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真弓孟之が見つけた“愛ってなんだろう?”「好きな人のためなら何でもできること」

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インタビュー

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真弓孟之 (撮影/梁瀬玉実)

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明るく元気なムードメーカータイプの真弓孟之。アクロバティックなダンスを得意とする7人組の関西ジュニア・AmBitious(アンビシャス)の一員として活躍。現在も全国ツアーの真っ最中だ。最近では、TBS系日曜劇場「御上先生」の生徒役でアドリブにも挑戦するなど、瞬発力を発揮したお芝居で存在感を放っていたのも記憶に新しいところ。『恋に至る病』では、初の長編映画出演にチャレンジ。主演のなにわ男子・長尾謙杜との共演もみどころで、先輩と後輩という垣根を超えた俳優としての二人のやりとりがスクリーンに滲み出ている。

笑わないお芝居は台本にはなかった

――まずは事務所の先輩である長尾謙杜さんの主演作(山田杏奈とのW主演)に出演が決まった時のご心境から聞かせて下さい。

映画初出演で嬉しい気持ちもありましたけど、不安な気持ちもありましたね。この作品の撮影時点では、映像の演技はあまりやったことがなかったんですよ。そんな中で、事務所に入所した時から関西ジュニアの最前線で活動されていた長尾くんが現場にいたのは、めちゃくちゃ心強かったです。なにわ男子さんのバックに付かせてもらうこともあったんですけど、お芝居では初共演なので、楽しみでした。

――「年下彼氏2」や「御上先生」など、ここ数年ドラマにも出演されていますよね。

順番的には今年放送されたドラマ「御上先生」より「恋に至る病」のほうが先に撮影していたんですよ。学生役って、教室に生徒役のキャストの方がいっぱいいるじゃないですか。去年放送の「年下彼氏」は同じ事務所の仲間で少人数の撮影でしたけど、今回のような大勢のキャストがいる環境は初めてなので、緊張しました。

――真弓さんが演じたのは、宮嶺と景のクラスメイトの井出翔太です。学級委員を務めていて、転校をして間もない宮嶺を気に掛けているような印象を受けました。どんなキャラクターと捉えて演じましたか。

長尾くんが演じる宮嶺ってちょっと内気な性格なんです。転校してきた時、1番最初の自己紹介をちょっとミスっちゃって、みんなに笑われるシーンがあるんですけど、そこでは唯一僕だけが笑わず、「ちょっと、なんで笑ってんの!?」みたいなお芝居をしました。他の生徒たちがみんなちょっと宮嶺を馬鹿にした雰囲気の中、自分だけは優しい雰囲気を心掛けて。皆と違うお芝居をしているっていうのが、初めてだったので、めちゃくちゃ怖かったです!

――その一人だけ笑わないお芝居は、アドリブですか?

そうですね。台本にはなかったです。学級委員長のイメージって生徒のお手本のような感じかなと思って。みんなの真ん中におるというか、全員と喋りやすい位置におるのが学級委員やと思ったんで、常に喋りやすい男であろうと思いました。僕と違って、井出くんはめちゃくちゃ真面目ですね。でも、おしゃべりが好きって点では、同じやなと思います。ちゃんと相手の話を聞き出せるというところは自分と似てるなと思いました。

標準語が難しかったです

――もし学生時代、教室にリアルな真弓さんがいたとしたら、どんな立ち位置で教室にいると思いますか?

えー。でも、井出くんかも……。みんなが誰か1人を馬鹿にしているシチュエーションがあったら、引っかかることが多い人なんで。実際に自己紹介の場で誰かが笑われていたとしても、自分は笑わんなって。だから、ホンマに井出くんやと思いますね。

――ちなみに標準語のセリフは大丈夫でしたか?

いやー、大変でした。関西人特有の悩みなんですけど。関西弁と標準語のイントネーションでゴチャゴチャになるんですよね。標準語って1回英語に翻訳するみたいな、違う言語をしゃべってるみたいな感覚に陥っちゃって……。それで長尾くんに教えてもらったんですが、めちゃくちゃ頼もしかったです!

――高校生役ですが、役作りはどんなことをしましたか。

最近は髪の毛を上げたり、動かしたりするようになったんですけど、最初の打ち合わせでは、目を見せるのが嫌で、ずっと前髪を降ろしてたんですよ。でも、監督さんが「真弓くんは上げてる方がいいよ。委員長としての風格が出る」って言って下さったので、その監督さんの一声で前髪を上げようと思いました。それ以来、普段も髪の毛を動かしがちです(笑)。

――生徒役のキャストのみなさんは同世代が多いですよね。

同世代の方が多くて、結構皆さんラフに話しかけてきて下さったので、初めましてじゃない感覚でした。今回、現場入りする前から「全部現場で学ぼう」のマインドで自分はいようと思ってたので、委員長役やけど、末っ子みたいな感じやったかもしれないですねぇ~。

長尾くんは、息する間もないくらい喋りかけてくれました(笑)

――景役の山田杏奈さんと今回共演して、どんなことが印象に残っていますか。

僕、台本を読む前にまず原作小説を読ませてもらったんですよ。景という役は、クラスメイトが言うことをききたくなってしまうようなカリスマ性のあるキャラクターで、これまで自分の周りにはいなかったような人物像だなと思いました。原作を読んだとき、これをどう演じるのか想像ができなかった。でも、現場に入ったら、山田さんはすでに景としての役周りが出来上がっていて。別にめっちゃ明るいというわけじゃなかったんですけど、でも何か周りを元気にする華やかさを感じて、「すごいな、景やな」と思いましたね。

――これまでの山田さんの出演作品も観ていましたか。

「ミスミソウ」を拝見していました。ちょっとグロテスクなところがあるミステリーやなと思いました。山田さんは単純ではない物語というか、ちょっと複雑ないろんな要素詰まってる作品によく出られてるなって印象がありますね。

――長尾さんとは席が隣同士ということで、撮影の合間も和気あいあいとされていたそうですね。

長尾くんは、ホンマに息する間もないくらい喋りかけてくれました(笑)。これまで関わりは0じゃなかったですけど、挨拶するくらいの関係やったのに、いきなり“孟之”って呼んできてくれて。僕のことを“孟之”って呼ぶ人はホンマいなくて、多分いじってるつもりなんでしょうね。「その呼び方、やめてください」ってやりとりをして、そこからめちゃくちゃ距離が近くなった気がします。あと、僕は「AmBitiousのライブがあるので観に来て下さい」って何回も言うんですけど、長尾くんは、「結局、ライブっていつやったっけ?」みたいなボケを何回もしてくれたっていう(笑)。

僕の映画出演に、AmBitiousのメンバーはめっちゃびっくりしてました

――現場や完成した作品で長尾さんのお芝居を見て、学びになったことがあったら、知りたいです。

僕、ホンマすごいなって思うのが、長尾くんが演じた宮嶺と長尾くんが正反対な性格なんですよ。長尾くんって普段は明るくてふざける人なんです。でも、本番に入ったらめちゃくちゃ冴えない宮嶺そのもので、そのギャップがすごい。他の出演作品を観ていても、結構暗い役が多いんですよね。ホンマの性格とのギャップがあるのに100点満点で役になれる長尾くんって天才なんやなぁって撮影中、めっちゃ思ってました。

――確かに長尾さんは繊細で影のあるような役がハマりますよね。

長尾くんも言ってました。「俺、ずっと暗い役ばっかりやねん」って(笑)。長尾くんってなにわ男子の中では末っ子キャラですけど、僕の中では、大橋和也くんと長尾くんが切り込み隊長的な役割を担っているなって印象なんですよね。この作品の現場でも、共演者の皆さんと全員とまんべんなくしゃべっていてすごいなと思いました。

――ちなみに映画への出演が決まって、AmBitiousのメンバーの反応はいかがでしたか?

マネージャーさんに映画が決まったって言われてから、すぐにはみんなに言わなかったんですよ。決まって3ヶ月後ぐらいの撮影が始まるぐらいのタイミングでみんなに言ったんです。いろんなリハも重なってる時の撮影で、どうしてもリハを抜けちゃう時があったので、「映画でんねん」って言ったら、めっちゃビックリしてました。

――そうなんですね。個人活動をする時はどんな心構えでお仕事されていますか。

個人仕事で得た経験を全部グループに還元できたらなという意識でやってますね。個人活動の時は、普通なことをするんじゃなくて、ちょっとでも挑戦して、バズるじゃないけど話題になって爪痕を残せたらいいなと思っています。でも、悪目立ちしちゃあかんから、そこのバランスは常に悩みながらやってますね。何かしら、誰かの心に残るような表現をできたらなという想いはあります。

――俳優業は、これからもどんどん挑戦していきたいですか?

もちろん、その気持ちはあります。でも、お芝居は難しいので、トライアンドエラーの精神で頑張ります! 長尾くんのような演技のお仕事で引っ張りだこな先輩が身近にいるので、そういう人に教えてもらいながら、頑張っていけたらなと思っています。僕、お芝居では二宮和也くんに憧れていて。二宮くんが出演されていた「推しの子」は原作漫画を読んでいたんです。カミキヒカルは、実写化でどうやって表現するんやろってずっと思っていたら、まさかの二宮くんが演じていて。みんなが思ってた等身大のカミキを演じてくれたので、カッコ良かったですね。二宮さんとお会いする機会はなかなかないので、いつか共演できたら嬉しいですね。

――今後やってみたい作品などありましたら、教えてください。

これまでは明るい役が多かったんですよね。僕、「あなたの番です」っていうドラマがめちゃくちゃ好きなんですよ。だから、ミステリー系に出れたら嬉しいですね。ミステリーって、役の設定も複雑で演技も難しいでしょうけど、何か事件が起きて、その真相が明るみになっていくような作品に出てみたいです。

「愛ってなんやろうな」と考えていたんです

――真弓さんは、AmBitiousとしても今、夢を叶えようと階段を駆け上がっている最中だと思います。自分なりの夢を叶える秘訣はありますか?

初心を忘れないことですかね。僕は関西ジュニアのグループの一員ではありますけど、グループを組むことがゴールじゃないと思っていて。グループを組ませてもらえるまでに褒められたこととかあって、もっと頑張ろうって思った時の初心を忘れたらあかんなっていう気持ちがあります。自分のいいところが消えちゃったら、そこでもう終わりやと思うんで、初心を忘れずに、周りの人に感謝しながら自分のできることを精一杯やろうっていう気持ちが今ずっと胸の中にありますね。

――具体的に目標や夢を決めて、コツコツ達成していくタイプ?

なんやろ。でも、テレビ番組に出演するときは、“こういう立ち回りでこういう反響いただけたら嬉しいな”みたいな目標みたいなものは、1つ1つの番組に対してあります。お芝居に関しての目標は、今回の映画も完成した作品を観て、良かったなと思うところもあれば、反省する部分もあって、まだまだだなと思ったので、もう1回こういう生徒役として出演できるような作品もやりたいですね。例えば今回はいじめられっ子を守る役側でしたけど、長尾くんみたいにいじめられる側とかでもいいですし、自分が経験したことない役もやってみたいです。もちろん同じような役でも、成長した自分でまた同じような作品をやったら、どう変わっているか見てみたいというのはありますね。とにかくいろんな経験ができたらと思います。

――今作は思春期ならではの複雑な心理描写も多い作品ですが、映画を楽しみにされている皆さんにどんなメッセージを伝えたいですか。

最近、「愛ってなんやろうな」ってそんな話をAmBitiousのメンバーとしたばかり。今、AmBitiousとして全国でライブツアー中なんですが、ライブするにしても、1曲1曲メンバーが「この曲はこういうイメージだよね」って共通認識がないと、振りも揃わないよね、みたいな話になって。曲への愛と理解がないと駄目やなって思いました。で、愛ってなんやろうって思った時に、僕はこの作品を観て、好きな人のためなら、なんでもできるっていうのが愛やなって思いました。宮嶺もそうですし、景もそうですし。行動には理由があって、好きすぎてやってしまうこともあると思いました。この作品に触れて、僕は愛について考えさせられたので、皆さんもそんなことを感じて欲しいですね。愛の力というか、愛の深さ、そういったものを感じられる作品になっていると思います。


<作品情報>
『恋に至る病』

10月24日(金) 全国公開

配給: アスミック・エース
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会

出演:
長尾謙杜 山田杏奈 ※W 主演作品となります
醍醐虎汰朗 中井友望 中川 翼 上原あまね 小林桃子 井本彩花 真弓孟之(AmBitious)
/ 忍成修吾 河井青葉 / 前田敦子
監督:廣木隆一 脚本:加藤正人 加藤結子
原作:斜線堂有紀『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
音楽:加藤久貴
制作プロダクション:アスミック・エース ダブ
配給:アスミック・エース
PG-12

【STORY】
長尾謙杜×山田杏奈 最旬俳優W主演!
TikTok で200 万回再生の大反響を呼んだ衝撃の恋愛小説、実写映画化
この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー
内気な男子高校生・宮嶺と学校中の人気者・景。 不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。
やっぱり僕は君が好きだ―。
切なすぎるラスト4 分。 《彼女の本心》が明かされる。

公式サイト:https://koiniitaruyamai.asmik-ace.co.jp/
公式X:@KiY_movie
公式Instagram・TikTok:@kiy_movie


撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子

フォトギャラリー(8件)

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