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伝統と現代が交差する、“京都のこれから”を映す10周年へ。ロームシアター京都記念事業ラインアップ発表

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ロームシアター京都10周年メインビジュアル アート:tupera tupera(亀山達矢、中川敦子) デザイン:北原和規(UMMM) 写真撮影:山地憲太

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2026年1月にリニューアルオープンから10年を迎えるロームシアター京都が記念事業のラインアップを発表。10月1日に開催された取材会では、杵屋勝七郎、井上安寿子、武田真彦、西田悠哉、和田ながら、高谷史郎、土田英生、そしてメインビジュアルのデザインを手掛けたtupera tupera(ツペラツペラ)の亀山達矢、中川敦子が登壇した。

tupera tuperaの亀山達矢と中川敦子

節目の年を迎えるにあたり、これまでの歩みと未来が交差する場として、そして新たな物語への期待を込めて「つづきのはじまりはじまり」をテーマに掲げ、今年10月から2026年12月にかけてさまざまな事業を展開していく。

10周年のアニバーサリーにあたる1月10日(土)には、天下泰平、五穀豊穣を寿ぐ舞「三番叟」をさまざまな芸能で魅せる『三番叟づくし』を上演。狂言(能楽)、淡路人形芝居(人形浄瑠璃)、京舞(舞踊)、長唄(音曲)、早池峰岳神楽(神楽)の『三番叟』が一堂に会する、貴重な機会となる。長唄の杵屋勝七郎は、「『三番叟』という曲は非常にたくさん種類がありますので、その中から選んで構成した“三番叟組曲”として、新年早々おめでたい曲を皆さまに楽しんでいただこうと思っております」とコメント。

杵屋勝七郎

京舞の井上安寿子は、「京舞井上流は京都で発展した流派です。本来の三番叟は、長い物が多いですが、今回舞う寿三番叟は、その中で、お座敷用に作られたものです。また、三番叟には揉ノ段と鈴ノ段がありますが、寿三番叟には、鈴ノ段がありませんでしたので、今回はそこを足し新たに振りを加えて披露しようと思っています」と語る。井上と共に舞台に出るのは、地方も含め祇園甲部の若手芸妓たちで、「これから共に祇園町、そして井上流を支えていってくれる方々。このおめでたい舞台を一緒に務めたい」と意気込みを見せた。

井上安寿子

2026年度に実施する10周年記念事業は、京都にゆかりのあるアーティストに焦点を当てたプログラムが展開される。6月に開催される「Sound Around 006」は、音楽を軸とし、ジャンルや固定観念にとらわれない表現活動を探求するパフォーマンスシリーズの第6弾。今回は、京都を拠点に活動し、電子音響、パフォーミングアーツ、現代美術、伝統工芸など幅広い領域を横断して作品を制作する武田真彦を迎える。実家の家業が西陣織の織屋だった武田は、「伝統をどう継承していくべきかをテーマに作品制作を行っています。そこで今回考えたテーマは、自分の実家にちなんで“織ること”“織りなすこと”。茶人であったり、現代美術のキュレーターさんであったり、いろんなお知恵を拝借しながら、自分なりに空間と時間を織りなすような体験をこの場でつくれたらと思っています。五感を使って楽しんでいただけるものにしたい」と語る。

武田真彦

ロームシアター京都が2017年度から取り組む「レパートリーの創造」は、劇場のレパートリー演目として、時代を超えて長く上演されることを目指して制作されている企画。京都を拠点に活躍する若手演出家と世界を目指す「レパートリーの創造 ホープス」では、劇団不労社の西田悠哉、レトロニムの野村眞人を迎える。西田は2023年初演『MUMBLE―モグモグ・モゴモゴ―』のリクリエーションとワーク・イン・プログレスを行うと同時に、陰謀論をテーマにした新作『暗黒の喜劇』を創作する。「これまで都市伝説のようだったものが現実に起こり、いろんな捉え方が変わっていき、みんながバラバラのものを信じるようになっていく中で、自分たちはどうやったら手を繋げるのかということを考えてみたいなと。ブラックコメディよりもさらに黒い、ダークなコメディとして提示できたら」と西田。

西田悠哉

さらに「レパートリーの創造」では和田ながらが新作を発表する。まだ構想段階ではあるが、「男性は“男性”であるということを、どのようにやりくりしているのだろう」という問いを出発点に創作する予定だと話す。

和田ながら

12月にはダムタイプが登場。2002年以来の新作パフォーマンスであり、2020年に同館で初演される予定だった『2020』の、待望の上演となる。「ダムタイプは、メンバーから出てきたアイデアをひとつずつみんなでブラッシュアップしながらシーンを作り、繋げていくという作り方をしています。この作品は2020年に上演予定でしたが、COVID-19のため上演できませんでしたので、今回の10周年の企画に入れていただき、本当にありがたいと思っています。初演の時とは変わってくるかもしれませんが、トライアウトしていきたいと思っています」と高谷史郎。

高谷史郎

続いて、MONOの土田英生は京都の街を舞台にした新作朗読劇を手掛ける。「僕は朗読劇が非常に好きで、これまでに何本も朗読劇をしてきました。通常の舞台作品と比べると、朗読劇はちょっと簡易的なものに見られがちですが、僕は、朗読劇は朗読劇としてしか成り立たないものをやりたいと考えています。構想としては、京都の市井の人たちの、さまざまなメッセージのやり取りを、フィクションを挟みながら描きたい。京都の未来に希望が持てるような作品にしたいと思います」と語った。

土田英生(MONO)

他にも、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団などの世界最前線のダンスや、杉原邦生が初のオペラを手掛ける『愛の妙薬』、岡田利規が能に触発されて創作する音楽劇『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』など、注目作がラインアップ。ロームシアター京都が紡ぐ新たな物語の幕開けに期待が高まる。

取材・文:黒石悦子

ロームシアター京都 2025年度/2026年度10周年記念事業

■ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』

© Rahi Rezvani

世界で脚光を浴びる振付家ダミアン・ジャレと京都発の彫刻家名和晃平によるコラボレーション。

2025年11月8日(土)・9日(日)
会場:サウスホール

・東京公演:11月1日(土)〜3日(月・祝) 東京芸術劇場プレイハウス


■ピナ・バウシュヴッパタール舞踊団『Sweet Mambo(スウィート・マンボ)』

©Karl-Heinz Krauskopf

愛する人々への惜別の歌――
ピナ・バウシュ最晩年の作品を、最愛のダンサーたちが踊り継ぐ。

2025年11月21日(金)・22日(土)
会場:メインホール

・埼玉公演:11月27日(木)~30日(日) 彩の国さいたま芸術劇場


■クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)『WAVES』

クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)鄭󠄀宗龍(チェン・ゾンロン)×真鍋大度。ダンスとテクノロジーの交差点。

2025年12月17日(水)
会場:メインホール


■プレイ!シアターfor the 10th anniversary オープンデイ

ロームシアター京都10周年を迎える1月10日と。翌11日には「プレイ!シアターfor the 10th anniversary」と題し、劇場全体が祝祭空間に。大人から子どもまで楽しめる多彩なオープンデイ企画が繰り広げられる。

2026年1月10日(土)・11日(日)
会場:全館


■プレイ!シアターfor the 10th anniversary《継承と創造》『三番叟づくし』

画:山本太郎《三番叟三》Sanbaso-three 2025

狂言(能楽)、淡路人形芝居(人形浄瑠璃)、京舞(舞踊)、長唄(音曲)、早池峰岳神楽(神楽)とさまざまな「三番叟」演目を一挙上演。五穀豊穣を寿ぐ三番叟多様な芸能が一堂に会する。

2026年1月10日(土)
会場:サウスホール


■プレイ!シアターfor the 10th anniversary『饗宴!5台のピアノと5人のピアニスト』

2026年1月11日(日)
会場:サウスホール


■2025年度全国共同制作オペラ歌劇『愛の妙薬』

現代に生まれ変わる!とびきりハッピーでカワイイロマンティック・コメディ。

演目:歌劇『愛の妙薬』
(全2幕、イタリア語上演、日本語・英語字幕付き/新制作)
作曲:ガエターノ・ドニゼッティ
台本:フェリーチェ・ロマーニ
指揮:セバスティアーノ・ロッリ
演出:杉原邦生(KUNIO)
出演
アディーナ:高野百合絵
ネモリーノ:糸賀修平
ベルコーレ:池内響
ドゥルカマーラ博士:セルジオ・ヴィターレ
ジャンネッタ:秋本悠希
ダンサー:福原冠、米田沙織、内海正考、水島麻理奈、井上向日葵、宮城優都
合唱:堺+京都公演特別合唱団
管弦楽:京都市交響楽団

2026年1月18日(日)
会場:メインホール

・東京公演 11月9日(日) 東京芸術劇場
・大阪公演 11月16日(日) フェニーチェ堺


■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』

『未練の幽霊と怪物』(2021年) より(撮影:高野ユリカ)

能のフォーマットを応用し、ついえた「夢」を幻視する、レクイエムとしての音楽劇。

作・演出:岡田利規
音楽監督:内橋和久
出演:アオイヤマダ、小栗基裕(s**t kingz)/
石倉来輝、七瀬恋彩、清島千楓/
片桐はいり
謡手:里アンナ演奏:内橋和久
プロ

2026年3月21日(土)・22日(日)
会場:サウスホール

・神奈川公演 2026年2月13日(金)~3月1日(日) KAAT神奈川芸術劇場
・兵庫公演 2026年3月7日(土)・8日(日) 兵庫県立芸術文化センター
・新潟公演 2026年3月15日(日) りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館


■Sound Around 006

武田真彦 ⓒTomoko Hayashi (atelier now/here)

2026年6月13日(土)・14日(日)
会場:ノースホール

音楽を軸とし、ジャンルや固定観念にとらわれない表現活動を探求するパフォーマンスシリーズの第6弾。京都を拠点に活動し電子音響、パフォーミングアーツ、現代美術、伝統工芸など幅広い領域を横断して作品を制作している武田真彦が登場。


■ロームシアター京都10周年×京都市交響楽団創立70周年共同プロジェクト

◎Project A /『オルフ:カルミナ・ブラーナ』
2026年8月23日(日)
会場:メインホール

◎Project B /『ブリテン:春の交響曲』(2026年12月4日【ブリテン命日:没後50年】)
2026年12月4日(金)
会場:メインホール


■『Have a Good Day! 』

Modestas Endriuška

リトアニア出身の作家・ヴァイヴァ・グライニテ、作曲家・リナ・ラペリテ、演出家・ルギーレ・バルズジュカイテによる現代オペラ。

作詞:ヴァイヴァ・グライニテ
作曲:リナ・ラペリテ
演出:ルギーレ・バルズジュカイテ

2026年9月下旬予定
会場:サウスホール


■レパートリーの創造 ホープス

左から)野村眞人、西田悠哉


①西田悠哉
劇団不労社新作公演『暗黒の喜劇』
リクリエーション『MUMBLE ―モグモグ・モゴモゴ―』

2026年10月予定、会場未定

劇団不労社新作公演『暗黒の喜劇』ワーク・イン・プログレスの公開
2026年1月31日(土)・2月1日(日)
会場:ノースホール


②野村眞人
新作公演『観光(仮題)』
リクリエーション『吉日再会』

2026年10月下旬~11月上旬予定、会場未定

野村眞人ワーク・イン・プログレス公演
日程:2026年3月24日(火)・3月27日(金)
会場:ノースホール


■レパートリーの創造 和田ながら
新作公演

2026年12月上旬予定
会場:ノースホール


■ダムタイプ『2020』

撮影:福永一夫

2026年12月
会場:サウスホール


■土田英生作・演出新作朗読劇

2026年12月20日(日)
会場:サウスホール


※各公演の詳細は劇場公式サイトにてご確認ください。


ロームシアター京都公式サイト https://rohmtheatrekyoto.jp/

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