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「出会えたことが大きな宝に」森崎ウィン×向井康二 信頼と尊敬が生んだ純度100%ラブストーリーの裏側

映画

インタビュー

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(撮影/稲澤朝博)

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森崎ウィンと向井康二は、ともに東南アジアにルーツを持っている。そんなふたりが日本とタイの共同制作でW主演する映画『(LOVE SONG)』は、純度100%の初恋の行方を描く胸キュンストーリー。お互いに好きだったソウタ(森崎ウィン)とカイ(向井康二)が胸にしまっていた淡い想いをタイで偶然の再会を果たしたことから気持ちを取り戻し、会わなかった空白の時間を埋めていく。友情と恋の狭間で揺れ動く恋の結末は――? 初めての本読みから、信頼し合いながら寄り添うことができたと語る息ぴったりの対談から、ふたりの相性の良さを感じられるはずだ。

ソウタのピュアでまっすぐな姿があったから、カイとして自然に演じることができた

――森崎さんが演じたソウタは、バンコクへの海外勤務を命じられた真面目すぎる研究員で恋に不器用な役どころです。向井さんはソウタの初恋の相手でミステリアスなカメラマンのカイを演じました。お二人ともご自身が演じた役どころとの相違点は、どんなところか教えて下さい。

向井 僕が演じたカイは、普段はカメラマンをやっていて、バンドマンでもあるんですよね。クールな役で口数が少ないもんで、自分とはそこが違っていて、少し難しかったですね。カイは普段の会話も物事をパパッと言われないタイプで、僕は言ってしまうタイプなので、じれったい性格ではあるのかな(笑)。意外と自分とは似てないキャラクターかもしれない。

森崎 現場でも「カイ、むかつくわ~」って言ってたよね(笑)。僕は「いや、あなたが演じるんだよ」って言ってたけど。

向井 そうね。でも、ソウタのピュアでまっすぐな姿があったから、カイとして自然に演じることができたんじゃないかなって。

森崎 僕のソウタは、自分とは真逆なキャラクターで。脚本をもらって自分の頭の中で想像していた時は不安だったんですよ。1番時間を長く過ごす相手役でもあるテレビの中のこうちゃん(向井)のイメージとカイは、ちょっと違うじゃないですか。実際に会ったら、どういう感じなのかなとか、まず一緒にいて合うのかなとか思ったんですけど。本読みの前に1回、挨拶程度にすれ違ったんですよね。その瞬間、初めましてなんですけど、初めまして感があまりないような感覚に陥って、「あ、大丈夫だ」と思えました。直観的に自分の弱みも出していい相手だって思いましたね。

向井 そうなんだ。

森崎 本読みで、こうちゃんの声を聞いた時に、活字だけで思い描いていた時の不安が吹き飛んで安心感がもてたんですね。ソウタってちょっと気分の波が激しいやつでなかなか掴めないところもあったんですけど、実際に本読みをやってみて、カイがドシッといてくれる感じだったから、ソウタとして思い切り飛び込んでいいんだって思えてホッとしました。

向井 僕もね、同じ感じ。最初はどういう感じで行こうかなって考えていたんですけど、本読みをした感じで大丈夫だなって。まぁ、ウィンくんがどんな雰囲気なのかはテレビとかで分かっていたけど、思っていた通りの方でした。裏表もなく、嫌な部分がない印象で。本当にお芝居が好きなんだなって思いましたね。

キスシーンの動きは難しそうだった

――本作は、世界的なBLブームの火付け役になったドラマ「2gather」を手掛けたチャンプ・ウィーラチット・トンジラー監督が両片想いのソウタとカイが相手を想いながらもすれ違ってしまう姿を描くピュアなラブストーリーです。キュンキュンするような恋の場面の撮影ではどんなことを大切に演じましたか?

向井 キスをするシーンがあるんですけど、意外に距離があったよね。

森崎 そう、遠かった!

向井 「遠いな……どう行く?」みたいになりましたね。画で観たら、意外といけるじゃんって思ったけど、撮影では距離感あったのよ。

森崎 そうなんだよね。ラブシーンってスクリーンを通して観たら非常に美しいシーンになっています。

向井 意外とそんな感じなのよ。

森崎 そんなことを感じさせない余裕感があるこうちゃんの表情は素晴らしい。でも、目の前にいる俺は分かるからね?(笑)。俺は頑張って座ってるだけだったけど、大変だったね。

向井 キスシーンって監督からどんな演出あったっけ?

森崎 いや、ラブシーンでは監督から細かい演出ってあまりなくて。「ここでキスして欲しい」って言われただけ。編集が上がってこういうシーンが欲しかったんだなとか思うところは多々あったかな。監督の見たい画はシチュエーション含め、こう撮りたいんだろうなっていうのは理解できたけど、結構遠いんだよなって距離感には戸惑いましたね。……って考えると、こうちゃんはすごかった!

向井 いやいや、頑張りましたよ!

森崎 キスシーンの動きは、ちょっと難しそうだったな。

向井 体で体重を支えたりしていたもんね。

森崎 あのシーンではタイでは元々、テストっていう文化がないけど、「カットは何回戦やるね」って監督が教えてくれて。今、時代的にもインティマシー・シーンで監修が入ったりするんですけど、今回はいなかったんです。でも、一応、気遣ってくださって、やる前は動きを確認するじゃないですか。でも、始まると全然違う動きになってなかった?

向井 それで二人で「どこまでやる?」みたいな…。やりすぎてもねっていうところで。でも、あそこは、リアルかソウタの夢だったのかどっちか分からないっていうシーンになっていたから、夢であるなら、思いっきりいった方が良かったのかなって思ったりして。

森崎 そう。覚えてないかもだけど、ワンカットで撮り終わってから、そのシーンについて説明されたからね。俺は1発目だからされるがまま。ああっ……みたいな。やばいスイッチ入ったと思ってリアルにちょっとキュンとしました。結局、段取りとかってあるじゃないですか。怪我しないようにとか、カメラや照明から外れないようにとか。立ち位置を決めるために、それも俳優の仕事でもあるんですが、本番でしか生まれないものって絶対にあったからね。終わってから説明されて、「このままでいいよ、オッケー」って思いました。恥ずかしくも、気まずさもなくなって、リアルにこんなにキュンとするもんなんだなって思ったからね。

向井 リアルにキュンね……僕的にはキュンとしたのはね、そこよりもリビングのキスした後のソウタの顔! ゲームの“ポケモンの技”でさ、「つぶらなひとみ」っていう技があるんやけど。まさにあれよ、あれ。ウィンくんがそんなつぶらな瞳をしてたから、めっちゃキュンとしたわ~(笑)。

「この人、バイクが似合うんだな」と思いました

――相手のシーンでここは注目という場面がありましたら、教えてください。

向井 自分がいないところのシーンは、現場で見られていないからね。日本の会社や、タイでのミッチー(及川光博)さんとのシーンとか、すごく観ていて楽しかったね。タイで再会する前の辺は、観ていてすごく新鮮でした。

森崎 そうですね。僕が好きなのは、カイがバイクに乗ってるシーン。雨に打たれながらのシーンなんですけど、「あ、この人バイク似合うんだな」と思って。免許持ってるの?

向井 免許持ってないからね、あれ牽引してもらって。でも、事前に動画でバイクに乗っている場面をチェックして挑みました。

森崎 だからか~、さまになってたよ!

向井 このシーンは、「スローでしょ?」って思いながら撮っていて。

森崎 こうちゃんは、大体スローが多いから。そのバイクのシーンは、あんまり見たことないこうちゃんの姿だなと思って。仕事柄、多分プライベートでも乗らないんじゃないかなと思っていて。趣味っていうことも聞いたことなかったですしね。だから、仕上がり見た時にバイクのこうちゃんカッコいいなって思いましたね。

向井 まさか免許ないとは思わないぐらいでしょ。本当に乗ってるのかなって思わせたい(笑)。

――物語の舞台は、タイです。ソウタが突然バンコク勤務を命じられ、渡航初日に大学時代に姿を消した初恋の相手と偶然の再会を果たします。タイ料理を一緒に食べるシーンやバンコクでのカイのライブシーンなどもありますが、タイでの思い出は?

森崎 劇中で虫を食べたことが思い出深いです。

向井 ああ、あのポテトチップスみたいなやつ? 味は?

森崎 いや、ホントに無理だった!

向井 食感が無理?

森崎 こうちゃんは、平気なの?

向井 まあまあ、昔食べてましたけども、別に好んでは食べない。ムニムニしてるから。

森崎 たまに汁みたいの出てくるやつもいるよね?

向井 ムニムニしてるやつはね(笑)。

あと、大変だったのは、タイでカイがライブをする中で歌うシーン。1日中、何回も歌いましたからね。

森崎 ライブの撮影日は一緒に現場に入って、ずっと歌っているのを聴いてたけど、結構大変そうだったね。リップシンクではなく、生歌でずっと歌ってたもんね。あのシーンは必見です!

友情と愛情の境界線はどこにある?

――友情がいつしか愛情に変わっていくソウタとカイの関係性を演じたお二人ですが、友情と愛情の境界線はどんなところにあると思いますか。

向井 あら、おしゃれな質問ですねぇ(笑)。難しいですけど、会いたくなったら、もうそれは恋じゃないですか?

森崎 なるほど。友情は、いいライバルになる場合もあるし、お互い同じ方向を向いて、肩を並べているイメージがあるんですけど、愛情はお互いに向き合っているって感じがしますね。

向井 おっ、おしゃれ! 後で発言するのは、有利やな(笑)。

森崎 ボケてくれたら、俺も突っ込みますよ!

――タイで運命の再会を果たす二人を演じましたが、恋の相手を演じるのが、お互いで良かったなと思ったエピソードはありますか?

向井 ソウタはね、ウィンくんにピッタリだよね。やっぱりピュアさ、純粋さがあって成り立つ役だから、それがちゃんと顔に出ていましたよね。僕は、話し合いがあまり得意じゃないけど、話し合いもスッとできるのがね、貴重なことやったな。それは一緒にやってて、良かったなと思うことやね。

森崎 いや、僕もそれは同感なんです。共演って、巡り合わせ、ご縁じゃないですか。お互いプロとして、責任感を持って現場に立っている以上、「絶対にいい作品を作ろう」っていう気持ちでやっているわけで。それは誰が相手だろうとみんな同じ感覚になるし、最終的にはこの人でよかったなっていう感想になりがちなんですけど。僕はこうちゃんと共演して1番すごいなと思ったのは、タイでの撮影中にロンドンへ行ったり、日本へ帰ったり。ハードなスケジュールじゃないですか。それだけすごく求められているということだと思いますが、ホントに全く疲れてる瞬間を見せないんですよ。仲良くなったつもりでいるんですが、カメラか回ってない時も、全然見せないのはすごい!

向井 いやいや。

森崎 「ここをこうしたいんだよね」とか、シーンについてスタッフさんにまだ言えないことを話したりする時とかに、ポロッと「いや、ちょっときついわ」とか言ってもいい関係性ではあったと思うんですよね。それを言わないで、これだけのものを背負って勝負を仕掛けに来る人とできるっていうのは、すごく刺激になりましたね。これは自分も応えなきゃいけないっていう風にさせてもらえるので、ホントにもらったものがたくさんあったなって思いました。それは多分、向井康二だから出せるものなんじゃないかなって思ってて。だから、こうちゃんと出会えたことは、大きな宝になったなと思います。

向井 宝ね。それはこっちもそのまま言えることですよ!


<作品情報>
『(LOVE SONG)』

10月31日(金) 全国ロードショー

https://movie-lovesong.jp/
©2025『(LOVE SONG)』製作委員会
配給:KADOKAWA


撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子
ヘアメイク/
森崎:宇田川恵司
向井:宮本春花

スタイリスト/
森崎:森田晃嘉
向井:三浦玄

【向井康二 衣装】
●ジャケット+ボトムス
ブランド名:IRENISA(イレニサ)
問い合わせ先名:IRENISA(イレニサ)

●シャツ
ブランド名:ANTHEM A(アンセム▲エー)
問い合わせ先名:ENKEL(エンケル)

●ネックレス&ブレスレット&小指のリング
ブランド名:mollive(モリーブ)

●人差し指のリング
ブランド名:Atease(アティース)
問い合わせ先共に:CharcoalGreenTokyo(チャコールグリーントーキョー)

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