、全員が着用する黒のフロックコートのスタイリッシュさと相まって最高に格好よい。これは、初演以来の玉野と歴代キャストによる積み重ねがあってこそのものだろう。

公演の構成も、良い意味で『CLUB SEVEN』のフォーマットが定着。ソング&ダンスにスケッチ、ミニミュージカル、そして一番の目玉コーナーである50音順ヒットメドレーと、その内容は新規と定番が巧みに組み合わされている。キャストも、玉野・西村をはじめ、堂々たる“レジェンド”吉野&東山、とっておきのスパイスを利かせる原田、宝塚OGならではの華と力量で魅せる北翔&妃海。こうした何度もこのシリーズに出演してきた百戦錬磨の先輩たちに、初登場の内海と蒼木がくらいつく。この関係性も、良い意味での定番だ。そして、玉野と西村が演じるキャラクター・玉子とニャン子ももちろん欠かせない。物販の宣伝も、ふたりの手にかかると観客を巻き込んだお楽しみコーナーになってしまうのだから流石だ。

第1幕は、ソング&ダンスの他にスケッチで「泥棒」「アンディ・ジィーンズ(リベンジ)」「ブレイクランナー2055」「2度目のプロポーズ」「電車の女」、そしてミニミュージカル「ペンで戦う者たち」と、ベタなギャグやシュールなオチ、思わずジンとくるヒューマンストーリー、あれやこれやのフランス革命ものの作品を連想して思わず笑みがこぼれるものなど、さまざまな要素がてんこ盛り。ゲネプロといえど、恒例の無茶ぶりもたっぷり。素で四苦八苦したり思わず吹き出してしまったりしているキャストの姿も、やはり『CLUB SEVEN』ならではの楽しさだ。

そして第2幕は、観客みんなが楽しみにしているに違いない50音順ヒットメドレー。こちらも定番となっている楽曲の他、アイドル、アニメ、CMなど新旧さまざまな楽曲をこれでもかと詰め込んで、過去最多の101曲というから驚きだ。『CLUB SEVEN』ではいつものこととはいえ、第1幕・第2幕合わせてこれだけの内容をよくぞやってのけたと言いたくなるキャスト、そして何より自身も出演しつつ脚本・構成・演出・振付を担う玉野の大活躍ぶり。これほどのエネルギーが費やされているのだから、観る者を圧倒しないわけがないのだ。

玉野の多彩さは言うまでもないが、やはり煙草を手にタップを刻む姿のダンディさは格別。美脚に目を奪われる玉子ちゃんとのギャップも、何度観ても味わい深い。西村も、ニャン子はもちろん、歌でも芝居でも発揮されるコメディセンスに「ペンで戦う者たち」でのシリアスな敵役と、的確に見どころをつくってくる。吉野はどこかすっとぼけた独特の空気感とシリアスな芝居にダイナミックなダンス、東山は突き抜けたギャグセンスとセクシー&ワイルドな芝居にダンスと、両者とも気持ちよいほどの幅の広さで観客を魅了する。原田もまた、ある意味身体を張ったコメディアンぶりと「2度目のプロポーズ」での温かみあふれるボーカルなどで存在感を示した。

北翔は元男役の本領も発揮しつつ、ゴージャスな美女や凛々しい女性を好演。妃海も愛らしい女の子からあっと驚くような変貌を見せる女性までと芸達者ぶりを見せつける。そして内海は玉野のタップに合わせてサックスを吹く場面でスタンダードな恰好よさを見せたかと思えば女装もよく似合っていて可愛い。その他の着ぐるみや扮装も含めてさまざまな表情を見せていた。蒼木は持ち前のキレのいい身体能力(と筋肉)を活かした場面もありつつ、被り物もこなした他、シリアスな芝居での表情の良さも目をひいた。特に、男性陣でふたりあるいは3人で顔を見合わせながら歌っている時の楽しそうな笑顔が印象的だった。

そして、終幕はもちろん『CLUB SEVEN』のテーマのリプライズ。観終わった後の充実感、満足感は半端ない。内海&蒼木はステージ上で感想を聞かれて「楽しいです」と答えていたが、本当に楽しみながらやっているんだろうと感じられてふたりへの好感度もますます高まった。ハードなステージだが、カンパニー一丸となってこの勢いで突っ走ってほしい。そのエネルギーが、間違いなく観客の明日への活力になるのだから。

取材・文・撮影:金井まゆみ


<公演情報>
『CLUB SEVEN another place II』

脚本・構成・演出・振付:玉野和紀
出演:玉野和紀 吉野圭吾 東山義久 西村直人/原田優一 内海啓貴 蒼木陣/北翔海莉 妃海風

【東京公演】
2025年10月4日(土)~14日(火)
会場:有楽町よみうりホール

【大阪公演】
2025年10月24日(金)・25日(土)
会場:サンケイホールブリーゼ

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/club-seven/

公式サイト:
https://www.tohostage.com/club_seven/

フォトギャラリー(15件)

すべて見る