安藤奎の脚本をダンスに! Von・noズ『ばけがく』
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Von・noズ『ばけがく』 (c)松本和幸
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すべて見る10月25日(土)・26日(日)に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場・大稽古場にてVon・noズ『ばけがく』が上演される。
この公演は、異なるジャンルが“クロス”したところに生まれる驚きを追い求める、新進の表現者に実験と発表の場を提供する公募型サポート制度「彩芸ブロッサム」によるもので、今年度の第2弾公演。
Von・noズは「ダンスは動作による芸術である」という考えのもと、ダンスの枠にとらわれず、その可能性を追求し続けているダンスカンパニー。上村有紀と久保佳絵のふたりが共同制作で作品作りをしてきた団体だが、今回は2026年3月の新作公演のワーク・イン・プログレスという位置付けで、作り手と踊り手を分けたソロ作品2本の上演となる。

今回、Von・noズが挑むのは、劇団アンパサンド主宰で、TBS系で放送中のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の脚本を手掛けるなど活躍の場を広げている安藤奎による戯曲『呪信』、『それどころじゃない』の2作。『呪信』は2024年、テアトロコントで上演された30分ほどの短編で、突然スマートフォンに送られてきた「呪いの動画」が発端の物語。『それどころじゃない』は2021年に上演されたアンパサンドの本公演作品で、登場人物が会社に行こうとするが体が思うように動かないところからできごとが積み重なってゆく。いずれも、どこにでもありそうな日常の風景が描かれていたと思えば、突然思いがけないことが起き、気づけばとんでもないところにまで連れていかれている物語。安藤の作品はこの思いがけなさ、作中の転換が魅力だが、これらがダンス作品としてどう表現されるのか。
また、この二作は当然ながら演劇作品として、多くの言葉を費やして会話が繰り広げられる。そのやりとりや独特の間合いが笑いを誘うものだが、このたくさんのセリフに、Von・noズはどう立ち向かっていくのか。久保は彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督・近藤良平との対談で「ある意味ダンスの入る余白はすごく少ない。そこにわざわざ入ってみる、という挑戦ですね」と話している。この作品を経て、3月の本公演がどうなるかも含め、期待が募る。
<公演情報>
Von・noズ『ばけがく』
-演劇の上演台本をもとにしたダンス- ワーク・イン・プログレス
原作:安藤奎(劇団アンパサンド主宰)『呪信』(2024年)、『それどころじゃない』(2021年)
『呪信』
振付・脚色:久保佳絵
出演:上村有紀
『それどころじゃない』
振付・脚色:上村有紀
出演:久保佳絵
2025年10月25日(土)・26日(日)
※全公演アフタートークあり
会場:埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場
劇場サイト
https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/105039/
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