心新たに思い出のLINE CUBE SHIBUYAにLienelとして立つ――Lienel 4th Live Tour 2025『Miracle』最終公演をレポート
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Lienel 4th Live Tour 2025『Miracle』
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東京・渋谷にあるLINE CUBE SHIBUYA。約2000人を収容するこの会場を1つのグループのファンで埋め尽くされること、そしてグループのメンバー全員でトラブルなくライブを完走することはいかに奇跡的なことなのか――10月13日に行なわれたLienel 4th Live Tour 2025『Miracle』のツアーファイナルを見て、そのようなことを考えてしまった。
本稿では、まるで王子様のように煌めくステージからスタートし、特攻服で締めくくったLienelらしさ全開のライブをレポートする。
煌びやかな衣装で夢の国へと誘う
開演前、会場に流れる『Neo ROMANTIC』に合わせ、Lien(Lienelファンの呼称)は歓声を上げ、すでに盛り上がり十分。そして、徐々にその音量が大きくなった後で、会場は暗転。ステージ上にはテーマパークのような音楽と、グループカラーであるパープルを基調としたチェック柄の王子様風なジャケットを羽織ったメンバーの映像が流れた。
そんな映像に心奪われている間にステージ上には薄い白の幕が登場。その布が落ちると、先ほど映し出された映像の中と同様の衣装でメンバーが登場。1曲目は好きな人との両思いの日々が永遠に続くようにと歌う『kimito』。高岡ミロが《この指とまれ!》の歌詞で小指を差し出した後で目元でピースを作りウィンクをしたり、高桑真之が2番のサビ終わりの「こっちおいでよ」という呼びかけを「愛してるよ」とアレンジしたり、ラスサビではメンバー全員が愛嬌たっぷりのポーズをしたり……まだ1曲目であることが信じられないくらいにキュンとするポイントが多数散りばめられていた。
芳賀柊斗が「ツアーファイナル! 皆さんと1つになって、最高の思い出を作っていきましょう」との呼びかけでスタートしたのは『Love With You』。ここでもメンバーはたくさんのハートを作り、Lienを沸かせる。そのままノンストップで披露されたアッパーチューン『Connected』では「Hey」の煽りにLienも大きな声で盛り上げる。つくづく、LienelのステージはLienも一体となることで完成されているところがあるなと感じさせられた。
3曲を披露し終わったところで、一人一人から挨拶が。ここで高桑は「僕、今日ライブで初めてカラコンをしました……」とアピールするとファンは大興奮! ファンの声に応えるかのようにカメラが高桑の顔にグッとよると、また1段階盛り上がりを増していた。これには高桑と同学年の武田創世が「僕もカラコンしてます!」と笑顔。続けて「ファイナル、盛り上がる準備できてますか?」と煽った。
等身大のラブソングは、キュンポイントが満載

挨拶が終わったところで4曲目に披露されたのは、メンバーの名前をLienがコールするところからスタートする『純情シンドローム』。ステージの上手と下手に広がり、会場全体を盛り上げたかと思うと。曲の締めくくりでは、この曲のお決まりとなったジャケットプレーで締めくくった。
その後、芳賀が髪を直す仕草をし、ジャケットを脱いだところで、ピンクの手持ちバルーンを持ったメンバーが登場。ストレートな恋心を歌った楽曲『セカイイチ』のパフォーマンスでは、武田と高岡が2人でハートを作ったり、芳賀に武田が強めに抱きついたりと終始甘い時間が続いていた。
ベンチに座ってのダンスが印象的だったのは少し大人なメロディと前向きな歌詞が魅力的な『Baby Girl』。曲中では森田が馬跳びを披露し、曲終わり最後のフレーズでは高岡がメロディをアレンジして歌うなど、見どころが満載。
曲中に「フレーフレー」とLienを応援する呼びかけが含まれている『AMAZING WORLD』では、とにかく歌詞に合わせてコロコロと表情を変えるメンバーの姿が印象的。曲終わりには、芳賀、高岡、近藤駿太のみがステージ上に残り、ダンスブリッジへ。3人が順にソロダンスを披露すると、続けて赤を基調としたジャケットを羽織って登場した武田、高桑、森田がダンスを披露し、6人揃ったところで披露されたのは『Blown out』。さきほどまでの王子様な印象から一変させ、魅せる。1番のサビでは高桑がセンターとなり、キレイなフォーメーションを組む6人の姿が脳裏に焼きついた。
新曲『Mirror』、力強い楽曲『UNKNOWN GROOVE』とノンストップで3曲を披露し、Lienelのクールさとダンサブルな姿を存分に発揮。目まぐるしく移り変わっていくライティングの中に、Lienelの新境地を見た気がした。
ジャケットにネクタイ……大人なLienelもたまらない

この日、2回目となるMCタイムでは「過去一盛り上がっている!」と高岡。実は高岡、森田、高桑の3人は研究生時代にLINE CUBE SHIBUYAに立ったことがあるものの、その当時はチケットがSold outできなかったと当時のエピソードを披露。そんなエピソードに続き、近藤はLienelとして結成間もないころ、「原因は自分にある。」のワンマン公演でオープニングアクトを務めた日のことを振り返り。「あの日、タクシーに乗って移動していたんですけど、タクシーの運転手さんに“ここで公演するなんてすごいね”と言われて“僕はオープニングアクトなんです。いつか単独でここに立てるように頑張ります”と宣言したんですよね」とアツく語る。しかし、その後で「そして、その時の運転手さんが、なんと2階席に……」と言うと、芳賀からすかさず「嘘です!」とツッコまれる。絶妙なコンビネーションで会場から笑いを誘った。
そんなMCタイムを経て「僕たちと一緒に楽しんでいきましょう!」との高岡の呼び声を合図に披露されたのは、目まぐるしく変化していくフォーメーションが美しい『罪と罰』。続く『Tokyo Mellow Night』ではステージ上でメンバーがクールな衣装から、ジャケットとシャツ、そしてネクタイを合わせた衣装に生着替え。ここで高岡と価格我が銀色のフレームのメガネをかけると、そのかっこよさとかわいらしさの融合にLienは絶叫。ミラーボールの中、東京を舞台にした大人な夜を歌った。
そんな高岡は『Melty flowers』のチェアを使ったダンス中に、メガネを外しカメラにキュートさをアピール。武田は芳賀のネクタイに手をかけるなど、色気溢れる表情にグッと心を掴まれた。『Love Me Madly』では《君の肩を抱く僕は悪い人?》のパートで、近藤が武田の肩にそっと触れる。先ほどまでとは打って変わった大人っぽさにLienはドキドキさせられっぱなしだ。
特攻服で登場した6人の愉快な暴走天使たち

王子様のような演出、等身大の恋心、クールでスキルフルなダンスパートを見せた後で、Lienelらしい歌謡で魅せる大人っぽさ。ここまで表現の幅がとにかく豊かなLienelには、あと1つ欠かせない要素がある。
それは真面目にやる“おもしろさ”だ。
長めの映像で紹介されたのは光速の六大神に扮したメンバー。シルエットで構成されたその映像の後で、一人ひとりの紹介文と共に登場したメンバーはなんと真っ白の特攻服に身を包む。こうして“伝説のラストスパート”が幕を開けたのだ。
個性あふれる紹介文ラップで構成された『We are Lienel!!!!!!』では、少しヤンキー感がプラスされた武田がカメラに向かって「そんな顔すんなよ。守りたくなんだろ?」と胸キュンフレーズを炸裂。かと思えば、高岡と芳賀がセンターのポジションを争い喧嘩を始めたことで、6人での喧嘩に発展。最終的には5人から「俺らに会いたくなかったのかよ!」と攻められる形になった芳賀が「会いたかったに決まってんだろ?」とのセリフを言い《会いたかったかい?》《会いたかったよ》の歌詞からスタートする『Mr.Sister』へ。
喧嘩もひと段落したかと思いきや「お腹が空いてきたな〜」と言う自由なふるまいで、Lienelの愉快さが全開の楽曲『Curry on love』へ。ここでは今年8月に行われた『EBiDAN THE LIVE 2025 HOTEL NINE STAR』で3日間登場した福神漬けの被り物も登場。福神漬け役を務めた高岡を高桑が食べるふりをする仕草もまたかわいらしかった。
カレーで満腹になった一行は「かわいい子がいる!」と舞い上がり、2000年代初期にブームとなったパラパラを彷彿とさせる『恋のFIRE! FIRE!! FIRE!!!』で猛アピール。しかし、その恋はうまくいかず、失恋した心を歌った『Navy Blue』へと繋げた。すると、今度は雨の効果音が流れる、そこで6人は家に移動し、ゲームを楽しむことに。芳賀と高桑がまるで格闘ゲームの始まりを彷彿とさせる振り付けをし、スタートしたのは『アンチハート』。しかも、ここで披露されたのはいかつめな表情に特攻服をきていたメンバーのインナーはくまや犬があしらわれたメンバーカラーのトップスだということ。もう、かわいいのやら、かっこいいのやら感情が混乱を招いた中、スクリーンに映し出されたのは“ジュリア”こと長いヘアスタイルをあしらった武田と高桑の映像。『ジュリアの口づけ』へと繋げた。
『恋は罪ですか?』『親指☆Evolution!』を続けざまに披露し、ステージはいよいよクライマックスへ。本編ラストには武田が「本当にこれで最後の曲だよ!」と叫び『No Limit,No Rules』で締めくくり。曲中、近藤が大好きな野球を楽しむバッティング姿も披露され、メンバーはステージの後方へと去っていく。かとおもえば、最後、ステージの前方に6人で登場し「ヨロシクー!」と伝説のヤンキーらしく締めくくり、ステージは終了した。
近藤「一生アイドル辞めたくないなって思いました」

本編が終わった直後には、今までのMVの撮影時のオフショットや、ライブのステージ裏を映し出した映像が流される。その中には、デビューして間もない頃、今よりも少しぎこちないメンバーの距離感も映し出されており、今この6人でLienelというグループでいったいとなり、そして何よりもステージを楽しんでいる瞬間こそがツアータイトルの『Miracle』であると感じさせた。
大きなアンコールの後で客席の至る所から登場した6人は『Summer Boy! Summer Girl!』『超絶SUMMERでバカになれ』『ギラサマ』と夏の楽曲を3曲ノンストップで披露。その間、ファンからのリクエストに答えポーズを取ったり、サインボールを渡す姿が見受けられ、ハートフルな気持ちになった。
ここでメンバーはペンライトをグループカラーの紫に変えるように呼びかけ。最後はこれからも6人で明るい未来を目指していく決意を歌った楽曲『Fly High』でファンと一体に。パフォーマンスは終了した。
そして、最後には6人が1人ずつ挨拶。その挨拶の内容を全文で紹介しよう。
高岡「MCでも話しましたが、僕は研究生の時にここの会場で公演を行いまして。でも、Sold outできず。全国の研究生のみんなでやったんですけど、2階席、3階席もなくて、当時は2階のロビーが楽屋になったりして、自分のファンの方も1人か2人ぐらいでした。その時(席を)埋められなかったことも残念だし、もっともっとより多くの人と出会いたいなと思っていた、そんなステージにLienelとして、僕のファンの方も、たくさんいらっしゃいますし、Lienelというこの素敵な5人、僕含めて6人のファンの皆さんが集まってLienelが1グループだけでワンマンできていることを、すごい誇らしく思います。それと同時に、皆さんには、本当に感謝しかないし、これからも、もっともっといい景色を見せていけるように、僕たち日々精進したいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。」
近藤「本日はツアーファイナルにお越しいただきありがとうございました! 最後の曲『Fly High』でペンライトをグループカラーである紫にしてくれたことによって、ファーストワンマンライブのZepp Hanedaと重なって。でも、その時よりもこんなにもたくさんのLienが来てくれたりとか、だんだんLienが増えていっているという実感もありますし、昔から来てくれている人だったり、新しくLienelに興味を持ってくれた人が、こんなにも多いんだなというふうに思って、すごく感動しました。そして、今回のツアーで僕自身は、絶対にアイドル辞めたくないなって思いましたし、これからもLienel6人で何十年もずっとやっていけるように頑張るので、皆さんついてきてくれるとうれしいです!」
武田「自分の時間を僕たちに費やしてくれて」と感謝

武田「駿太が言ったように、最後こうやって(ペンライトを)紫にしてくれて、Zepp Hanedaの景色と重なったというのもあるし、日々のリリースイベントとかも、僕たち遠くまで飛びまっわったりしているのに、ずっとついてきてくださるLienもいますし、(リリースイベントの開催が)土日とかが多い中で、休日の大切な時間を僕たちに捧げてくれたりとか、自分の時間を僕たちに費やしてくれているのは、僕だったら絶対にできないことだし、やっぱりこういうふうに時間を一緒に共有したり、その中で、皆さんの笑顔をたくさん見られると、皆さんに感謝しないといけないんだな、というのを日々実感しています。それと、あと皆さんなら、これからも僕たちについてきてくれると信じているので、絶対、一生!ついてきてください」
森田「こうやって最後まで誰一人欠けることなく、全員でステージに立てたことは、本当にうれしいですし、最後の最後『Fly High』でペンライトが紫一色になったのを見て、僕たちも一体感を感じましたし、すごく絆が深まったんじゃないかなと思います。本当に、今日来てくださったLienの皆さんがいなければ、僕たちステージに立ててないので。本当に常にLienに感謝を忘れず……こうやって言葉で伝えることはたくさんできるんですけど、行動だったり、パフォーマンスで、これから僕たちLienelを見せていけたらなと思います。絶対に、この景色を忘れないと思うので、皆さんもこの景色を忘れないでください。そして、もっともっと大きなステージに立って、皆さんに恩返しできるように頑張ります!」
高桑「本日は、足をお運びいただき……ん?合ってる? 足をお運びいただき本当にありがとうございます! 本当に紫の景色になった時に、こみ上げてくるものがあって、めちゃくちゃ今感動に浸っているんですけど、こういう景色を観られるのは、皆さんのおかげなので、本当にありがとうございます。本当に壁紙にしたいくらいキレイで……。脳の壁紙にして、一生過ごしていきたいと思います!」
芳賀「本日は足を運んでくださり、そして配信をご覧の皆さん、ありがとうございます。僕は、ちょっとそんなに語彙がないので、ごちゃごちゃになっちゃうと思うんですけれども、このツアーが決まったときに、正直(席が)埋まるのかなとか、めっちゃ思っていました。東京2部(公演)!?って。でも、こうしてソウルドアウトもできて、今日は雨が降るかもしれなかったのに、朝早く起きて、メイクしてくれたり、可愛くなって、かっこよくなって、来てくれたからすごい嬉しいなと思ったし、ここに来てくれている、配信を見てくれているLienの皆さん、まずありがとう! あの、もう本当に僕たちまだまだ大きいステージに立ちたいんですよ。だから、皆さん、僕たちにずっとついてきてほしいです。そして、いろんな思い出だったりとか、辛いこともあるかもしれませんが、最高の時間を皆さんと過ごせたらなと思います!」
それぞれの思いを語った後、ラストは上手、下手、センターの順で会場全体に向けて手を振るLienel。そして、ステージを去っていった後で、来年のツアーLienel 5th Live Tour 2026『Osyan』の開催が決定とのお知らせが。その最終公演は、グループ最大規模となるパシフィコ横浜で開催されるとあり、ファンからは大きな歓声が上がった。
煌びやかなステージングから、クスッと笑える演出まで自分たちのものにしながら、楽しんでいる姿が印象的だった今回のステージ。次なるライブは年明けの『Lienel New Year Party 〜あけおめ2026〜 』。そこではいったいどんな姿を見せてくれるのか、楽しみだ。
取材・文 於ありさ
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