山田洋次が第38回東京国際映画祭で特別功労賞を受賞
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山田洋次
10月27日(月)から11月5日(水)に開催される第38回東京国際映画祭において、映画監督の山田洋次に特別功労賞を授与することが発表された。
山田は1961年に『二階の他人』で監督デビューして以来、半世紀以上にわたって日本の大衆文化と真摯に向き合ってきた。特に国民的シリーズとなった『男はつらいよ』シリーズは全50作におよび、ギネス世界記録にも認定されるほどの世界的偉業となっている。普遍的な家族愛と故郷への想いを描いた不朽の名作として、今なお多くの人々に愛され続けている。
2000年代以降も山田の創作意欲は衰えることなく、時代劇の新たな境地を開拓した『たそがれ清兵衛』(2002)では米国アカデミー賞外国語映画部門にノミネート。また『隠し剣 鬼の爪』(2004)は、第55回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、世界での評価も高い。今年の映画祭のセンターピース作品となる最新作『TOKYOタクシー』では、フランス映画『パリタクシー』(2023)を原作に、人生の喜びを描いたヒューマンドラマを紡いでいる。
特別功労賞は、長年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人物へ授与される。東京国際映画祭チェアマンの安藤裕康は「山田監督は、戦後の日本社会の現実を厳しく、しかし温かい目で見つめながらそれを映像に結晶させて、長年にわたり数々の傑作を生みだしてこられました。そして何よりも映画をこよなく愛し、内外の映画の過去・現在に幅広い関心を寄せ続け、映画の未来についても真剣に展望してこられました。後進の育成にも心を注いでおられます」とコメント。さらに「東京国際映画祭も発足以来さまざまな形でご協力をいただき、最近では黒澤明賞の審査委員長としてご尽力いただきました」と山田の映画祭への貢献にも触れた。
■安藤裕康(東京国際映画祭チェアマン)コメント全文
山田監督は、戦後の日本社会の現実を厳しく、しかし温かい目で見つめながらそれを映像に結晶させて、長年にわたり数々の傑作を生みだしてこられました。
そして何よりも映画をこよなく愛し、内外の映画の過去・現在に幅広い関心を寄せ続け、映画の未来についても真剣に展望してこられました。後進の育成にも心を注いでおられます。このように映画芸術の発展に多大な貢献されたがゆえに、多くの方々から賞賛を集めていらっしゃいます。
東京国際映画祭も発足以来さまざまな形でご協力をいただき、最近では黒澤明賞の審査委員長としてご尽力いただきました。
これらの幾多のご功績に対する敬意と感謝の意を表し、特別功労賞の受賞に心よりのお祝い申し上げる次第です。
<開催情報>
『第38回東京国際映画祭』
期間:10月27日(月)~11月5日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:
https://2025.tiff-jp.net/ja/