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【レポート】韓国、中国でも熱狂相次ぐ『リンダ リンダ リンダ 4K』合計12回の舞台挨拶とQ&Aキャンペーン開催

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ライトに囲まれ美しい光景

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山下敦弘が監督、ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)が出演した青春映画『リンダ リンダ リンダ』(2005年)の4Kデジタルリマスター版が公開中だ。

8月21日には前夜祭として舞台挨拶も行われ、8月23日の上映後トークイベントは即完売。その熱は日本を飛び出し韓国にも飛び火し、記者会見や8回の舞台挨拶と4回のQ&Aを実施、有料上映はすべて完売という盛り上がりを見せた。

今回、2006年の韓国初公開当時には叶わなかった山下監督、前田、香椎、関根、そしてペ・ドゥナによる韓国でのキャンペーン、そしてその後マカオ・中国をめぐった山下監督に同行したスタッフによる密着レポートをお届けする。

<9月12日>
到着から既に1時間押し……どうする?! その時問われた衝撃の一言。「最後に髪を洗ったのはいつですか?」

朝に日本を発ち、午前中にソウル入りした一行。しかし、入国手続きが予想外に時間がかかり、空港を出た時点で既に予定を1時間オーバー。これからヘアメイクなどをして、取材、記者会見、舞台挨拶をこなす予定が既に時間がない。そのとき韓国配給のスタッフが放った言葉に誰もが驚いた。「時間を短縮したいのでお尋ねしますが、最後に髪を洗ったのはいつですか?」。

一同、何を聞かれているのか分からないながらも「昨晩ですが……?」と回答。実は韓国のヘアメイクは、美容院で洗髪から始まるのが一般的と教えられる。初っ端から、日本との違いに驚く。すると、移動車の中で韓国で大人気の某ベーグルショップのベーグルが! 「ソウルに行ったら食べたいもの」として前田が「韓国のベーグル有名ですよね。食べてみたいです❤」と軽い気持ちで答えていたが、韓国到着初の食事となった。

これはバジル味

監督は一足先にペ・ドゥナと2ショット取材、怒涛のスケジュールが始まった……!

前田、香椎、関根がヘアメイクをしている間、監督はペ・ドゥナとふたりでインタビュー。合わせたわけではないのにブラウンのリンクコーデのふたりが可愛らしい。その後、パーランマウム(※劇中で前田、香椎、関根、ペ・ドゥナが組んだバンド名)の4名は10分ずつ3媒体の取材を受ける予定が大幅に短縮され、各媒体5分ずつの取材に。ただただ言われるがままに対応していく。

まるでペアルック

そんな中現れた劇中の「恵 おめでとう」にそっくりな「リンダ リンダ リンダ 20周年おめでとう!」と書かれた真っ白な四角いケーキが登場! 一同、「わー、そっくり~!」と感激しきり。しかし、ケーキを食べる時間もなく、記者会見へ(ケーキは翌朝みんなでいただきました。イチジクがみっちり入った美味しいケーキでした)。

ケーキを前にした香椎

通訳入りの5名の舞台挨拶を10分でどうやるの……?の疑問が解けた瞬間。

元々、スケジュール表にあった「舞台挨拶時間10分」をどうこなすのか不思議だった一同。その謎は最初の舞台挨拶で解けた。それぞれが一言ずつ挨拶をし終えると「はい、それではポスター欲しい人ー!」と司会の人が客席に声を掛けると挙手の嵐。「では、Eの14の席の人!」という具合にプレゼントを渡していくのが一般的な舞台挨拶と知り驚く。

1分も空かずに組まれた舞台挨拶も、時間を調整して上映が行われており、ひとつのスクリーンを出たら隣のスクリーンに入って舞台挨拶、というある意味合理的な方法だった。この日、1回目の舞台挨拶はマスコミや関係者向け舞台挨拶。挨拶が終わったときに、花を手渡しに来てくれたのはなんと……キム・ヘス! 韓国ドラマや映画も好きでよく観ているという前田は大感激!『リンダ リンダ リンダ』を気に入ってくれたようで、別れ際にもハートマークを作ってくれていた。

キム・ヘス Instagramより

次のスクリーンではQ&Aが始まる。質問は画面に映されたQRコードからみんながその場で送ってくる。現場の様子について、好きなセリフなど、オーソドックスなものから、「この作品を通して日韓の関係性に変化が生まれると思っていましたか?」といった韓国ならではの質問も。「なぜ“ソン”という苗字にしたのですか?」という質問も韓国ならではのものだったが、「スペルで考えたときにSongになるのが“歌”なのっていいなと思って」という山下監督の回答に会場も納得だった。

ブルーハートなペンライトに囲まれて

ようやくすべての予定を終えて、初めてホテルにチェックインしたのは約23時。朝9時発の便で日本を発った一行の長い1日が終わった。各人の部屋にはペ・ドゥナからサプライズプレゼントが! 素敵な花やお菓子やパックなどのプレゼントを見て、テンションが上がる。

<9月13日>
舞台挨拶3回、Q&A2回。ソウルの渋滞はすごかった……。

昨日は関根のみが洗髪されたが、今日のヘアメイクでは前田が髪を洗われる。「ものすごく気持ちよかったー!」という前田の言葉に「なぜ私の髪は洗われないの……?」と残念がる香椎。前日と違って落ち着いたスケジュールに余裕を感じていたが甘かった。

突然、「時間がなくなったので、前田さんはタクシーで来てもらうことにして、ほかの人は先に出ます!」と言われ劇場へ。しかし、渋滞にはまりなかなか前に進まない。舞台挨拶に穴をあけるのか?とヒヤヒヤしながらたどり着くと、後に出たはずの前田の姿が。タクシーで劇場前につけてからスクリーンまで走ったとのこと。「あんなに走ったの久しぶり……」と息を切らす前田。2度の舞台挨拶を行い、また劇場を移動して舞台挨拶とQ&Aを行った。

広い会場が満席のQ&A

「やった! ビールが飲める!」夕食はサムギョプサル!

9月13日のすべての行程を終えて、今日は打ち上げ! サンドイッチやキンパなどを空き時間につまむ食事ばかりだったが、ようやくサムギョプサルを食べる。やはり韓国の方々は飲む飲む。当然のようにソジュ(焼酎)とビールを混ぜながらスタッフも飲んでいる……まだ明日もあるのに、皆元気です。

切り分けられるサムギョプサル

<9月14日>
帰国日も舞台挨拶とQ&Aを繰り返す。その隙間を縫って小走りでショッピング決行!!

あっという間の3日目帰国日。昨日の朝は高麗人参エキスの入った栄養ドリンクが配られたが、今日は二日酔い用のドリンクが配られた。幸い、誰も必要なかったので、お土産用に頂く。香椎はようやく念願の洗髪を経験。この日も舞台挨拶を3回とQ&Aが1回。ホテルの前のコンビニくらいしか行けていないままに帰国するのかな……と思っていたところ、韓国のスタッフたちが思案してなんとか時間を捻出。この日の舞台挨拶はショッピングモール内にある劇場2カ所だったため、その地の利を生かして、10分間ショッピングを決行した。

「日本では売ってないUS仕様のコンバースが韓国で買えるらしい」と聞き、行ってみたいと思っていた関根の願いを叶えるため、コンバースへ。みんな「あ、これ可愛い」とどんどん試着を行う。監督も気に入ったものがあったがサイズがない……。関根は無事、希望サイズをゲット! 香椎もしっかりお気に入りを見つける。

コンバースあった!

移動した次の劇場もショッピングモール内にあった。「韓国のマツモトキヨシ?」的なOLIVE YOUNGを車内から見続けて一同で「オリヤン行きたい……」とつぶやいていたところ、「今から10分ほどなら見られます!」と言われみんなで小走りにショッピング。メイクさんに教えてもらった化粧品などを探すけれども見つからず時間が過ぎていく……。そんな中、ちゃっかり監督はコンバースを見つけて靴を購入。

そして、急いで戻って舞台挨拶とQ&Aを行う。最後は観客のスマホを点灯させて一緒に撮影、感動的な光景に。最後のQ&Aが終わると「あー……終わっちゃったね……」の声。8月21日の前夜祭から延べ6日間を一緒に過ごした監督とパーランマウムの4人。一緒に過ごす公式行事はすべて終了してしまった。それぞれがハグをしながら、別れを惜しむ。

みんなでハグ!!

韓国キャンペーンを終えて

Q&Aでは司会を現地のライターやラジオDJがしていて、届いた質問に対し、本人の映画に対する感想をとうとうと述べてからアンサータイムに。「まだ回答しなくていいの?」と思うほどにしっかり語る司会の方に、熱い想いも感じられて良い経験に。

また、観客と登壇者たちの距離が近く、最前列の人たちはプレゼントを持ってきてくれて、それを手渡していた。待ち時間に歩いているペ・ドゥナに観客が話しかけてなにか喋っている様子を動画で撮っていたり、とお互いがフレンドリー。それでいて、混乱も生じていない様子が印象的だった。

<9月15日>
帰国翌日、山下監督は脚本の向井康介と日本でもQ&Aとサイン会。サイン会の列は長蛇に……!

前日23時近くに帰国した山下監督と向井のQ&AをYEBISU GARDEN CINEMAで実施。上映回は満席の大盛況。複数回観ている方が多く、マニアックな質問がいくつも上がる。Q&Aの後はパンフレットへのサイン会。その列はどんどん伸びていき、果てには劇場を出てしまうほどに。100冊近いパンフレットにサインをして、充実のトークイベントとなった。

なんだか左右対称のふたり

<9月17日~9月25日>
山下監督、中国ツアーへ!

落ち着く暇もなく、山下監督は9月17日からまたしても海外へ。

【マカオ】
第2回マカオ国際短編映画祭で山下監督の特集上映が組まれ、『リアリズムの宿』『苦役列車』そして、『リンダ リンダ リンダ』が上映された。マカオでの上映でも監督にサインを求める人の列が!

サインを求める人々の列

【北京】
北京ではさらに規模の大きな山下監督特集上映が。『リンダ リンダ リンダ』『天然コケッコー』『苦役列車』『もらとりあむタマ子』『オーバーフェンス』『カラオケ行こ!』の6作品が「Never-ending adolescence」と題されて上映された。『苦役列車』の上映では中国を代表する映画監督ジャ・ジャンクー監督とのトークもあり、その縁を感じたファンからジャ・ジャンクー監督と2ショットのイラストが描かれたプレゼントをもらったそう。

ジャ・ジャンクー監督と山下監督

【杭州】
上海に近い、浙江省・杭州で行われた第八届浙江国际青年电影周で『リンダ リンダ リンダ』の上映。制服がなく、ジャージ登校という中国の観客からは「制服が羨ましい」という声が多かったそう。

映画祭スタッフの友人でOLさんだそう

中国の感想

全体的に若い観客、特に女性が多く、みんな画像をダウンロードして個人的にグッズを作る人が多いそう。いろんなプレゼントをもらって帰ってきた山下監督だった。

<9月28日>
山下監督×向井康介、Q&A再び!

またしても日本に戻るなり、Q&Aトークイベント。初めて映画を観た、という観客も多い中、マニアックだった質問が……「ソンさんをバンドにスカウトするシーンで、かなり大きめにヘリコプターの音が入っているのですが、あれはなぜ? 意図が知りたい」。

この質問は記憶の限り、20年間なかった!「あれはわざとです」と即答の監督。「『家族ゲーム』の影響でね」と向井もうんうんとうなずく。ヘリコプターの音がお気に入りで不穏な空気になる、とのこと。恵と凛子がバチバチなシーンだったから入れてみた、という意図が説明される。質問の手は最後まであがり続けたが、全員とは話しができず終了となった。

2005年公開の地、渋谷でのイベントに感慨深げ

<作品情報>
『リンダ リンダ リンダ 4K』

公開中

公式サイト:
https://www.bitters.co.jp/linda4k/

(C)「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ

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