道教や仏教にまつわる多彩な神仏が一堂に『人々を援け寄り添う神と仏―道釈人物画の世界―』大倉集古館で
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《七福神図》島野春彰 昭和・20 世紀
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すべて見る2025年11月22日(土)より、港区虎ノ門の大倉集古館では、『人々を援け寄り添う神と仏―道釈人物画の世界―』展を開催する。道教や仏教の神仏や人物を描いた「道釈人物画」の世界を、前期(11月22日〜12月21日)と後期(12月23日〜2026年1月18日)に分け、約60件で紹介する展覧会だ。
「道釈人物」とは、七福神や鍾馗(しょうき)などの民間信仰の神とともに、仏教の仏である普賢菩薩や文殊菩薩、禅宗で祀られた親しみのある姿の布袋、異国情緒を醸し出す奇怪な風貌の羅漢など、道教や仏教に関連する神仏や人物をいう。いつも人間のそばに寄り添い、厄災を払い、願いをかなえ、ある時は生きる姿勢を示してくれる尊い存在だ。たとえば現在も正月を中心に「七福神めぐり」が行われている七福神とは、恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天の七柱。各神様にご利益があり、それぞれの服装や共に描かれる動物なども決まっている。同展の第1章では、意外と知らない七福神の謎を解き明かす。

第2章では、江戸時代を通して愛された武神をとりあげる。玄宗皇帝を援けた鍾馗や、三国志の武将から神に昇格した関羽など、端午の節句に飾られた勇ましくも愛らしいヒーローたちを紹介する。
第3章では、仏教のなかでも禅宗の教えを形にした神や仏に焦点を当てる。とくに美しい遊女や美少年に姿を変えた普賢菩薩や文殊菩薩、インパクトのある姿が忘れ難い寒山と拾得、達磨などは江戸時代には大変よく描かれた。それぞれのファッションや描き方なども定型化しているので、この機会に様々な決まり事を覚えておくと、さらに豊かな江戸絵画の鑑賞体験ができるだろう。

そして第4章では、写真家・服部正実が長年撮り溜めた写真から、関西の 屋根を飾る数々の鍾馗を紹介する。瓦鍾馗と呼ばれる関西の屋根の上の「鍾馗さん」は、江戸時代以降、何百年にわたって人々を見守ってきた。そのユーモラスで個性的な姿に注目だ。
庶民の暮らしに溶け込み、いつもそばに存在していた神や仏たち。知っているようで知らなかった多彩な神仏たちとじっくりと向き合ってみてほしい。
<公演概要>
企画展『人々を援け寄り添う神と仏-道釈人物画の世界-』
会期:2025年11月22日(土)~2026年1月18日(日)
会場:大倉集古館
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(11月24日は開館)、12月29日~12月31日、1月13日
料金:一般1,000円、大高800円
公式サイト:https://www.shukokan.org/
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