ショッピングモールの夜勤で見つめる“現実”―― 全国6箇所で10年の集大成を見せる、ゆうめい『養生』
ステージ
ニュース
ゆうめい10周年全国ツアー公演『養生』ビジュアル
続きを読むフォトギャラリー(3件)
すべて見る池田亮が脚本・演出・美術を務める団体、ゆうめい。2015年設立の彼らが10周年を記念し、全国ツアー公演を行う。11月1日(土)〜3日(月・祝)の京都・ロームシアター京都 ノースホールを皮切りに、三重、福島、北海道、高知、神奈川と全国6都市で『養生』を上演する。
『養生』は2024年、東京・下北沢ザ・スズナリで初演が行われた作品。たった4日間にも関わらず大きな反響を呼び、第32回読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞した。今回は初演からバージョンアップしての再演となる。
ゆうめいは旗揚げ以来、実際の体験を演劇の形にしてきた。旗揚げ公演の『俺』は、学生時代駅伝部に所属していたゆうめいの代表、池田亮の実体験を基に作られた。家族を描いた作品も複数あり、池田の実の父や祖父が出演者として舞台に立ったこともある。そうやってドキュメンタリー的手法で演劇を作り続けてきた池田は、初の本格的なフィクション『ハートランド』で岸田國士戯曲賞を受賞。その受賞後第一作として、実体験とフィクションが入り混じった物語が立ち上げられた。それが『養生』だ。


「『ゆうめい』の原体験と現実の変換が軸」と池田が語る本作は、彼が実際に経験したショッピングモール内装の夜勤での出来事が描かれている。思うようにいかない現実の閉塞感、今の自分を正当化するために現実を捻じ曲げて認識してしまうやるせなさ、もどかしさ。そこにフィクションが混じっていく。内装の仕事には欠かせない脚立が、舞台美術としてさまざまに形を変えて存在するのも見どころのひとつだ。キャストは演劇集団「ウンゲツィーファ」の主宰である本橋龍、青年団に所属しウンゲツィーファにも参加、俳優とともに舞台監督としても活動する黒澤多生、そして池田と共にゆうめいを立ち上げた丙次。たった3人で約2時間の物語を紡ぐ。
「ゆうめい」の名前の由来は「夕と明」。暗くなることから明るくなるまでのことを指す。その10周年に、夜から朝にかけての時間を描くこの『養生』が上演される。常に演劇界に話題作を提示してきた彼らの、10年の集大成を見届ける公演となりそうだ。
<公演情報>
ゆうめい10周年全国ツアー公演『養生』
作・演出・美術:池田亮
出演:本橋龍、黒澤多生、丙次
【京都公演】
2025年11月1日(土)~3日(月・祝)
会場:ロームシアター京都 ノースホール
【三重公演】
2025年11月8日(土)・9日(日)
会場:三重県文化会館 小ホール
【福島公演】
2025年11月29(土)・30(日)
会場:いわき芸術文化交流館アリオス GSユアサいわき小劇場
【北海道公演】
2025年12月6日(土)・7日(日)
会場:クリエイティブスタジオ(札幌市民交流プラザ3階)
【高知公演】
2025年12月12日(金)・13日(土)
会場:高知県立県民文化ホール オレンジホール
【神奈川公演】
2025年12月19(金)・28日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
公式サイト:
https://www.yu-mei.com/yo-jo2025
フォトギャラリー(3件)
すべて見る
