元花組トップスター・柚香光、東宝ミュージカルに初主演
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インタビュー
柚香光
続きを読むシリーズ累計1300万部を突破する小野不由美の大人気小説『十二国記』が、世界で初めてミュージカル化される。
『十二国記』は、我々が住む世界と、地球上には存在しない異世界を舞台に繰り広げられる壮大なファンタジー。平凡な女子高生・中嶋陽子は、ある日、ケイキと名乗る男に連れ去られ異世界へ。そこでひとり彷徨うことになった陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣に襲われながら、生き延びるための過酷な戦いを強いられていく。
本作で、主人公・中嶋陽子を演じる柚香光(ゆずか れい)。2024年5月の宝塚歌劇団退団後、初の東宝ミュージカル出演で主演を飾る柚香が、作品への思いや見どころ、役づくりへの意気込みを語った。
今回の舞台化で特筆すべきは、ダブルキャストでなく「ふたり1役」で、ふたりの女優が主人公・中嶋陽子を演じること。「異世界に連れ去られる前の“陽子”を加藤梨里香さんが、連れ去られた後の“ヨウコ”を私が演じます。陽子の内面の葛藤を舞台ならではの表現で描くために、陽子/ヨウコというふたり1役にしたそうです。陽子とヨウコが同時に舞台に立ち自問自答するシーンも多く、陽子の心の動きを、臨場感たっぷりに追体験して頂けるのではないでしょうか。ただ、外見も雰囲気も異なる加藤さんと私が同一人物であることを、どうすれば観ているお客さまに違和感なく受け入れていただけるかが、演じる上での難しさ。そこは、加藤さんとしっかりキャッチボールをしながら、丁寧に役作りをしていきたいと思います」

元の世界では、女子高生らしい葛藤や悩みを抱える普通の少女・陽子が、突然連れて来られた異世界で、自分の運命を受け入れ、たくましく成長していく姿も見どころ。「個人的に共感できる部分が多い陽子に対し、異世界のヨウコは芯が強くて賢く、尊敬できる部分が多い女性。最初は自分の意思に反して、剣を使わされていたヨウコが、ストーリーが進むにつれ、生きて元の世界に戻るために、自らの意思で剣をふるうようなる。そんな剣とヨウコの関係性の変化も大事に演じたいですね」
演出は、ミュージカル『ローマの休日』、『ダンス オブ ヴァンパイア』、舞台『キングダム』など、スケールの大きいエンタテインメントな舞台づくりに定評がある山田和也。壮大なファンタジー世界を舞台的にどう表現するかにも期待が高まる。「山田さんからお聞きした演出アイデアの中で個人的に楽しみにしているのが、“モップ”を使った演出。掃除などで使うあのモップが、異界のファンタジー世界でどう使われるのか気になりませんか?ファンタジーならではのアクションシーンでは、殺陣(タテ)はもちろん、舞台ならではの演出を駆使し様々な形で登場する異形の獣たちにも注目してください」
ミュージカルについては、「人の心を動かす大きなパワーがあり、自身にとっても大切にしているジャンル」と語る柚香。だからこそ、勉強し続けなければならないと感じているそう。「今、完成した楽曲を次々と頂いているところなのですが、どれも壮大で想像力が膨らむ楽曲ばかり。曲数も多く、30曲ほどあります。キャラクターごとの楽曲だけでなく、出演者が掛け合いながら歌い合う大ナンバーなど、ミュージカルの醍醐味が詰まった楽曲が目白押しです。1曲1曲をヨウコとして歌い、思いを伝えられるように、これからていねいに稽古をしていきたいですね」と力強く抱負を語った。

今でも、男役時代のくせが抜けず、挨拶の時、瞬時に男役の声に戻ってしまったり、立ち姿や歩き方が男らしくなってしまったりすると笑う。その姿には、やはり隠しようのないカリスマ性を感じさせる。原作がある作品の主人公を演じるにあたって、「常に、原作者の思いと世界観を大切に、ファンの方々の中にあるキャラクターに近づけるよう心がけている」という柚香が全力で挑むミュージカル『十二国記 ‐月の影 影の海‐』に期待したい。
ミュージカル『十二国記 ‐月の影 影の海‐』
<東京公演>
12月9日(火)~29日(月)
日生劇場
<福岡公演>
2026年1月6日(火)~11日(日)
博多座
<大阪公演>
2026年1月17日(土)~20日(火)
梅田芸術劇場メインホール
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560982

