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蒔田彩珠主演『消滅世界』性が消えゆく世界を映し出した予告編&メインビジュアル公開

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『消滅世界』メインビジュアル (C)2025「消滅世界」製作委員会

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11月28日(金)に公開される映画『消滅世界』の予告編とメインビジュアルが公開された。

原作は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作『コンビニ人間』直前の2015年12月に刊行された村田沙耶香による同名の長編小説。超少子化の先──「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作を、MTV出身の映像ディレクター・川村誠が脚本とともに映像化に挑む。

主人公・雨音を演じるのは蒔田彩珠、雨音の夫・朔には栁俊太郎が扮する。また、雨音の良き理解者として学生時代から親交を深める親友の樹里役を、『ガンニバル』での怪演が記憶に新しい恒松祐里が演じる。

そのほか、雨音と同じ高校の同級生・水内を結木滉星、樹里の夫・水人役に富田健太郎、雨音の元夫・正信役に清水尚弥、雨音の母・雫を霧島れいか、朔の彼女である深雪を松浦りょう、実験都市エデンで生殖を司る医師を山中崇、エデンの管理人を眞島秀和、謎の少年を岩田奏が務める。

舞台は、人工授精で子どもを産むことが定着した近未来の日本。夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は“家庭の外”の恋人か、二次元キャラが常識になっていた。それは“両親が愛し合った末”に生まれた子は異常とされる世界。主人公の雨音(蒔田彩珠)は、「お前、人工授精じゃないの? 気持ち悪い」と学校で虐められ、「お母さんは、なんで普通じゃない方法で私を妊娠したの?」と母親の雫(霧島れいか)に嫌悪を抱き、「私はお母さんとは違う。みんなと同じなんだ」と自分に言い聞かせていた。

雨音の性愛の対象は二次元キャラのラピス。自分がラピスに恋をしていると実感するとき、自分は母とは違うのだ、周囲と同じく正常だとわかって喜びを感じる雨音。「初めて恋をすることを教えてくれた」ラピスを同じく愛する同級生の水内(結木滉星)と特異な性関係を持つようになる雨音は、水内との身体のつながりに心が満たされていく。

大人に成長した雨音は、性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外の男性やキャラクターと恋愛を重ねていた。“普通”であるはずの夫と結婚したものの、その夫は「身体が反応してしまって……」と“妻”である雨音に性行為を求める。それは、この世界では“近親相姦”と非難される行為。夫が許せなかった雨音は離婚を選択する。

間もなく、元夫とは正反対の朔(栁俊太郎)と出会う。元夫から非常識な行為を受けた雨音に心からの同情を寄せる朔。その朔も、雨音との結婚を意識しながらも他の恋人がいる。そんな今の世界の常識を「あぁ嫌だ。汚らわしい。ちゃんと愛し合って子どもを作りなさい」と叱責する雫だが、雨音は朔と結婚。性愛とは無縁の穏やかな結婚生活を楽しんでいた。

その頃、住民全体で計画的に人工授精、出産、管理を行い、住民みんなで子育てをする実験都市「エデン」が千葉に作られていた。そこは恋愛も性も完全に無い世界。まさに“理想の楽園”に居を移すふたり。朔から「ふたりの遺伝子を受け継いだ健全な子を産むんです。もちろん人工授精で」と持ちかけられた雨音は「朔くんとの子なら作りたい」と同意。だが、その人工授精による妊娠が、ふたりの関係を狂わせていく。「私ね、怖いの。どこまでも“正常”が追いかけてくる」と困惑を見せはじめる雨音。果たして“エデン”は、本当にユートピアなのか。それとも、ディストピアなのか。

ラピス

劇中に登場する雨音が恋をするアニメキャラクターの少年“ラピス”のキャラクターデザインを手掛けたのは、ずっと真夜中でいいのに。、Eve、ポーター・ロビンソンなど数々のMVで知られるアニメーション作家のWaboku。自身の作品について「共通するキーワードは“退廃”と“寂しさ”」と語るWabokuは、ラピスのデザインに取り掛かる前に、宙を見つめて小一時間思案していたという。「普通のアニメキャラにはない奥行きが少しでも生まれ、誰かの心に届く事を願っています」とコメントを寄せた。

川村監督も「作品のコンセプト、物語に強く共感いただいて作画いただけたことが何よりの喜び」と語り、「次第に漂白されていく人間の世界とは裏腹に、色彩が失われた世界で色を取り戻していくラピスの造形は、主人公の葛藤と希望を象徴するものとなりました」とWabokuへ賛辞を贈った。

<コメント全文>
■Waboku(アニメーション作家)
この世界のアニメキャラが持つ存在感は、言うまでもなく現実のアニメよりも大きいです。
空想の産物である彼らと、フィクション越しでしか関わる事ができない私たち。
その壁が取っ払われたとき、果たしてどんな関係性に変わるのか、お互いがどう見え始めるのか。
デザインに取り掛かる前に、宙を見つめて小一時間思案していた記憶があります。
「キャラひとり生み出すなら、本来それくらい考えなきゃダメ」と諭されている気がして猛省もしました。
そんな気持ちで描き上げたラピス。
普通のアニメキャラにはない奥行きが少しでも生まれ、誰かの心に届く事を願っています。

■川村誠監督 コメント
Wabokuさんの退廃的で独特な作風・世界観に『消滅世界』との親和性を感じ主人公が愛するキャラクター・ラピスのデザインをお願いしましたが、作品のコンセプト、物語に強く共感いただいて作画いただけたことが何よりの喜びです。
次第に漂白されていく人間の世界とは裏腹に色彩が失われた世界で色を取り戻していくラピスの造形は、主人公の葛藤と希望を象徴するものとなりました。
Wabokuさんによる劇中アニメイメージともうひとりの主人公ラピスが作品を牽引してくれているので是非劇場の大スクリーンでご覧いただきたいです。

『消滅世界』予告編

<作品情報>
『消滅世界』

11月28日(金)公開

公式サイト:
https://shoumetsu-sekai.com/

(C)2025「消滅世界」製作委員会