期待高まる10周年記念公演! 『デスノート THE MUSICAL』製作発表会見レポート
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『デスノート THE MUSICAL』製作発表会見より
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すべて見る2015年の初演から10周年を迎える『デスノート THE MUSICAL』の製作発表会見が10月9日、都内で開催され、加藤清史郎、渡邉蒼、三浦宏規、鞘師里保、リコ(HUNNY BEE)、濱田めぐみ、浦井健治、今井清隆が出席した。
原作は週刊少年ジャンプに連載された人気漫画「DEATH NOTE」。名前を書かれると死んでしまう死神のノートを手に入れた夜神月(やがみ・らいと)が、ノートを使って犯罪者のない世界を作ろうとするさまを天才的な名探偵・Lとの戦いを軸に描き出す。
月を演じる加藤は、2015年の初演を日生劇場で観客として鑑賞していたとのことで今回、月役での出演が決まった際の心境について「あの『デスノート』でしかも月? 月ってあの月だよな…? という感じでした。整理するのにすごく時間かかりました」と驚きを口にする。
Wキャストで月を演じる渡邉は「うちの父が、数年前から僕に『お前は月をやるんだよ』って言っていたんです」と告白。その言葉通りに月役のオファーが届いたことに「本当にびっくりしましたし、『どうしよう?』とも思いましたが、父に伝えたらすごく喜んでくれ、『絶対に大丈夫』と言ってくれました」と不思議な巡りあわせへの驚きと喜びを語った。
天才的な頭脳で月を追い詰めていくLを演じる三浦は「いつかは(L役を)演じてみたいと思っていました。10周年という記念すべき公演に出演できることを嬉しく思います。夢がかないました」とニッコリ。Lといえば、背中を丸めた独特の姿勢が特徴的だが、三浦は「(以前の公演でLを演じた)小池徹平さんを見て『すごいな』と思っていたんですが、いざやってみると本当に大変で……」と苦笑交じりに明かし、この日の会見中もイスの上に足を乗せて座るLのスタイルを披露していた。
初演時にオリジナルキャストで月を演じた浦井は今回、死神のリューク役での出演となり「夜神月から“転生”いたしましたリューク役の浦井健治です」と挨拶し笑いを誘う。過去の公演をふり返り「死神殺しのシーンで、はまめぐ(濱田)さんから『月、ムカつくわぁ』と言われ続け(笑)、リューク役の吉田鋼太郎さんからは『いつかリュークを演じろよ』と言っていただいていて、夢がかないました」と感慨深げ。さらに「(アニメ版で月の声優を務めた)宮野真守くんに報告したら『え!? リュークやるの? え? リュークやるの?』と言われました(笑)」と宮野のモノマネを交えつつ明かし「しっかりと浦井のリュークというものをつくり上げていけたら」と意気込みを口にしていた。
濱田は8年ぶりの死神レム役で本作に復帰するが、改めて本作の魅力について「いまの時代に突きつけられる“何か”を赤裸々に、そして鋭角的に、ここまでしっかりとメッセージを届けられる舞台は他にないと思います」と語った。
既に稽古は進んでいるが、加藤は「月という役と向き合う中で、どんどん共感できない人物になっていきます。彼の心がどこから来ているのか? と考えさせられます」と自身の理想と正義のために殺人を是とする月の心理を理解し演じることの難しさを吐露。一方、渡邉は「抑圧された中で生きてきて、優等生で学年トップの成績で、刑事の父を持ち、“良い子”でいることが根底にある」と月という人間を分析。「その中で純粋な心は育つけど、デスノートと出会ってしまう――。この最初の純粋でキレイな部分をどうつくるかが重要だと思っています」と役への向き合い方を明かした。
三浦はLと月が「表裏一体」であると指摘し「絶対にわかり合えませんが、心の奥底で通じ合う何かを持っているというところを大切に演じたい」と意気込みを語った。
浦井は、月とLというふたりの天才が繰り広げる心理戦の面白さに加えて「栗山(民也/演出)さんはこの作品を群像劇としても捉えられていて、それぞれの正義を掲げていることがいかにこの時代に大切なのかということが如実に伝わってきます。僕がこの作品で衝撃的だったのは“家族愛”を描いているところでした。父と息子が分かり合うさまや“信じたい”という思い、海砂(みさ)とレムの愛の受け渡し、そこから死神が愛を学んだ結果など、家族愛が素敵だと思います」と本作が持つ物語としての深みに言及した。
この日は、一部歌唱の披露も行われ、加藤と渡邉は、月が正義のために死神のノートを使って“新世界の神”となることを誓う「デスノート」をスペシャルバージョンとして揃って熱唱。三浦は、Lと月の戦いの幕開けを宣言する「ゲームの始まり」を歌い、濱田と浦井は人間という存在を死神の視点で皮肉を込めつつ哲学的に歌う「哀れな人間」を披露。集まった一般の招待客からは、役になり切ったキャスト陣の生歌に大きな拍手が送られ、公演への期待が否応にも高まる会見となった。
取材・文/黒豆直樹
<公演情報>
『デスノート THE MUSICAL』
【東京公演】
日程:2025年11月24日(月・休)~12月14日(日)
会場:東京建物ブリリアホール
★ぴあ全館貸切あり! 12月2日(火)13:00
【大阪公演】
日程:2025年12月20日(土)~23日(火)
会場:SkyシアターMBS
【愛知公演】
日程:2026年1月10日(土)~12日(月・祝)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
【福岡公演】
日程:2026年1月17日(土)・18日(日)
会場:福岡市民ホール 大ホール
[原作] 「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ 作画:小畑健 集英社 ジャンプコミックス刊)
[作曲] フランク・ワイルドホーン
[演出] 栗山民也
[歌詞] ジャック・マーフィー
[脚本] アイヴァン・メンチェル
[配役と出演]
夜神 月:加藤清史郎・渡邉 蒼(ダブルキャスト)
L:三浦宏規
弥 海砂:鞘師里保
夜神粧裕:リコ(HUNNY BEE)
死神レム:濱田めぐみ
死神リューク:浦井健治
夜神総一郎:今井清隆
ほか
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/deathnote2025/
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