Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > Geloomy、初ワンマン『want it with PICKLES??』渋谷WWWが揺れた熱狂の一夜をライブレポート! 新曲初披露&小腸の誕生日サプライズも

Geloomy、初ワンマン『want it with PICKLES??』渋谷WWWが揺れた熱狂の一夜をライブレポート! 新曲初披露&小腸の誕生日サプライズも

音楽

ニュース

ぴあ

Geloomy『want it with PICKLES??』9月25日東京・渋谷WWW  Photo:pei the machinegun

続きを読む

フォトギャラリー(12件)

すべて見る


Text:吉羽さおり Photo:pei the machinegun

2nd EP『macaroni and cheese』をリリースした、ネオディスコ・バンドGeloomyが、9月25日東京・渋谷WWWで1st one-manlive『want it with PICKLES??』を開催した。平日にも関わらずチケットはソールドアウト。満員の観客のはやる気持ちを加速させるように、DJを務める片山翔太は心地よいソウルミュージックで会場を温めていく。歓声と高揚感とで幕を開けた初のワンマンは、バンドの映像まわりを手がけるドラマー・肺による、DIY感たっぷりのシュールでビザールなオープニング映像(ベースの腎臓が出演。ちなみに腎臓は『macaroni and cheese』アートワークや、本ライブのフライヤーのデザインを担当)で、スタートした。一見、ポップ性の高いスマートなアレンジやアンサンブルと、映像・ビジュアル等に表れる脱力感やゆるい笑いとではギャップがある感じだが、どちらも噛めば噛むほどにクセになる味わいが広がってくるのがGeloomy。このワンマンは、バンドが持つその妙味を存分に感じさせるライブとなった。

2nd EP『macaroni and cheese』のリード曲・MV曲となった「hey!!!!!」でスタートしたライブ。前EP『Saladbowl』から1年、SNSや口コミで話題となった最初のシングル「Vagi@」から1年半を経た2nd EPでは、ファンク、ソウルミュージックだけでなく、よりディープにサイケデリックにとサウンドのレンジを広げ、またアンサンブルもファットで色鮮やかになっていった。徐々にアクセルを踏み込んでいくような「hey!!!!!」では、「久しぶり!」と小腸(g/vo)が声をかけると同時に4人のアンサンブルのボリュームが上がっていって、緩急も自在に会場内にサウンドを走らせていく。力強いビートが観客を揺らしていくなかで、肝臓(key)による熱を帯びた鍵盤が歓声を起こし、また歪みを効かせたギターをかき鳴らしながら小腸が観客の興奮を煽る。怒涛のアンサンブルからアッパーなダンスナンバー「p.h.p」へと突入すると、冒頭のコーラスに観客の声が重なった。ライブバンドとしての勢いが上がっていることも感じさせる熱っぽい余韻のなかで、小腸が「みなさん、お久し! 元気? 今日は平日・木曜日なのにきてくれてどうもありがとう。最後までゆっくり楽しんで帰ってください」と挨拶をすると、そこに続いたのは今年1月1日にリリースした、ドリーミーで浮遊感のあるメロディが心地いい「airam」と、ポップで幻影的なインディポップ「블루(beullu)」。観客がゆらりとリズムに乗って、ミラーボールがゆったりとフロアに光を注いでいく甘美な時間から、続く「Black Cinema」では映像を用いて、クールでストリート感を放つ。音源よりもタメの効いたグルーヴで、ちょっとダーティで気だるい雰囲気を宿したサウンドがまたいい感じだ。

小腸
肝臓

ディープなGeloomyの世界へと観客を引っ張り込んだところで、中盤では新曲も披露された。いつかリリースします、と演奏されたのは、ベースとギターとのユニゾンによるイントロがキャッチーなダンサブルな新曲から、さらにBPMを上げてステップを踏ませる「bubblegum」へと観客のボルテージを上げる。ハウスっぽい曲をやってみたいと音源では小腸がひとりで作り上げたミニマムなビートがクールな「bubblegum」だが、そのライブバージョンは極太なバンド・アンサンブルが冴える、フロアを爆上げするサウンドへとパンプアップ。フィジカルなサウンドへと叩き上げられたこの感じも、今のGeloomyだからこそのものだろう。さらに中盤では、ファレル・ウィリアムスの「Happy」のカバーをロックなムードでも披露した。

「もう折り返し? マジ!? 今何時?」(小腸)と後半へと向かうMCでは、この日の衣装やライブのグッズについて、またオープニングの映像の裏話も聞かせてくれた、肺と腎臓。それぞれにこだわりが詰まっているが、オープニングの映像が仕上がったのはライブの日の朝だったという。そのテンション感があの奇天烈でドラッギーな映像を生んだのかはわからないが、以前にインタビューで語っていた、元々バンドメンバーである以前に仲のいい友達同士で、最初のEPの曲はみんなで肺の家に入り浸ってゲーム(スマブラ)をしながら作っていた、その4人の内でのグルーヴ感や空気感、笑いのツボが、音楽含め表現するものすべてに反映されているのはわかる。程よく内輪のノリがあって、それでいてシニカルに転びすぎないキャッチーさがある。この塩梅が絶妙で、聴くもの、観るものの心もくすぐってくれる。

「unknown」で幕開けた後半は、グッとパワフル。気持ちよく体を揺らすチル感がある曲だと思っていた「unknown」だが、「一緒に歌えますか」(小腸)とシンガロングを起こしていったり、それぞれの見せ所がたっぷりな「antianti」で観客を盛り上げていくと、続く「Shock!!中毒」でコール&レスポンス的に観客と掛け合ってフロアの一体感を増す。大きなジャンプやダンスで会場内の熱気が上がっていく。エネルギッシュで、アッパーな演奏でクライマックスへと駆け上がっていくなかで、この後半にも新曲が投下された。タイトルは「ibaraki(仮)」。どういった内容の歌なのか、日本語なのか英語なのか、ハナモゲラなのかという小腸独自の歌からは不明ではあるが、しっかりと観客を掴んでいく曲になっているのはまちがいない。新曲披露で、高揚感が増したところで「occiput(feat. aint lindy)」でゲストのaint lindyが登場。Geloomy初のフィーチャリング曲であり、心強い仲間が加わったステージはいちだんと華やかだ。aint lindyもまた、「みんな、踊りに来てますか」と会場の端から端まで盛り上げるようにラップをすると、観客はもちろんバンドの士気も上がる。初のワンマンライブを迎えた祝祭感が、会場内に満ちていく感覚だ。

腎臓
aint lindy

ラスト曲を前にしたMCでは、小腸がこの日誕生日を迎え22歳になったことが語られた。フロアからおめでとう!の声が上がるなか、18歳から音楽をはじめてずっと出たいと思っていた渋谷WWWでのライブが実現したこと、友達とバンドをできていること、また今のマネージャーは自身がバンドの前にソロでやっていた頃からライブを見てくれていた言わば最古参のファンで、その気心の知れた仲間に今は多くの人が関わってこの日のライブができていることが語られた。Geloomyにとって、ここから先の布石となる初のワンマン。ここに立ち会えた観客の期待や思いをのせるように、ラストは2nd EP『macaroni and cheese』でも最も重厚感たっぷりのサイケデリックなサウンドによる「The Mint Robbery」で、ダイナミックに観客を揺さぶる。ビッグなビート感に自ずと手拍子や歓声が上がり、互いのフレーズを競わせるようなアンサンブルが、観客をディープに飲み込んでいく。さらに大きな会場やフロアにも思いを馳せることができる、そんなパワフルさに最後には大きな拍手が巻き起こった。

この日のアンコールは、誕生日を迎えた小腸には内緒で、メンバーそれぞれが5千円以内で用意してきたプレゼントを、プレゼン形式で手渡すというサプライズでスタートした。3人のなかでいちばんセンスのあるプレゼントを選ぶとなったが、ここで小腸が改めてメンバーを紹介しながら、それぞれとの間柄を観客に聞かせることになり、エモさも満点のコーナーにもなった。ちなみに、鍵盤の肝臓とは現在もうひとつのバンドも一緒にやっており、年がら年中ともに過ごしているとのこと。ドラムの肺とは大学のビッグバンドジャズサークルで出会い、ベースの腎臓は高校3年間クラスも一緒だったという。2nd EP制作時は別のバンドの稼働も多く、前作のように四六時中遊びながらの制作ではなかったが、そのなかで音楽性も馬力も上げられたのは、感性を分け合えている友達だからこそなのだろう。ゲストのaint lindyがバースデーケーキを持って再登場し、蝋燭の代わりに観客のスマホのライトで祝おうと音頭をとって、満員の観客によるバースデーソングの大合唱を起こした。歓喜に沸いたGeloomy 1st one-manlive『want it with PICKLES??』の締め括りとなった「Vagi@」が、最高の盛り上がりだったことは言うまでもない。

<公演情報>
1st one-manlive『want it with PICKLES??』

9月25日 東京・渋谷WWW
出演:Geloomy
DJ:片山翔太

セットリスト

01.hey!!!!!
02.p.h.p
03.airam
04.블루(beullu)
05.Black Cinema
06.新曲(タイトル未定)
07.bubblegum
08.Happy(cover)
09.unknown
10.antianti
11.Shock!!中毒
12.ibaraki(タイトル仮)
13.occiput(feat. aint lindy)
14.The Mint Robbery

En1.Vagi@

<リリース情報>
2nd EP『macaroni and cheese』

配信中
【収録曲】
1.The Mint Robbery
2.hey!!!!!
3.bubblegum
4.unknown
5.occiput(feat. aint lindy)

配信リンク:
https://friendship.lnk.to/mac_Geloomy

■Geloomy 公式サイト: https://geloomy.com/

フォトギャラリー(12件)

すべて見る